雨だっ! ワイパーを……って全然拭けないじゃん! 出先でパニクらないよう梅雨入り前に必ず「ワイパーチェック」を実施すべし!!
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WEB CARTOP より
ワイパーゴムは簡単に劣化する
クルマで走っていると、どうしても雨のなかを移動しないとならないときがあります。その場合に欠かせないのがワイパーです。
もし不意の雨に遭遇したときにワイパーが利かなくなったりしたら、視界に支障が出てしまい、運行が困難になるでしょう。たとえそれがワイパーゴムの不具合によるものだとしても、交換するには新品を買いに行かないとなりません。
これから訪れる梅雨の季節にそんな状況に陥ってしまうと、晴れの日を待って買いに行こう、なんていっているうちにかなりの時間が経ってしまうでしょう。
そうならないように、予防策としていまのうちにワイパーのゴムだけでも交換しておきたいですよね。ここでは、自分でできるワイパーゴムの交換の方法を紹介していきましょう。
■ワイパーの役割
ワイパーの役割は、言わずもがな窓ガラス表面に付いた水滴を除去することです。
もしワイパーに不具合が出てしまうと、前述のように視界に支障が出て運転が困難になります。ひどい場合は視界が妨げられ、運転不能になることもあり得ます。
「急にワイパーが壊れることなんてあるの?」という疑問も大いにあるでしょう。中古車を購入してきて初めてワイパーを使ったときにワイパーゴムがモゲて窓ガラスを一切拭き取ってくれなくなったことを経験してからは、十分あり得ることなんだと実感しました。ちなみにそのときは夕立の激しい雨だったので運行が困難になり、雨が止むまで動けませんでした。
たまに道路脇に細長い金属の板が落ちているのを見かけたことがある人も少なくないと思います。あれは劣化したワイパーのゴムから、なかの芯(板バネ)が脱落したものだそうです。自身でワイパーゴムの損傷を経験してからは、「アレはコレだったのか……」と妙に納得してしまいました。
■ワイパーゴム劣化の原因
ワイパーゴムを触ったことがある人ならなんとなく実感していることと思いますが、ワイパーゴムは先端が細くなっていて窓ガラスにフィットする繊細な形状をしています。端からグイッと裂けるチーズの要領で引っ張れば簡単に裂けてしまいそうなくらいの繊細さ、なんならちょっと頼りないくらいのカタチをしています。
とはいっても通常の使用であれば、温度差の大きい日本の北から南まで問題なく使用できる耐久性はもっています。
しかし、ゴムは劣化します。あの頑丈を絵に描いたようなタイヤでさえ、何年も使い続けていると表面が硬化してひび割れが発生してきます。
劣化の原因はいろいろありますが、いちばんの原因は紫外線です。紫外線がゴムの分子を壊すことで表面から硬化が始まります。ゴムにとって硬化は致命傷ですので、そのまま放置すると破断してしまいまうのです。
ゴムの交換だけでなく窓の掃除をするとより効果が得られる
■交換の方法
そうはいってもゴムの劣化は急に進むものではなく、数年かけてじわじわと進行するので、つねに神経質に監視する必要はありません。しかし、じわじわと進行するだけにいつのまにか交換対象の意識から外れていき、気付いたときには拭き取りに支障が出るくらいに劣化が進行していた、なんてことも多々あります。
なので、こういう梅雨の前などのタイミングで交換してしまいましょう。
交換の方法は難しいものではないのですが、押さえておきたいポイントはあるので、それを頭に入れてから作業に入ります。
手順を箇条書きで説明してみましょう。
※ここでは一本ブレードタイプではなく、スタンダードなパンタグラフ
1)ワイパーアームを持ち上げて立たせる
ワイパーアームを引き上げると、ある角度で止まるようになっています。そこで保持される仕組みになっているのですが、風やうっかりで倒してしまうこともあるので、持ち上げたらワイパーブレードが当たる部分にウエスを重ねて敷いておきます。
2)ワイパーブレードを根元のコネクターから分離する
ワイパーアームとワイパーブレードは樹脂のコネクターで結合されているので分離が可能です。慣れれば分離せずにゴムの交換はできますが、慣れないうちは分離して作業しましょう。コネクターの爪を押し込んでアームの付け根方向に押し込むと外れます。外したらすぐにアームを戻し、先に敷いたウエスに押し付けておきます。これをしないでワイパーアームで窓ガラスを割ってしまったという話を聞きますので、必ずしておきます。
3)ワイパーブレードからワイパーゴムを引き抜く
外したワイパーブレードから、ワイパーのゴムを引き抜きます。ワイパーゴムは遠心力で外れないように内側にしか引き抜けないようになっていますので、外した方向を確認して、ワイパーアームの付け根方向側の端っこを押し出す感じで引き抜きます。
半ばくらいまで引き抜くと、ゴムを均等に押し付けるための細い板バネが2本分離すると思うので、それを無くさないように近くにおいておきましょう。
4)新品のワイパーゴムを挿入する
外したのと逆の要領で、新品のワイパーゴムを差し込んでいきます。このとき、差し込む前に先ほど分離した板バネをワイパーゴムの溝に入れて、いっしょにブレードの爪のなかに差し込んでいきます。ここはちょっとコツが要りますが、確実にブレード両側の爪が余らないように差し込んでやりましょう。
5)ワイパーブレードをワイパーアームに装着して完了
ワイパーゴムをアームにセットできたら、それをワイパーアームに戻します。コネクターをワイパーアーム先端の「U」字の部分に差し込んで「カチッ」という感触があれば装着完了です。
新品ゴムの調達も、初めて行うという人にはそこそこのハードルだと思いますので、まずはカー用品店に行って、自分のクルマの車種と年式、グレードを伝えて探してもらいましょう。
■ワイパーゴムの交換といっしょにしておきたいこと
このように手順と注意点だけ把握していればワイパーゴムの交換はカンタンな作業だと思いますが、交換作業といっしょにやっておきたいことがあるので、それも紹介しておきます。
・ワイパーが当たっている面の汚れを除去しておく
紫外線の経年劣化以外でワイパーゴムの劣化の要因となるのが、砂や汚れでワイパーゴム先端が荒れてしまうことです。
ワイパーゴムは窓ガラスの表面をなでるように拭き取りますが、待機中の状態ではガラスから流れ落ちた汚れや、風で飛んできた砂などが溜まってしまう位置関係になっています。
こまめに洗車する場合であればその汚れや砂の堆積は少なく済みますが、多くの場合は溜まった状態で不意の雨の際にいきなり動かしてしまうでしょう。そうなると砂や汚れをガラス面に塗り広げるように動くことになり、汚れや砂で柔らかいゴムの先端が荒れてしまいます。
これが数回続くと拭き取りに支障が出て、よくある扇状に線が残る状態が発生します。ゴムが拾ったゴミで拭きムラが出ているならゴミを除去すれば復帰できますが、ゴムの荒れができてしまうと交換するしかありません。
・窓ガラスに「撥水コート」を施工しておく
「ワイパー要らず」的な宣伝文句で販売されている撥水性のウインドウコーティング剤が多く販売されています。確かに水滴がコロコロと流れて視界を良好にキープしてくれるのですが、水滴は流れながらもウインドウ表面に存在するので、雨が降り続けているうちはワイパー作動時ほどクリアな視界にはなりません。
しかし、ワイパーの作動と撥水コートを併用すれば、おそらく雨の視界としてはベストな状態にできます。
それに加えて撥水コートを施工するとガラス表面の潤滑性が少し上がる効果もあるので、ワイパーゴムの傷付きを多少防止できます。
手間をかけただけの効果はあると思いますので、ヒマを見て撥水コートでガラス表面を良い状態にキープしておきましょう。
ちなみに6月6日は「ワイパーの日」だそうです。雨が続く梅雨に入る前にワイパーに意識を向けてもらうための日でもあるそうなので、このタイミングで交換するのもありでしょう。