降雪地区じゃなくてもメリットあり! 「寒冷地仕様」の意外な便利装備
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ベストカーWeb より
冬になると耳にする寒冷地仕様。一般的には北海道や東北など、雪国で使われる特別仕様というイメージが強いが、寒冷地仕様に搭載される装備の中には、降雪地域以外のユーザーにとっても実用的なメリットがある。今回はトヨタ車を例に一部を紹介したい。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC、トヨタ、デグナー12(Team Gori)
即熱性が高い電気式補助ヒーター

寒冷地仕様で思い浮かぶのは低温化でもエンジン始動を可能にする大容量バッテリーと、凍結を防止する高濃度の冷却水。しかし、時代を経て今ではさまざまな+αの快適装備が存在する。今回紹介する装備はすべての寒冷地仕様のクルマに該当するわけではないが、クルマ選びの際の参考にしてもらいたい。
冬の朝、クルマに乗り込んだ瞬間の“冷え切った空気”。特に短距離移動が多いユーザーにとって、車内が暖まる前に目的地に着いてしまうというのはよくある話だ。そもそもクルマの暖房は、エンジンが発生する熱を利用して暖める仕組み。そのため、エンジン始動直後は車内がなかなか暖まらない。
ここで活躍するのが寒冷地仕様に搭載される電気式補助ヒーター。エンジンの暖気が充分でない間、電気の力で温風を発生させる装置だ。即熱性に優れ、寒い日でも早く暖房が効き始めるのが最大の魅力。特にハイブリッドカーはエンジンの排熱量が少なく、暖房が効きにくい。寒さが苦手な人にとって電気式補助ヒーターの恩恵は大きいはずだ。
また、後席足元を暖めるために装備されるのがヒーターダクト。一般的なクルマは、前席側の吹き出し口からの暖気が車内を循環する仕組みだが、後席が暖まるまで時間がかかる。その点、寒冷地仕様ではリアシート足元に暖気を直接送るため、家族の評価は抜群だ。
冬だけじゃない!「撥水フロントガラス」は年中便利

2つ目は撥水加工を施されたフロントのドアガラス。例えばヤリスなどに設定されているこの仕様は、本来、ワイパーのないドアガラスでも雪を弾いて視界を確保する意図がある。しかし、その効果は冬に限らず、雨天時の視界確保にも貢献。筆者としてはフロントのドアガラスに限らずガラス全面に採用してほしいと思っている。
この撥水加工のガラスが非常に優秀で、市販の撥水剤を塗布する場合に比べて効果が長く続く上に油膜もつきにくい。窓ガラスに生じやすい、うろこ状の雨ジミも発生しにくいため、キレイなガラス面が保てる。降雪地域に限らず、そのメリットを感じることは多いだろう。
気になる価格差は意外と少ない

では、寒冷地仕様はどれくらい高いのか? 車種にもよるが、概ね2万〜5万円前後が中心。装備内容を考えれば決して高い追加費用ではないと思うがいかがだろうか。冬の朝がつらい人、ハイブリッド車ユーザー、雨の日の視界向上を求める人には、十分に費用対効果が見合う仕様ではないだろうか。
寒さが本格化する前の今こそ購入時のオプション選びや中古車選びで一度チェックしてみる価値は高い。寒冷地仕様は、寒い地方のクルマではなく、冬を快適に過ごすための生活仕様なのである。

































