軽に軽油を入れるって信じられない!「ガソリン車に軽油」「ディーゼル車にガソリン」を入れたらどうなる?
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ベストカーWeb より
2023年11月末、北海道のガソリンスタンドで水が混入したレギュラーガソリンエンジンを販売してしまい、エンジンがかからなくなるトラブルが発生したそうだ。
またJAFの調査によれば軽自動車に軽油を入れるケースやガソリン車に軽油、ディーゼル車にガソリンを入れるケースもいまだにあるという。そこで、もし、誤給油したらどうなるのか、対処法を解説していこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真はAdobe Stock@mikitea)
■軽自動車に軽油を入れる間違いは実際にあるというのは驚き
2023年11月末、北海道のガソリンスタンドで水が混入したレギュラーガソリンを販売してしまったニュースが流れたが、2022年11月には千葉県のガソリンスタンドでもレギュラーガソリンに軽油が混入してしまうという、なんともドライバー側には防ぎようもないガソリンスタンド側のミスもあった。
ドライバー側のミスとしては、2022年10月1日~10月31日の1カ月間、JAFが出動した「燃料の入れ間違い」による救援(105件)のうち、ガソリン車に軽油を給油してしまったケースは全国で57件、ディーゼル車にガソリンを給油してしまった件数は39件もあった。
また、現場での聞き取り調査によると、「レンタカーを借りて普段の車両と違ったため」「軽自動車なので軽油を入れた」などの理由があり、ドライバーの認識不足がトラブルにつながっていることがわかった。
その原因のひとつとして、誰もが簡単に給油できるセルフ方式のガソリンスタンドが増えたせいもあるだろうが、それにしても軽油と軽自動車、軽油とガソリンは異なる燃料だし、軽油はディーゼルエンジンに使うものという認識は忘れるものだろうか。
■誤って給油して起こるトラブルとは?
間違った燃料を給油した場合に起こる実際のトラブルはどのようなものなのか? ディーゼル車にガソリンを給油した場合、ガソリン車に軽油を給油した場合はどうなるのか?
ディーゼル車にガソリンを入れた場合は、ガソリンは充分な潤滑性を備えていないため、燃料ポンプや噴射ノズルが破損するなどのトラブルが生じて、エンジン音が高まり白煙を排出した後、エンジンが停止してしまう。
こうなると燃料ポンプやインジェクターが摩耗や焼き付きを起こしてしまうことになる。結果として、オーバーホールが必要になって、修理費用もフルオーバーホールでは30万円程度かかるケースも起こりうるという。
いっぽう、ガソリン車に軽油を入れた場合は、軽油の混ざったガソリンが供給されてエンジン出力が低下して加速が鈍くなり、アイドリングの不調に陥る。
軽油はガソリンほど揮発性が低く気化しないために、不完全燃焼によって、すすなどが生じて点火プラグが汚れてしまう。残された燃料が軽油だけになると、黒煙が排出された後に最終的にはエンジンが停止してしまう。燃料の入替えおよび燃料フィルターの交換や燃料配管の洗浄などが必要となる。
誤給油に気づいたらエンジンをかけず、気づいた時点でガソリンスタンドのスタッフに伝えて燃料を抜くなど適切な対応をしてもらおう。
誤給油に気づかずに走ってしまいエンジンが停止してしまったらJAFを呼ぶなど速やかに救援を呼んだほうがいい。
■アドブルーを軽油のタンクに入れ間違えた場合の対処法
そのほか、ディーゼルエンジンが排出するNOx(窒素酸化物)を水とチッソに換えるためのアドブルー(尿素水)を軽油タンクに入れてしまったケースもあるという。
アドブルーは尿素水なので、ディーゼル車の軽油タンクに入れると、エンジンや排気ガス浄化システムが故障する可能性があるので、整備工場で軽油タンクに入ったアドブルーを抜かなくてはいけない。もし間違えてしまった場合はエンジンを始動せずに、JAFなどに救援要請をお願いしたほうがいいだろう。
■暖かい地域で入れた軽油は寒冷地に行くと凍ってしまうので要注意!
また、首都圏をはじめとする雪があまり降らない比較的温暖な地域で販売されている軽油を入れたクルマが、気温が低いスキー場などに長時間駐車した時などには、軽油の流動性が失われ、燃料が噴射できずにエンジンがかからなくなることがある。
軽油は流動点(使用できる外気温の目安)の違いによって5等級に分けられている。凍結してしまうとエンジンが停止したり、思わぬトラブルの原因になってしまう。
軽油の凍結を防ぐために、なるべく現地で寒冷地用の軽油を給油しよう。ちなみにガソリンは凍結する心配はないので気にしなくてもいい。