車間距離の詰めすぎが危険なのは当たり前! ただし空けすぎも渋滞の原因! 120km/h区間もあるいま「適切な車間距離」ってどのぐらい?
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WEB CARTOP より
車間距離の正しい取り方
賢明なるWEB CARTOP読者各位は当然ながら、クルマを運転する際は「適切な車間距離」を保持しながら走っているものと信じている。だが世の中の一部には、やたらと車間距離を空けて走りたがるドライバーもいるようだ。
もちろん「車間距離をやたらと空ける」という行為は、「車間距離をやたらと詰める」よりはマシであり、安全な行為でもある。だが、世のなかなんでも「やりすぎ」はよろしくないもので、高速道路において車間距離をやたらと空けたがるクルマのうしろについてしまったドライバーは、「さすがにもうちょっと詰めてくれないかなぁ……」などとイライラすることになる。

イラつきは安全運転の大敵であるため、これはもう交通社会全体の安全のためにも、前方を走る「空けたがり屋さん」には車間距離感の改善を求めたいところである。
だが、そもそも高速道路における「適切な車間距離」とは何mぐらいのことを指すのだろうか?
筆者が教習所に通っていたウン十年前は「時速100kmで走る際は、おおよそ100mの車間距離を取る必要があります」と教わった記憶があり、高速道路上に表示されていた「車間距離を把握するための目印」みたいなものも、昔は50m×2で表示されていたはずだ。

だが近年の高速道路では、それは50m×2ではなく「40m×2」で表示およびペイントがされている場合が多い。そのような変更がいつ行われたのかは知らないが、これは、車間距離に対するメインストリームな考え方が「車間距離」から「車間時間」に変わったことと関係しているのだろう。そしていま、その車間時間は「一般道では2秒、高速道路では3秒が目安」とされている。
誰でもできる! 車間距離の測り方
警視庁のウェブサイトに掲載されている交通心理学会の実験結果によれば、ドライバーが「走りやすい」と感じる車間距離は時速50kmで25m、時速60kmでは28m、時速80kmでは43mであるとのこと。これを時間に換算すると、速度によらず、走りやすい間隔は「1.8秒」ということになる。しかし、車間時間が2秒未満で起きた事故は、死亡事故を含む重大事故であることが多いことから、車間時間は「2秒が適切(2秒ルール)」と推奨されているのだ。
そして、一般道よりも速度が上がる高速道路では、より安全を確保する意味で「3秒の車間時間」を空けることが推奨されている(3秒ルール)。3秒ルールを適用した場合、100km/hでの車間距離は83.3mとなるため、近年の高速道路では「車間距離を把握するための目印」が40m×2=80mになっているのだろう。

で、いちおうベテランドライバーである筆者の体感からも、「100km/h巡航時の80m」はおおむね適切な車間距離だと感じる。これが50m(車間時間1.8秒)だとさすがにやや近くて危険であり、110m以上(車間時間4秒以上)だと「空け過ぎで、逆にやや危険(後続のドライバーをイライラさせたり、ガンガン割り込まれたりする)」ということになるのだ。
「車間時間」の測り方は非常にカンタンである。何らかの目標物(照明や電柱、標識など)をとりあえず決め、前方のクルマがそれを通過してから脳内でゆっくりとカウントを始め、自分のクルマがその目標物を通過した時間が「3秒後」であったならば、その時点での車間距離は適切であるということだ(※高速道路の場合。一般道では2秒が最適とされている)。

高速道路を走っている際に、「自分は安全な車間距離をとり、法定速度を厳守して走っているだけなのに、妙に煽られるのはなぜだろう? ムカつく!」と感じているドライバーは、まずは「自分が追い越し車線をいつまでもトロトロ走っていないか?」ということを確認したうえで「3秒ルール」を採用し、適切な=過剰ではない車間距離で走行することを心がけるといいだろう。

なお、こういった指摘をすると、「自分は車間距離を長~くとることによって、渋滞の発生を防止しているのだ! 貴様に文句をいわれる筋合いはない!」と怒りだす人もいるかもしれない。気もちはわかるし、その志もご立派だとは思うが、あなたが「過剰な車間距離」をとると後方の車両群の車間距離が短くなってしまい、各車がひんぱんにブレーキを踏むことで、結局は渋滞を発生させてしまう。
車間距離の詰めすぎは論外だが、同時に「空けすぎもNG」ということを、ぜひご理解いただければと思う。



































