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視界に入ってむしろ邪魔……って感じるのは設定が合っていない可能性! 賛否両論ある「ヘッドアップディスプレイ」の賢い使い方とは
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WEB CARTOP より

スポーティクーペに日本車初搭載されたヘッドアップディスプレイ


 数年前の話だが、古いクルマにしか乗ったことのない知人が比較的新しいクルマに乗って、ヘッドアップディスプレイを見てものすごく驚いていたのが印象的だった。たしかに知らない人が初めて見たらカルチャーショックを受けるのも無理はない。

 いかにも先進的で、見た目にもかっこいい。当初は高価格帯の高級車でないと設定がなかったが、だんだん増えて、最近やたらと見かけるようになった気がしている。

 もとは軍事航空分野の技術を自動車に応用したものであり、ハイテクなイメージがあるので、まだ新しめの技術かと思いきや、その歴史は意外と長く、バブル期にはすでに日本車でも採用例があった。

 日本車で初採用したのは、高級車ではなくS13シルビアだ。当時はデジタルメーターなどハイテクなイメージのものが人気を博していて、どちらかというとそのひとつという意味合いで開発されたもののようだが、もちろん運転中の視線移動を減らすことができて安全な走行に寄与する点でも画期的だった。



 それがどんどん進化して、いまや車速やカーナビの情報、シフトポジション、燃費、燃料残量、ACC設定、接近車、視界支援、制限速度、諸々の警告情報などを映し出すまでに進化した。

 そんなヘッドアップディスプレイには、かねてから賛否両論があるのをご存じだろうか。もてはやされる一方で、否定派からは、目障りだ、ジャマだ、気が散る、焦点を合わせにくい……などといった声が噴出しているのだ。



 まあ、イヤなら見なければいいわけで、大半のクルマでは表示されないようにもできるので、どうしてもイヤならそうすればいいだけの話なのだが、せっかくよかれと思って開発された有益なものなのに、使わないというのももったいない話だ。

 否定派のなかにも、機能としては便利で役に立つので、できれば使いたいけれど、いざ使うといろいろ気になるという、じつはそういう人も少なくないことだろう。

ヘッドアップディスプレイの使い勝手は工夫次第


 少し整理すると、ヘッドアップディスプレイの機能面でのメリットというのは、運転しながら知りたい情報がそこにあり、それを素早く小さな視線移動で確認できることだ。そのありがたみは車速が高まるほど増す。日本ぐらいの速度域よりも、もっと速い速度域で、たとえばアウトバーンを200km/h超で走るときなど、メーターまで目線を落とすのがはばかられるような状況でも、前方から目をそらすことなく走れるようになる。



 また、どのように表示されるべきかは、日本自動車工業会(JAMA)の規定により、「注視点」という運転時に視線の集中する位置よりも手前の視界を妨げない位置とする旨が、表示してもよい内容も含め定められている。

 それでも気になるという人におすすめしたい方法がいくつかある。ひとつは設定を調整して明るさを下げること。じつはこれだけでも、かなり変わるはずだ。位置についても、できるだけ低くしたほうが注視点から離れて煩わしく感じにくくなる。

 それ以外にも、表示のバリエーションや項目の選択をいくつか試してみて、もっとも煩わしく感じられないものを選ぶことだ。この選択によって、見え方がぜんぜん違ったりするので、好みにあうものを探すといい。

 それでも気になるなら、意識的に表示をあっても見ないように心がけるといい。ヘッドアップディスプレイの文字は、ドライバーの目から15~20mほど先にあるかのように表示されるのが一般的だが、なかにはかなり大きく表示されて、どうしても視野に入ってくるものもある。



 もちろん、むしろどんな状況でも見えるようにと作られているわけだから、それを見ないようにするというほうが筋違いなわけだが、それでも目の焦点を合わせないように心がけると、意外と気にならなくなり、それでいて情報はなんとなく潜在意識のなかに入ってきて、どれぐらいのスピードで走っているか等を常に把握できていたりするものだ。ぜひ試してみるといい。

 逆に、見たいのに見えないケースのほうが難しい。フロントウインドウに投影するタイプならなんとかなるが、パネルに映し出すタイプは表示が手前にありすぎて目のピントを合わせにくいと感じるケースが年配の人に多いようだ。これは慣れるしかない。



 デジタルの時代になり、ヘッドアップディスプレイだけでなく、メインの液晶のメーターや大きなセンターディスプレイも含め、これまでにも増してさまざまなことが表示できるようになったのはよいことだが、このところちょっとエスカレート気味にもなっているのも否めない。

 ドライバーにとって情報過多になり、それが度を超えると、安全のためのものが、かえって周囲の危険を見落とすことにつながってしまうと、それこそ本末転倒だ。そのあたりはまさに識者により議論もされているところなので、徐々に改善されてよいものに進化していることには違いない。



 とにかく、せっかく付いている有益な機能を使わない手はない。イヤだと感じた人も、どうすれば使えるか、いろいろ試してみる価値のある装備であることは念を押しておきたい。


引用元:https://www.webcartop.jp/2024/11/1481819/


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