自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)とは?
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2021年11月からは新車は標準装備を義務化に?!
車の自動ブレーキと一般的に呼ばれているものは、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ」といいます。
これは、衝突被害を軽減するために車のシステムが警告を促し、ブレーキのアシストや自動でブレーキを作動する装置のことです。
カメラやレーダーなどで前方の自動車や歩行者を検知、衝突の恐れがあるときはドライバーに警告します。
その後ブレーキを踏んだ場合はアシストをし、ブレーキ操作がなく追突や衝突が避けられないとシステムが判断したら自動的にブレーキを作動します。
近年は軽自動車にも搭載されていることが多く、新車を購入するときは自動ブレーキ付きを選ぶことも多くなっているでしょう。
名称や機能の違い
「自動ブレーキ」といっても、名称や機能は各メーカーによって異なります。
代表的な国産車メーカーの名称を紹介します。
※2020年3月現在
【トヨタ】トヨタ セーフティセンス(第2世代) 、 プリクラッシュセーフティ
・対象:車両(昼夜)、歩行者(昼夜)、自転車(昼)
・作動速度:10〜180km/h(対車両)、10〜80km/h(対歩行者、自転車)
トヨタ セーフティセンス(第2世代)には、昼夜対応の対車両・対歩行者・対自転車の自動ブレーキが搭載されています。
歩行者事故の69%は夜間に発生するという考えのもと開発され、より安心して運転できるようになりました。
【日産】インテリジェント・エマージェンシーブレーキ
・対象:車両(昼)、歩行者(昼)
・作動速度:10〜80km/h(対車両)、10〜60km/h(対歩行者)
現在の日産の自動ブレーキの主流は「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」です。
昼間の運転に対応していて、車両・歩行者へ適用されます。
単眼のフロントカメラで車両や歩行者を検知し、衝突の可能性があると警報音とメーター内のインテリジェント エマージェンシーブレーキ表示で警告します。
一部ではミリ波レーダーを併用しています。
衝突回避動作が不十分な場合は再度警告、軽いブレーキが自動的にかかり、さらに衝突の危険が高まると強いブレーキが自動でかかります。
日産は車間距離を維持しながら走行できる「インテリジェント クルーズコントロール」の技術もいち早く取り入れています。
【ホンダ】ホンダセンシング・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・対象:車両(昼)、歩行者(昼)
・作動速度:5km/h~(対車両)、5km/h~(対歩行者)
ホンダの自動ブレーキにはホンダセンシング・衝突軽減ブレーキ(CMBS)が多く採用されています。
ミリ波レーダーと単眼カメラで車両と歩行者を検知すものです。
作動速度も5km/hからと低速時にも作動し、市街地や街なかでも安心して走行できます。
衝突の危険を感知すると警報だけでなく、振動での警告やシートベルトの引き込みで安全を確保することも特徴です。
【マツダ】i-アクティブセンス 、 アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート
・対象:車両(昼)、歩行者(昼・夜)
・作動速度:4〜80km/h(対車両)、10〜80km/h(対歩行者)
マツダの自動ブレーキは、対歩行者、対車両の自動ブレーキを搭載しているのがマツダのi-アクティブセンス アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)です。
単眼カメラで歩行者、車両を検知するしくみで、一部の車種では夜の対歩行者検知も可能となりました。
【スバル】アイサイト(ver.3) 、 プリクラッシュブレーキ
・対象:車両(昼)、歩行者(昼)、自転車(昼)
・作動速度:1〜160km/h
スバルのアイサイトは市販車で自動ブレーキが実用化された世界初のシステムです。
ステレオカメラを使った方法で、歩行者や自転車の検知もできる点は独自性があり、高く評価されています。
アイサイトver.3ではカメラからの画像をカラーで認識可能、前方の車両のブレーキランプの点灯も把握できるようになりました。
より人間の目に近い判断ができます。車両、歩行者、自転車の検知もしっかりできます。
【三菱】e-Assist(e-アシスト) / FCM(衝突被害軽減ブレーキシステム)
・対象:車両(昼)、歩行者(昼)
・作動速度(レーザーレーダー・カメラ):5〜80km/h(対車両)、5〜65km/h(対歩行者)
・作動速度(カメラ):10〜80km/h(対車両)、10〜60km/h(対歩行者)
三菱のe-Assist FCM(衝突被害軽減ブレーキシステム)は、対車両・対歩行者の自動ブレーキです。
FCMとは「Forward Collision Mitigation system」の略です。
エクリプスクロスにはレーザーレーダーとカメラを組み合わせたFCM、eKワゴンといった軽自動車にはカメラで検知するFCMが搭載されています。
各メーカー毎に機能や考え方に若干の違いがありますが、共通して事故を無くす事を目標としています。
国土交通省は、国産の新型乗用車を対象に、2021年11月から自動ブレーキの搭載を義務付けると発表しています。
歩行者への衝突を回避するなど国際基準と同等の性能を求め、メーカーに認定試験を課すそうです。
また、既に販売している車種やモデルは25年12月以降に販売する車に適用するとの事です。
これにより、ますます機能の進化や標準化が進むと思われます。