罰金“計180万円”!? 「“ニセ”ナンバー」で暴走行為! 課せられる「罪」の重さは想像以上! 偽装ナンバーの見分け方とは
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くるまのニュース より
大黒ふ頭の「ドリフト族」映像に「偽造“仮ナンバー”」!?
近年、公道上での危険なドリフト(後輪を滑らせながらカーブなどを曲がる)行為が社会問題化しており、その様子がTVやSNSなどで連日のように紹介されています。
そんな激しい走りをするドリフト車には「仮ナンバー」を装着したクルマが複数含まれていましたが、なかには“ニセモノ”のプレートも含まれていました。これらが摘発された場合、どのような罰則が課せられるのでしょうか。
2024年6月17日、テレビのニュースワイドショー番組で首都高 大黒PA(横浜市鶴見区)およびその周辺が無法地帯化していることが放送されました。
筆者(自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子)はこの件で番組に取材協力をしており、実際の撮影は15日金曜日の夜から日にちをまたいで土曜日の未明頃まで行われました。
17日の放送では以前、過去に筆者が記事で紹介した「違法ドリフト」でPA周辺の一般道(大黒橋通り)を走り回るシーンも、かなり問題のある行為として放送されています。
なお、公道でのドリフト行為はそれ自体が共同危険行為(道路交通法)に相当する重罪ですが、ドリフトの様子を隣接する大黒PAの2階から見るギャラリーも大問題です。
首都高と神奈川県警は大黒PAからドリフト見物ができないよう、2階の元展望広場にフェンスを設置したりロープで仕切ったり、2階に上がれないよう階段下から封鎖したりと、様々な対策をしてきました。
しかし現状はいたちごっこで、屋根に上がってでも見ようとする人たちであふれています。
首都高ではこれらの行為に対して、次のようにコメントしています。
「ドリフト行為については、PA外(所管外)の一般街路で行われており、状況改善のためには根本的な原因となっているドリフトへの対応が必要と考えます。
ドリフト行為がなくならない以上状況は改善されないと考えるため、今後も一般街路の所管である鶴見警察署と調整のうえ、対策を講じていきたいと考えております」
さてこの時の放送に、実はとんでもないものが映っていました。
番組スタッフも気づいていませんでしたが、日産「180SX」とトヨタ「チェイサー」の2台の後部に、同じ「2196」の仮ナンバーがつけられていたのです。詳しくは後述しますが、この仮ナンバーは「模造品」です。
筆者が気づいたのは、放送を見たアメリカ人の友人から「2台とも同じナンバーをつけている。この仮ナンバーは盗難品か?」と聞かれたことがきっかけです。
この番号「横浜2196」に、筆者には見覚えがありました。
これは本物の仮ナンバーではなくニセモノ、つまり模造品のプレートです。まったく同じものを筆者も2021年に取材用に購入していました。
比較していると違いがわかりますが、まず本物の仮ナンバーは、ネジ止めするための穴が4つ開いています。
これは普通車用(中型標板:ネジ穴ピッチ210mm)と大型車用(大型標板:ネジ穴ピッチ275mm)を兼用しているためです。
いっぽうニセの仮ナンバーは、穴が2つしか開いていません。しかも穴の位置が本物に比べるとかなり下になっており、実際に取り付けてみるとうまくつけることができません。
文字の線も偽物は細くなっていて、さらにフォント(書体)も「9」で比べると明らかに違っています。
とはいえ、警察であってもこの仮ナンバーを瞬時に偽物だと判断することは難しいでしょう。
遠目でみれば本物のように見えるからです。
車検切れのクルマに「“偽造”仮ナンバー」で公道走行は「罰金180万円」!?
違法ドリフト走行は、鶴見警察署 大黒ふ頭連絡所がある大黒PAの外周路(大黒橋通り)で行われています。
これを取り締まるのは神奈川県警 鶴見警察署の担当になります。同署に大黒ふ頭での違法ドリフト走行について聞いてみました。
担当者に対し「取り締まりはやっているのか」「テレビで放送された2台のクルマに模造品の仮ナンバーがついていたことは知っているのか」などを取材したところ、担当者は次のように話します。
「週末に限らずほぼ毎日、この場所でドリフトは行われています。
ドリフト走行は共同危険行為に該当します。担当するのは暴走族対策室で、通報がなくても取り締まりに出向いています。
番組で大黒PAの様子や周辺道路でのドリフト走行の様子が放送されたことは知っていますが、2台(180とチェイサー)のクルマについていた仮ナンバーが模造品だったことは知りませんでした」
ところで気になるのは、模造されたニセ仮ナンバーをつけて公道を走る行為の罰則です。
偽造ナンバーの使用は軽微な交通違反とは異なり、刑事事件として捜査を受けるレベルの犯罪です。
道路交通法に違反した場合、反則金と違反点数の加算が基本的な罰則ですが、道路運送車両法に違反した場合には、反則金を飛び越えて罰金が課されることとなるのです。
具体的には模造仮ナンバーを掲示して公道を走行すると、以下の罰則が科されます
●道路交通法違反(違反点数2点)
●道路運送車両法違反「第98条 不正使用等の禁止」第1項違反(3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金)
また、映像を見ただけではわかりませんが、この2台はそもそもナンバーがついていない=車検が切れている可能性もあります。車検がないクルマを走らせることも重罪です。
さらに、車検がない=自賠責保険の有効期限も切れている可能性が極めて高いため、「無車検運行と無保険運行の両方に違反」していることになります。
もしこれら2つの違反をしていた場合違反点数は6点で、罰則は1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金となり、免許停止の行政処分を受けることになります。
前述の偽装ナンバーへの違反と合わせると、罰金は合計で180万円以下となります。
なお、イベント出展時などの「身バレ防止」用として模造品の仮ナンバーを装着し、そのままうっかり走行してしまったケースも考えられます。
つまり車検は受けていて、普段の走行ではナンバープレートも表示していたとしても、封印受託者としての資格がない者が指定場所以外で封印を外すことは、道路運送車両法第11条違反となります。
これもなかなかの重罪で、違反点数2点、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられており、封印を外したままで走行すると、さらに罰則が加算されることになります。
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この“模造品仮ナンバープレート”は、筆者が取材用に購入した2021年夏頃まではいろいろな通販サイトで購入が可能でした。
しかし現在は、国内の各通販・オークションサイトなどにおいて、仮ナンバーを含む「模造品ナンバープレート」(5桁ナンバーなど明らかに偽物だとわかるものは除外)は出品禁止品に指定されており、購入することはできません。