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確かに安全だけど新システム[信号機]の意外な弊害とは?
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ベストカーWeb より


 近年、数が増えてきている歩車分離式信号機。歩行者とクルマが完全に分離されて走行・横断ができることから、安全性を高める交通信号として、人とクルマの往来が多い場所で、導入が進められている。確かに安全性は高まるのだが、クルマを運転しているドライバーにとっては、一つの予測情報が失われたことにお気づきだろうか。

文:佐々木 亘・写真:Adobe Stock(メイン画像=Ljupco Smokovski)

歩車分離式信号機が及ぼす影響



 歩車分離式信号機は、平成14年1月から、全国100カ所でのモデル運用がスタートしている。導入の結果は、半年間で人対車両の事故が半減するなど、歩行者の安全面で大きな効果が認められた。

 導入の是非は、各都道府県の裁量によって様々だが、積極導入を行っている地域では、歩行者のよく集まる駅周辺や福祉施設周辺、学童通学路などを中心に導入を進めている。

 歩車分離式信号機の利点は、言わずもがな、歩行者とクルマが別々に交差点に進入する点だ。クルマと人の交差が無くなるため、横断歩行者の安全性は各段に高まる。加えて、車両用信号が青の時には、横断歩行者がいないため、車両の右左折がスムーズに行われるというメリットもあるだろう。

 一方で、赤信号の時間が長くなるのがデメリットだ。歩車分離式信号機によって、人の滞留や交通渋滞が起きやすくなることもわかっている。

 2022年3月末現在で、全国には1万30基の歩車分離式信号機があり、全体に占める割合は4.8%だった。現在もその数は増加傾向にあり、茨城県を例にとると、ここ20年で歩車分離式信号機の数は4倍になっている。

 近頃、通勤経路の信号が歩車分離式信号機に変わり、渋滞がひどくなったため、通勤経路を変える人や、自宅を出る時間を30分以上前倒ししているもいるほどだ。安全性と引き換えにトラブルも生み始めている歩車分離式信号機。さらにドライバーにとって大切な、あの情報が消えようとしているのだ。

信号の変わるタイミングが読みにくい!歩車分離式信号機設置で右直事故が増えたケースも



 歩行者信号の点滅は、歩行者へ信号の切り替わりを教えるのと同時に、ドライバーへ向けて車両用信号の切り替わりを予測させるための重要な情報だった。この情報が、昨今の歩車分離式信号機の増加によって、失われつつある。

 歩車分離式信号機の場合、車両通行時に歩行者用信号は全て赤だ。従来であれば、歩行者信号が赤へ変わり、車両用信号が追って赤へ変化する。特に青から黄色に変わるタイミングを予測するのに、歩行者信号の点滅が役立っていたと思うのだ。

 最近の歩車分離式信号機を通過する際には、いつ信号が黄色に変わるかとヒヤヒヤしながら交差点に入る。ここに予測は無く、行われるのは信号の変化による反射だけだ。安全運転に必要な予測要素を削り取ってまで、歩車分離の安全性を取るべきなのだろうか。

 突然黄色に切り替わる信号は、無理な交差点内への進入も増やすことになっている。信号切り替わりのタイミングが読み切れず、直進車が黄色信号になってから交差点に進入するケースも多く、右折車と対向の直進車がぶつかる右直事故スレスレの交差を日に何度も見かける日もあるのだ。

 駅前交差点で右直事故が最近増加傾向にあるのも、歩車分離式信号機の影響があるのではないだろうか。このまま導入される交差点を右肩上がりに増やしていくことが、日本の交通安全につながるのかは正直疑問が残る。

 特に、歩車分離式信号機を最近導入して、大規模な渋滞が引き起こされている交差点では、無理な車両の交差点進入も多い印象だ。どうも完全分離は日本人に馴染まない気がする。限られた数の歩車分離式信号機を有効に使うことの方が、今の日本の交通事情に合っているのではないだろうか。



引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/1141925


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