消耗品はカネ食い虫!! カーライフのイタい出費を防ぐ[ケチケチ術]
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ベストカーWeb より

毎月のローンや保険料、人によっては駐車代にもお金がかかり、消耗品はできるだけ長持ちさせたいし、出費も抑えたい。数千円程度の消耗品の節約よりも、高価になりがちな消耗品の節約術を考えてみよう。
文/山口卓也、写真/AC
その1 出費額の大きい“タイヤ”を長持ちさせる法
タイヤは走行距離や使用年数、そして走らなくとも劣化が進行するやっかいな消耗品。しかも交換時は結構な出費となるため、「そろそろタイヤ交換だな……」と思うだけで憂鬱になるもの。
そんなタイヤをできるだけ節約するために守るべきは次の6つ。
1.メーカー指定の空気圧を守る
これ、基本的なことだが守れていない人は意外と多い。
指定空気圧とは、メーカーが「設計時の性能を最も正しく発揮できるように指定した値」である。「燃費が良くなるらしいから空気圧多めで」などは、仮に燃費が少々アップしたとしても、タイヤの偏摩耗で早期に交換が必要となるなら果たして意味があるのだろうか?
逆に、空気圧が少ないと特に高速走行時には熱によって変形しやすくなり、偏摩耗やタイヤ内部のパーツの剥離などを起こす可能性が大幅に増え、結果的に交換しなくてはならなくなる。
2.“急”のつく操作をできるだけ避ける
急ブレーキや急発進はタイヤへの負担が多く、摩耗を促進させるため避けるべき。
3.洗う時はできるだけ水のみで
市販のタイヤ洗剤のなかには、タイヤの劣化防止剤を洗い流すものも。また、ツヤ出し剤のなかにはひび割れを助長するものもあるので、できるだけ水で洗いたい。
4.無駄な荷物を積みっぱなしにしない
特に大型車では荷物を積む場所も多いので見逃しがちだが、重い荷物はタイヤへの負担が増す。結果的に摩耗を早めてしまうので、無駄な荷物は積まない!
5.偏摩耗の兆候が見えたら即解決する
クルマの印象を大きく変えられるタイヤ&ホイールを変更した際、意外と起こりやすいのがタイヤの偏摩耗。
また、縁石やタイヤ止めに強めにタイヤを当ててしまうだけで、ホイールアライメント(ホイールの整列具合)が狂ってしまい、偏摩耗へとつながることがある。
そのまま走行を続けるとさらに偏摩耗は進行し、「タイヤのセンター部は減ってないのに外側(や内側)が激しく摩耗すると交換時期は早まる。
よって、偏摩耗の兆候が見られたら早めにホイールアライメントを修正してもらったほうがいい。
6.定期的にローテーションする
「ローテーションなどしなくても、減ったタイヤだけ交換すればいい」とも思いがちだが、その場合は摩耗した古いタイヤと摩耗していない新品タイヤが混在することになる。
雨天時などのコンディション下ではグリップ力に差が出てクルマの挙動が不安定になりかねない。
また、ローテーション作業をすることでタイヤの異変にも気づくことができるのもいい。ローテーション方法はクルマの駆動方式によって異なるので、不安な人はプロショップに任せたい。
その2 欧州車の“ブレーキパッドとローター”は純正品以外でOKなことも
目で見て気づきにくいためか、パッドやローターの摩耗が進んでいるのに交換していない人、交換されていない中古車も多い。
「走行距離3〜5万キロ、残量3mmとなったら交換」といわれているブレーキパッドだが、ブレーキング時に異音がするなら即交換。可能ならローターとの同時交換がお薦め。
ブレーキペダルを踏み込んだ時に振動する、踏み込んだ感触が一定ではないなどはローターの偏摩耗や歪みが原因の場合もあるのだ
ブレーキをかけなければパッドとローターは長持ちするが、そんなことは不可能。だが、節約法はある。
高速域でのブレーキ性能を重視した欧州車では、国産車と比べてパッドやローターも早く摩耗するような設計のものが多い。結果としてブレーキダストが国産車より多く、ホイールも真っ黒に汚れがち。
よって、日本のような環境下で使うなら高価な純正品でなくともリーズナブルかつ信頼のある社外品で問題ない。
自分で交換できる(自分のクルマであれば違法ではない)、もしくはカーショップや整備工場にお願いするなら作業も問題ないが、ディーラーによっては社外品への交換を受け付けないところもあるので要相談ではある。
その3 バッテリーは “社外品”を探すと安くすむこと多し!!
バッテリーは充放電を繰り返すと劣化していくので、クルマに乗って電気を使っている以上は劣化を避けることはできない。
鉛バッテリーを使っていると、硫酸鉛が結晶化して電気を通しにくくする“サルフェーション”が起こるが、市販のサルフェーション除去機能付きパルス充電器などで除去し、劣化を遅らせることは可能。
バッテリー交換時期の目安は一般的に2〜3年といわれるが、使用環境に左右されるうえ、純正品にこだわると驚くほど高価だ。
通常のガソリン車でも、純正品となるとバッテリー本体だけで2〜3万円は普通である。
だが、ちょっとクルマに詳しい人ならネットで同品番の社外品、電装品が多い場合は設置サイズ内に収まる、より容量の大きいサイズの社外品を購入し、自分で交換できればかなりの節約になる。
ネットなどで購入した場合は、DIYする必要があるが、取り付ける際に気をつける点は以下のとおり。
1.バッテリー端子の接続順を守ること
2.ナビや時計などのメモリー消失を防ぐこと
3.工具によってショートさせないこと
4.交換後のバッテリー処分は地域の廃棄ルールに従うこと
5.車種によっては電装品などのリセットが必要なこと
接続順はネットなどで調べれば難しいことはないが、やりがちなトラブルは「金属の工具で作業中に、マイナス端子にかけた工具が反対側のプラス端子に触れてしまってショート!」「意外と重い(10kg以上あるものも)バッテリーが一人では持ち上がらない」「交換後にナビのメモリーが消失、ナビや電装品が起動しなくなった」など。
工具がプラス端子に触れてしまうのを防ぐには、軍手や養生テープなどを使って交換作業中は端子を保護すること。
メモリーの消失を防ぐには、多くの場合は市販されているメモリーバックアップツールを使えばいいが、なかにはこれによってトラブルを起こす可能性もあるので注意したい。
交換作業は特に難しくはないが、コストを抑えたいが作業に不安のある人はカー用品店や整備工場などに相談を。
費用は高めでも安心感を重視したい人、EVやHEVなどの特殊なクルマは交換方法が異なる場合もあるのでディーラーへ相談したほうがいいだろう。