気づけば厳罰化も?? 知っておくべしここ数年で改定されたクルマに関する法律たち
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ベストカーWeb より
時の流れとともに世の中の状況は変化し、それとともに必要な法律も日々変化していきます。
油断していると、知らない間に法律が改正されていて、「あれ、いまはこんな決まりになっているの!??」なんてことにも。
ドライバーならば知るべき、ここ2~3年で改正されたクルマに関する主な法律をご紹介しましょう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
アイキャッチ写真:Adobe Stock_akiyoko
写真:Adobe Stock、写真AC
高齢ドライバーの運転技能検査の義務化
2022年(令和4年)5月13日に施行された道路交通法において、75歳以上の高齢運転者の運転免許証更新制度が変わりました。
高齢運転者のうち、過去3年間に、信号無視や速度超過、横断歩行者妨害などの一定の違反歴がない場合は、「認知機能検査」を受け、そこで「認知症のおそれなし」と診断された場合は、これまでどおり高齢者講習(実車指導、運転適性検査、講義)を受け、運転免許証を更新することができます。
「認知症のおそれあり」と診断された場合は、公安委員会が指定する医師の診断、もしくは主治医等の診断を受ける必要があり、そこで認知症と診断された場合は運転免許の取り消しなどの措置となります。
一方、過去3年間に一定の違反歴がある場合は、実際にコース内で、一時停止や交差点の右左折などの実技を行う「運転技能検査」を受ける必要があります。
これに合格できれば、前述の「認知機能検査」に進むことができますが(あとは前述と同じ流れ)、更新期間終了までに合格できない場合は、運転免許証を更新することはできません。
高齢ドライバーによる事故が相次ぐなか、免許更新に際して、認知症の診断に加えて運転の実技が盛り込まれたことは、必要な対策といえるでしょう。
条件付免許の導入
また、前述の改正道路交通法では、「安全運転サポートカー(サポカー)限定免許」というものも新設されました。
運転免許証の更新時に、本人が申請することにより切り替えることが可能で、サポカー限定免許では、衝突被害軽減ブレーキ(対車両、対歩行者)やペダル踏み間違い時加速抑制装置が搭載されたクルマのみ、運転することができます。
衝突被害軽減ブレーキが道路運送車両の保安基準に適合するもの、もしくは衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置が、それぞれ国土交通大臣による性能認定を受けているものでなければなりません。
また、当然ながら、この免許証でサポカー以外のクルマを運転した場合は免許条件違反となります。
これによって、高齢ドライバーに「サポカーに限って運転することができる」という選択肢が用意されました。
もちろん、これらはあくまでサポート装備であり、運転の責任はドライバー本人にあることは変わりないですが、サポートがあることで、ドライバー本人も、そのご家族も安心することができます。
場合によってはクルマ買い替えなどのコストがかかるものではありますが、選択肢が用意されたことは、よい対策だといえます。
反則金納付方法の追加
2021年6月から、これまで金融機関の窓口などで払う必要のあった反則金が、ATMやインターネットバンキングからの振り込みによっても支払うことができるようになりました(取り扱い開始については各都道府県警察による)。
時代にあった支払方法が追加されたことはいいことではありますが、反則金を支払う状況には、ならないようにしなければなりません。
あおり運転の定義を明確にし、厳しい罰則を創設
すでにご存じの方も多いとは思いますが、2020年6月、あおり運転の定義を明確にし、厳しい取り締まりの対象とする道路交通法が施行されました。
車間距離を極端に詰めることや急な進路変更、急ブレーキをかけること、危険な追い越し、執拗なクラクションやパッシングなど10種類の違反行為を、通行を妨害する目的で行い、交通の危険を生じさせるおそれがあるとみなされると、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金、そして免許取り消しという厳しい行政処分が下されます。
もしこれらの行為に加え、著しい危険を生じさせた場合(高速道路上での停車等)は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金、そして免許取り消しという処分になります。
あおり運転は、重大な交通事故にもつながりかねない悪質で危険な行為であり、悲惨な事故も起きてしまっています。
この道交法改正以降、悪質なあおり運転に関するニュースが若干減っているような気もしますが(コロナ禍であったことも関係しているかもしれないですが)、それでも危険な運転をするドライバーはいます。
もし、被害を受けたときには、パーキングエリアなどの安全な場所に避難し、すぐに警察に通報、車外へは絶対に出ないで警察の到着を待つようにしてください。
自動運転レベル4」の解禁も
ほかにも、2022年4月には、レベル4の自動運転を念頭に置いた道交法改正案が成立。これまで、公道における無人での自動運転は実施できない法律となっていましたが、これによって、ドライバーがいなくても、システムだけで道路を運行することが可能となりました。
無人の自動運転移動サービスなどを想定しているもので、安全を確保するため、公安委員会の許可を得た事業者のみがこのサービスを実施することができ、許可条件には、事業者が責任をもってオペレーターを設置して、システム全体を監視することが義務付けられます。いよいよ自動運転社会が始まるようです。
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自分には直接関係がないように思える法律であったとしても、新しい情報を常にチェックすることで、安全運転に対する意識を高めることができます。ドライバーである以上、クルマに関するニュースには関心を持って触れるようにしていきたいものです。
引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/465220