梅雨に入って気になる車内のニオイ……これで解消! 対策5選
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ベストカーWeb より
■とにかく原因はカビ!
ゲリラ豪雨や季節外れの気温上昇など世界的に異常気象が続く今日この頃。
それでもやってくるのが「梅雨の時期」。
そしてそれに伴い気なるのが湿気による車室の環境悪化だ。
毎年のこととはいえ正直嫌になるが、この時期だからこそ、その根本を絶てば快適なシーズンを過ごすことができるはず。
超お手軽ケミカルからプロにお任せ、などを紹介する。
文/高山正寛、写真/AdobeStock(トップ画像=noppadon@AdobeStock)
今や通年を通してクルマでのエアコン使用は当たり前になりつつある。
それでも夏場だけ、とか梅雨の時期だけ、エアコンをオンにする人はまだまだ多い(冬場はヒーターだけという人もいる)。
そして使い始めた瞬間、モア~という風とともに嫌な臭いや湿気感を感じることも多い。
特にゴミっぽかったり、ホコリっぽい臭いだったり、この基本的な原因は「カビ」にあることは多くの人が理解しているだろう。
カビというのは世の中に存在する微生物の約4割に該当するが、抗生物質に使われる「ペニシリン」もカビの一種。
同じようにゴルゴンゾーラなどのチーズの発酵に使われる「青カビ」も文字どおり、その一種だ。
一方、クルマのなかで悪さをするカビは主に「黒カビ」と呼ばれるもので、クラドスポリウムという糸状菌(しじょうきん)が多い。
個人差はあるが、これらを吸うことでアレルギー性鼻炎や最悪の場合、肺炎を発症する可能性もあることからも軽く見ると痛い目に遭うことになる。
■車内におけるカビの「三大生息地」はどこ?
では、カビは車内のどこで発生するのだろうか。
これも昔から言われてきたことだが、まず一番メジャーなのが「エアコン」だ。
エアコン自体の構造は省略するが、圧縮された低温の冷媒を気化させる「エバポレーター」、エバポレーターにある冷媒を室内に送り込む「ブロアモーター」、このほかにも「エアコンフィルター」などがカビ発生の代表的な場所だ。
第2は「フロアマット」だ。
雨天時など濡れた靴の状態で車内に乗り込めばフロアマットも濡れる。
それを放置すればカビが発生するのは当然のことだ。
また、意外と忘れがちなのが、ガソリンスタンドなどに設置されたマット洗い機で掃除した際、水分がまだ残っているのにそのままセットして走り続ける人も実は多い。
クルマ好きなら皆知っていることだが、このマット洗い機を使ったあとはフロアに新聞紙などの吸水性の高い古紙を置き、その上にフロアマットを置くことをオススメする。
短時間でも驚くほど水分を吸収するので、吸い終わったらそのまま捨てればいい。
本来であればマットの上面に新聞紙を置いたほうが効果はさらに高くなるのだが、ペダル操作を行っている際に新聞紙がグチャグチャになってしまい最悪の場合事故に繋がる可能性もある。ゆえにマットの上はオススメしない。
第3はクルマのシート自体である。
エアコンが利いていても背中やお尻にじんわり汗をかくことは多い。
高級車のなかにはシート内に温冷風を送り出せるものもあるが、シート面の汗はカビの温床である。
要は「カビは湿度と温度、そしてエサが大好物」ということだ。
前述したフロアマットやシートにこぼしてしまった飲み物や車内で飲食した際にスナック菓子の食べかすなどがボロボロ落ちてしまうこともある。
これをエサに繁殖するわけだから清潔にしておくことは常識とも言えるだろう。
■ニオイ対策5選:その1「即効性は抜群、ただし効果は限定的」
まず、最も簡易的にニオイを撃退できるのが消臭スプレーなどのケミカル用品だ。
スプレータイプならばマットやシートにシュッと振りかけて、エアコンの場合はオンにした後に空気の導入口(車種より異なる)から周辺にかけることで内部に薬剤を吸い込ませる。
このほかにも薬剤をスチーム状に散布するタイプならば同時にシートやフロアマットのカビやニオイの抑制に効果がある。
ただし、この手の商品は即効性はあるのだが、カビやニオイの元を絶つわけではない。
消臭剤と言われている商品はニオイの元をほかのニオイ(消臭成分)でマスキングするだけなので、当然効果も短いということは理解しておきたい。
●5段階評価
お手軽度 ★★★★★
効果 ★★
価格 500~1500円程度
■カビ対策5選:その2「ズバリ、掃除をしてエサを徹底的に除去する」
カビの発生を促す理由は前述したが、そのなかで人為的な理由としてあるのが、カビのエサとなるゴミを放置しておくことだ。
特にマットを含めたフロアのゴミ、目に見えなくても菓子類の食べカスは確実に落ちているもの。
また、フロアマットの話をすると前席ばかり気にする人がいるが、ミニバンなど家族を乗せる機会が多い場合は当然後席の床もしっかり掃除する必要がある。
オススメなのはやはり掃除機だ。
ハンディさを売りにしたコードレスタイプ、または車内のアクセサリーソケットから電源を供給して使うものなどさまざまある。
上位モデルだとこぼした飲料水(水分)も吸い取れるタイプもあるし、最近の人気はUSB電源から充電できるものも増えている。
これならばスマホなどで使っているモバイルバッテリーを活用できるので利便性も高くなる。
●5段階評価
お手軽度 ★★★★
効果 ★★★
価格 3000~1万円程度
■カビ対策5選:その3「意外と交換していないが、実は効果あり」
カビ対策というよりはニオイの元に効果があるのが「エアコンフィルター」だ。基本、交換時期は1年または1万kmとも言われているが、定期的に法定点検を出していない場合「購入してから車検までずっとそのまま放置」という人も見かける。
車種にもよるが、グローブボックス下周辺にセットされていることが多いのでぜひチェックをオススメする。
実際に見ると「オエッ」となるほど「こんなに汚れていたんだ」と驚くことも多いはず。
昨今では単にホコリやゴミのほか、PM2.5などの微小粒子物質をブロックできる(完璧ではないが)高機能タイプも販売されている。
また、ニオイを低減するオプション的なパーツとして筆者も使っているのが「わさびデェール」だ。
これはわさびが持つ抗菌成分である「アリルイソチオシアネート」を科学的に合成したケミカル用品。
経験したことも多いだろうが、わさびの特有の「ツンとしたニオイ」、その部分に殺菌効果があり、これをフィルター内に挟み込むようにセットするだけだ。
価格的にも3000円前後なので、エアコンフィルターの交換の際に一緒にセットするといいだろう。
●5段階評価
お手軽度 ★★★
効果 ★★★
価格 1500~2万円程度
■カビ対策5選:その4「車内のカビ取りに効果的」
家庭用ケミカル商品でもカビの予防ができる商品は多いが、シンプルに予防に効果的なのが、エタノールを使うことだ。
エタノール自体は薬局などで容易に入手できるが、「無水」と「消毒用」の2種類が販売されている。
ここでオススメなのが「消毒用」だ。エタノール80%に精製水20%の構成だが、特性上、約80%で殺菌効果も発生するという。
逆に無水はほぼ水を含んでいないので実は殺菌効果は少ない。
もし、無水を購入してしまったら前述の精製水(薬局でも300円位で購入できる)で割って使えば問題はない。
ただし、使用する際には手荒れが起きやすいので手袋などが必要だし、車室内の革シートなどには絶対に使ってはいけない。
また、エタノール自体には殺菌効果はあっても洗浄効果はない。もし黒カビも取りたければ、最初にエタノールで消毒して充分乾いてから塩素系の消毒薬や重曹(これは安くてオススメ)で汚れを取るというやり方もある。
ちなみに筆者は前述した消毒用アルコールをガラス製のスプレーボトルに入れて使っている。
100円ショップなどで売っているプラスティック製のボトルは酸化する可能性もあるので使わないほうがいいだろう。
●5段階評価
お手軽度 ★★★★
効果 ★★★★
価格 500~1500円程度
■カビ対策5選:その5「最後はプロに頼む。値段は高いが効果は絶大」
上記4つの方法を実施してもニオイが取れない場合、また中古車を購入した際にも同様の症状が起きているのあれば、最後はプロに頼むのがオススメだ。
筆者の経験上、メニューも多彩だが、料金もピンキリだ。
ディーラーで相談した時に提示されたのがまず、エバポレーター清掃だ。
純正ケミカルとして販売されているエバポレータークリーナーを使うのだが、単体価格が2500円前後、技術料込みで5000円強だった。
腕に覚えのある人ならばAmazonなどでも同じくらいの価格で販売されているので自分でやってみるのもいいだろう。
それでもしつこいニオイを感じるのであれば、もはや「分解清掃」しかない。
こちらも車種によるが、国産車のプリウスクラスで5万円前後だった。前述したエバポレーター清掃だけでなく、ブロアモーターまで掃除してくれるので効果は絶大だ。
また、見積もりを取った際にこの料金のなかにはエアクリーナー交換代も含まれていたので、自分で安く購入しておけばさらに工賃を下げることができる。
一応、参考のために聞いてみたところ、輸入車の場合は構造が異なるので工賃はさらに高くなる傾向にあるとのことだ。
すべてを分解洗浄した場合、日数もかかるし、料金も最大で10万円くらいになることもあるそうだ。
これらに関してはショップごとに異なるのでネットなどで調べてみるといいだろう。
●5段階評価
お手軽度 ★
効果 ★★★★★
価格 3万~10万円程度
引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/433074