最近流行のクルマがWi-Fi化する機能! モバイルルーターもスマホのテザリングもあるのになぜ必要なのか?
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WEB CARTOP より
つながるクルマの増加で車内エンタメも変化している
自動車業界は100年に一度の大変革期と呼ばれるようになって久しい。
その変化を象徴するのが「CASE」という4文字で、コネクティッド・オートノマス・シェアリング・エレクトリックというファクターを示している。
コネクティッドというのは「つながるクルマ」ということだ。
オンラインと連携することによりさまざまな新しいサービスが生まれている。
緊急時に役立つ「SOSコール」は現時点でコネクティッドの代表的機能といえるだろう。
コネクティッドカーとなるためにはクルマに通信機能を搭載しておく必要がある。
せっかく通信機能を持っているのであれば、日常的な車内エンタメに活用したいと思うのも人情だろう。
というわけで、最近の新型車において「車内Wi-Fi」機能が注目を集めている。
前述のとおり、コネクティッド向けに搭載している通信機能を使って車内をWi-Fiスポットとするというものだ。
これにより、ゲーム機をネットにつないだり、Wi-Fi対応のタブレットで動画サービスにつないで楽しんだりすることができるというのが具体的なメリットだ。
たとえば、トヨタのミニバン「ノア/ヴォクシー」でコネクティッド対応のディスプレイオーディオとDCM(通信ユニット)を装備して、同社の「T-Connect」サービスに加入すると、オプションで車内Wi-Fiが利用できるようになる。
「いやいや、そんなことをしなくてもモバイルルーターを持っていればいいじゃない」と思うかもしれないが、車内エンタメ用にモバイルルーターを用意するのに比べて、圧倒的にローコストで車内Wi-Fiを楽しむことができるのだから見逃せない。
前述したノア/ヴォクシーの場合、新車購入から5年間はT-Connectの基本サービス料は無料(6年目以降は毎月330円)。
車内Wi-Fi機能はオプションとなるが、それも毎月の支払は1100円となっている。
モバイルルーターのコストもピンキリなのではあるが、月間1100円というのは、かなりローコストの部類に入るだろう。
速度では劣るもコストでは優れる車内Wi-Fi
また、アリアやサクラ、ノートにフェアレディZなどの日産車は、ドコモが用意している「docomo in Car Connect」というサービスを利用できる。このサービスも車内Wi-Fiを実現するもので、定額でデータ使い放題となっている。
オンラインで簡単に利用登録することができ、利用料金は24時間:550円、30日間:1650円、365日間:1万3200円の3パターン。
たまにしか使わないのであれば一日だけのコースを選べばいいし、夏休み期間だけ加入するといった使い方もできる。
1年間でのコストはT-Connectと同額で、モバイルルーターよりもコスパはよいといえそうだ。
いずれにしても共通のウィークポイントといえるのは、通信回線にLTEを使っていること。
最新のモバイルルーターであれば5G回線を使っているものが多く、通信速度の点では見劣りする。
しかし、LTE回線だから動画がまともに楽しめないということはない。現状のサービスにおいてはLTEであることはデメリットとまではいえないが、5G回線を利用したいと思うのであればモバイルルーターという選択になることだろう。
車内Wi-Fiサービスによっては走行中の利用は無制限だが、停車時には時間制限がかかるタイプもある。
車中泊などでの利用を前提としているのであれば、クルマの機能をオフにした状態でも利用できるモバイルルーターのほうが使い勝手がよいかもしれない。
このあたりは、どのような使い方をするのかをよく考えて決めていきたい。
なお、車内Wi-Fiを楽しめるのは最新のコネクティッドカーに限らない。
カロッツェリア・ブランドで知られるパイオニアはカーナビや車載用Wi-Fiルーターなどをラインアップしている。
こうした製品を利用すれば、最新のモデルでなくともコネクティッド機能をプラスして車内Wi-Fiを楽しめるようになるのだ。
もっとも車内Wi-Fiを楽しむためだけにカーナビを買い替えるくらいであれば、機種代の安価なモバイルルーターを利用したほうが安上がりだろう。何を楽しみたいのか、どんな機能が必要なのかをしっかり見極めることも大切だ。