最悪カードの破損! 盗難時の補償対象外の可能性も! ETCカードの「面倒だから挿しっ放し」は思ったよりもリスクが大きかった
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WEB CARTOP より
熱によってETCカードが破損することがある
東京エリアでのクルマ移動において欠かせないインフラ「首都高速」が、2030年度までにすべての料金所をETC専用にすると発表したことが一部で話題となっています。
全国の高速道路に広がるスマートIC(インターチェンジ)もETC利用を前提とした仕組みとなっており、もはやETCを利用するという選択肢は当たり前になっています。
そんなETCですが、とくに夏が近づいてくると「ETC車載器にETCカードを挿しっ放しにするのはNG」という話を目にすることが増えてきます。
ご存じのように夏場の車内温度は80度を超えることもあるといわれています。車載器については、車内温度の上昇を考慮した設計となっていますが、ETCカードはあくまでもICカードの一種であり、せいぜい50度までが耐えられる限界といいます。
とくにETC車載器がダッシュボード上であったり、ドアミラーの背面であったりと直射日光が当たるような場所にあるときは、ETCカードを抜いておかないと熱によってカードがダメになってしまう可能性があります。
ドライブの出先でカードが壊れてしまうと、その日はETCゲートが使えなくなりますし、カードの再発行には手数料がかかります。駐車時にカードを抜いておくというのは、ユーザーができうる唯一の対策といえるのです。
また、ETCカードの挿しっ放しは盗難のリスクを高めます。
ETC車載器をグローブボックス内などに設置しているのであれば外からカードの有無は見えませんが、インパネにETC車載器がついているようなデザインの場合、カードが挿してあるかどうかも外からわかりますので、盗難の危険性が高まるというわけです。
盗難時の補償対象外となる可能性も
さらに、多くのカードでは盗難補償といって盗難されたカードの利用料金をユーザーは負担せずに済む仕組みがありますが、誰からでも見える場所にカードを挿しっ放しにしていたというのであれば、ユーザーの故意や過失となり得ます。そうなると補償の対象外となることもあるのです。
もっとも、ETCカードを盗まれたとわかってすぐにカードを利用停止すれば被害は大きくならないでしょう。通常のクレジットカードであれば大きな買い物もできますが、ETCカードについてはほとんど高速道路の通行料くらいにしか使えません。
たとえば東京から鹿児島までの約1400kmをノンストップで走ったとして14時間以上がかかり、料金は2万8000円弱です。盗難に気付くまでの時間はケースによって異なるでしょうが、12時間程度で気付いたとすれば、せいぜい3万円以内の損失で済むといえます。それが小さい金額とはいいませんが、ETCカードを盗んだとしても、おのずと使える額の上限は決まってくるといえます。
まとめると、ETC車載器にETCカードを挿しっ放しにしていると、カードの破損とカードの盗難というふたつのリスクが考えられるというわけです。
と、ここまで理解していてもETC車載器にカードを挿したままにしているというユーザーは少なくないでしょう。経験則として、カードが熱で破損することなどないと思っているドライバーもいるかもしれません。
筆者が聞いた話では、「バイクのETC車載器はシートを外してアクセスするのでいちいちカードを抜いたりするのは面倒くさい」というものがありました。
「ETCカードと車載器の相性が悪いようで正しい向きで挿してもカードを認識しないことがある。だからうまく認識できたらそのままにしている」というケースもあるようです。
「ETCカードを挿し忘れてゲートを通過できずに止まってしまったことがトラウマなので、それ以降は挿すようにしている」というエピソードを聞いたこともあります。
なるほど、個別にはさまざまな理由があるのだなぁとは思いますが、やはりリスクを管理するという点において、ETC車載器からETCカードを抜くことが基本という情報は認識しておくべきでしょう。