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暑いのに…あれ? 車の「エアコン」効かない! 故障の原因はめちゃ複雑? 実は「ボタン」押し忘れのケースも
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くるまのニュース より

エアコン故障の原因はさまざま


 気温が35度を超える猛暑日が連続することもあるなど、エアコンなしではクルマに乗れない暑さが続いています。
 
 しかし、電気的に作動するエアコンが突如として壊れてしまうこともあるようですが、一体原因は何なのでしょうか。

 現代のクルマではエアコンを装備しているのが当たり前で、風量や吹出口などを自動調整してくれるオートエアコンもかなり普及しました。

 なかには助手席や後席左右などでそれぞれ別の温度を設定できるデュアルゾーンエアコンを装備するクルマもあるなど、多機能化も進んできています。

 しかし、そんな当たり前のように使っているエアコンが突然効かなくなるトラブルが発生することもあります。これについて、整備工場を経営するT整備士に聞いてみました。

「実はエアコンのトラブルは、一概にコレが原因というものがすぐに判別できないのです。なぜならば、エアコンにはさまざまな構成部品があり、そのどれもが故障原因になり得るからです。

 まずはトラブルシューティングで故障原因を洗い出すわけですが、実際の修理より故障原因の特定がいちばん大変な作業なのです」

 では主にどのような原因があるのでしょうか。

「あくまで通例ですが、『フィルターの目詰まり』か『エアコンガスの不足』、または『構成部品の故障』の3つのうちどれかが、エアコンの効きが悪くなる原因でしょう。

 ただし、どこに問題を抱えているのか見極める必要があり、プロじゃないと判別は難しいでしょうね」(T整備士)

 エアコンガスは冷媒として機能し、熱交換というエアコンのもっとも重要な役割を担っています。

 原則的には減らないように設計されているものですが、やはり使用によって徐々に減っていくのだとか。

 通常は7・8年に1回補充か交換すればいいのですが、2・3年以内にガスが不足する場合は配管のどこかから漏れたりしている可能性も否定できません。

 カー用品店やガソリンスタンドなどでエアコンガの補充をすすめられますが、このとき根本的な漏れの原因がわからない状況で補充してもまた漏れてしまうだけなので、根本的な漏れの箇所を修理してから補充したほうがよいでしょう。

「あとはエアコンフィルターが目詰まりしている可能性もあります。

 この場合は風量が減ったり、付着した汚れによって嫌なにおいも同時に発生することがあります。その場合はフィルターをカートリッジごと交換してしまえば済みます」(T整備士)

実は「故障」ではなかったケースも?


 エアコンの配管は非常に長く、熱交換のためのさまざまな機構が接続されています。

 特にエアコンガスが液体となった状態を噴出する部品(リキッドタンク)があるのですが、ゴミや「オイルファウリング」と呼ばれる内部の汚れなどが目詰まりしてしまうことも。当然ながらガスが循環されないので、冷たい風は出てこなくなります。

「この場合でも、単純に配管の目詰まりなのか、エバポレーター(熱交換器)の凍結が原因なのかによっても対処法は変わってきます。

 これにはエアコンガスを圧縮するコンプレッサーや温度センサーであるサーミスタの故障、コンプレッサーのオンとオフを切り替えるマグネットクラッチの断線など複合的な要素が絡んでくることもあります。これによって修理箇所や修理時間が大きく変わってしまうんです」(T整備士)

 そのほか室内に風を送るブロワファンの故障やコンデンサー(放熱器)の不良など、とにかく故障が発生しそうな箇所はいくつもあるのだとか。

 そのほかにも考えられる原因としては、単純に内部配線の劣化などによるヒューズ切れのケースや、室内のコントロールパネルの不具合によるものもあるのだといいます。

「今やオートエアコンが標準化されるケースも多く、意外にコントロールパネルの故障が原因なんてこともあります。

 特に今夏は気温が非常に高いこともあって、エアコンが効かないと相談にくるケースが増えています。

 エアコンの効きが悪いと熱中症のリスクだけでなく、集中力の低下によるさまざまな運転ミスなども増えてしまうので、十分に効きを確保できるように日頃のメンテも欠かさないでいただきたいです」

 なお、正常なのにしばしば故障と勘違いされるケースがあるそうです。T整備士は以下のように話します。

「エアコンは常時走行してはじめて十分に効くように設計されているので、効きが悪いからといって、すぐに故障ともいい切れないのです。

 たとえば、渋滞に巻き込まれると効きが悪くなることが多々ありますが、これはコンデンサーに当たる風量が減り、十分な冷却効果が得られなくなってしまうから。

 またアイドリングストップ機能が作動している場合も、信号待ちや渋滞でエンジンが休止してしまえばコンプレッサーが止まってしまうこともあります。そうすると送風に切り替わってしまうため、効きが悪いと感じてしまうこともあります」

 渋滞を抜けて走行し出すとエアコンの効きが改善する場合は、上記がほぼ原因と考えられ、この場合は故障ではないといえそうです。

※ ※ ※

 クルマに乗っていても熱中症のリスクがある真夏では、自分の健康を考えてもクルマのエアコンに不具合が出ないように日頃のメンテナンスも意識しておきたいところです。

 もし不具合があれば放置せずに、早めに整備工場に相談しましょう。

 また、エアコンが効かないケースでは、意外にも「ACボタン」の押し忘れというケースもあります。

 ACではなく雪マークのクルマもありますが、いずれもコンプレッサーの電源ボタンを指しており、冷房や除湿機能を使用しても効かないと思った場合はこのスイッチが押された状態かを確認したほうがよいでしょう。

 一部の輸入車では「ECON」など、コンプレッサー「オフ」スイッチを設けている場合があるので、こちらが押されていないかもチェックしたほうが良さそうです。


引用元:https://kuruma-news.jp/post/679217


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