日産軽EV「サクラ」充電は週1ってホント? 「走行コスト」はどのくらいかかるのか ガソリン車と比べると?
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くるまのニュース より
EV、気になる「充電面」実際どう?
最近では多くの自動車メーカーからEV(電気自動車)が登場していますが、なかでも気になるのが「充電面」です。
では、EVを日常使いした場合の充電回数や、コストはどのくらいかかるのでしょうか。今回は日産軽EV「サクラ」を例に見ていきます。
ガソリン車の場合、ガソリン1リットルあたりどれくらいの距離を走るのかを「燃費」といいますが、一方で、EVの場合は「電費」といい、1km走るためにどのくらいの電力が必要かという数値をもとに、走行にかかるコストを算出します。
ちなみに、電気代は電力料金と電力使用量によって計算されます。
電化製品などの機器を動かす時に消費される電気の大きさはW(ワット)で、1時間に使う電力量はWh、1000Whの場合は1kWhと表します。
また、全国家庭電気製品公正取引協議会が明らかにしている「新電力料金目安単価」は、現在31円/kWh(税込)です。今回は分かりやすく1kWhあたり30円で充電できると計算します。
たとえば、片道10kmの通勤に週5日・毎月20日使う場合、走行距離は400kmほどです。
サクラの交流電力量消費率は、WLTCモードで1kmあたり124Whの電力を使用します。
つまり、「1kWh(1000Wh)÷124=8.06km」の計算で、1kWhあたりおよそ8kmの走行が可能です。
400kmを走行するとなると必要な電力は「400km÷8.06km=49.62kWh」と、およそ50kWhとなる計算です。
1kWhあたり30円と計算すると「49.62kWh×30円=1488.6円」と、自宅充電した場合約1500円程度が目安といえます。
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ガソリン車と比べた時はどうなるのでしょうか。
サクラと同等サイズでガソリンエンジンの軽自動車「デイズ」と比べた場合、燃費はWLTCモードで19.4km/Lから23.3km/Lです。今回は分かりやすく20km/Lで計算します。
資源エネルギー庁が発表した、2023年2月1日時点でのレギュラーガソリンの店頭小売価格(消費税込)は、全国平均で1リットルあたり168.1円。
このため、1リットルあたり168円で計算すると、「168円×20リットル=3360円」と、毎月のガソリン代は3300円ほどになると考えられます。
同様の使い方をサクラでした場合、前述の通りおよそ1500円ですから、倍の燃料コストがかかる計算になります。
昨今のガソリン代の高騰により変動はあるものの、EVを自宅充電のみで済ます場合にはEV車の方が安くなります。ただし急速充電を利用した場合によってコストが大きく異なります。
外出先で充電する場合は?
一方で、長距離の走行をおこなった場合には外出先で充電する必要が出てきます。
EVを充電する方法には、「普通充電器」と「急速充電器」があり、一般的な住宅で多く利用されている普通充電器は何より自宅で夜間などに充電できるメリットがありますが、フル充電までは数時間かかります。
一方で、EVの充電専用施設などで利用できる急速充電器では、クルマの電池容量や充電能力にもよりますが、数十分程度でフル充電に近い充電も可能です。
こういった急速充電器は、カーディーラーや高速道路のSA、ショッピングモールの駐車場などに設置してあり、多くの設備で1回あたり30分まで利用できます。
ただし、急速充電器の利用には充電時間に応じて料金がかかり、自宅で充電する場合と比較してもコストがかかります。
たとえば、日産が提供する充電サービス「ZESP3」の都度課金制「シンプルプラン」では、1回10分の急速充電を550円で利用することが可能で、30分の急速充電を月に1回利用する場合は、月額基本料金550円とあわせて2200円かかる計算となります。
ちなみに、サクラの充電能力は2.9kW(29kWh)のため、30分の急速充電でおよそ15kWh、つまり「15kWh×8.06km=120.9km」で、約120kmほど走ることができる分の充電ができる計算です。
これらのことから、サクラを通勤メインで使用し、普段は自宅で充電、急速充電器の利用は月1回という場合では、毎月の走行コストは自宅充電の1500円と合わせて、3700円ほどになるでしょう。
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このように、EVのコストは急速充電器を利用するかどうかで大きく変わってきます。
長距離の使用がある場合は急速充電器の利用が必要になりますが、通勤使用など比較的短い距離の利用であれば、週1回程度の自宅充電で問題なく利用できそうです。