日産自動車、欧州で第3世代「e-POWER」を搭載した「キャシュカイ」を発表
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・新世代「e-POWER」は、燃費性能を向上するとともに、より高い静粛性を実現
・2025年9月に欧州にて発売予定のクロスオーバーモデル「キャシュカイ」に搭載
・新世代「e-POWER」を搭載した「キャシュカイ」は、Cセグメントクロスオーバー市場において最高水準の燃費と低CO₂排出量を達成*
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は、26日、欧州で第3世代となる日産のハイブリットシステム「e-POWER」を搭載した「キャシュカイ」を発表しました。
日産は、2016年の「e-POWER」市場投入以降、その性能を進化させてきました。この第3世代「e-POWER」は、同パワートレインならではの高い走行性能や、スムースで気持ちの良い運転体験を損なうことなく、燃費性能と静粛性を向上させています。エンジンで発電した電気を使い、100%電気モーターで走行する「e-POWER」は、モーターや制御をEVと共用することが可能で、将来のゼロエミッション社会への移行にも貢献します。
ディーゼル車並みの航続距離と利便性に、EVライクな運転体験と応答性を融合
「e-POWER」は日産独自の電動パワートレインであり、エンジンを発電専用とし、駆動はすべて電気モーターのみで行うシリーズハイブリッドシステムです。電気モーターのみで駆動するため、力強くレスポンスの良い加速と高い静粛性が特徴で、複雑な機構を必要とする他のハイブリッドと比較しても、より滑らかでEVのような運転体験を提供します。またEVと同じように、回生ブレーキにより減速エネルギーを電気に変換してバッテリーに戻すことが可能です。第3世代「e-POWER」はこのコンセプトをさらに進化させ、セグメントトップ*となる燃費を実現し、最大航続距離もディーゼル車並みを誇ります。
・燃費性能:4.5L/100km(WLTP)に向上し、セグメントトップクラス*となる最大航続距離1200kmを実現
・CO2排出量:116g/kmから102g/kmへ12%削減
・静粛性:第2世代比で最大5.6dB低減し、EVのような静粛性を実現
・スポーツモード選択時に10kW出力上げるモードを採用し、よりスポーティーな走行体験を提供
新開発のe-POWERユニットと専用エンジン
新世代の「e-POWER」は、モジュール化された新開発の5-in-1 e-POWERパワートレインユニットを採用しました。このユニットはモーター、発電機、インバーター、減速機、増速機といった5つの主要部品をコンパクトで軽量な一つのケースに統合しています。モーターの最高出力は11kW向上し151kW、バッテリー容量は2.1kWhと従来と同様のスペックを維持しながら、ユニット自体の高剛性化と軸構造の最適化により、走行時の音や振動を大幅に低減しています。
本ユニットに組み合わされるエンジンは、1.5リッター3気筒のターボエンジンを採用し、e-POWER専用に完全新設計されました。日産独自技術であるSTARC燃焼コンセプトを採用することで、シリンダー内燃焼の安定化を実現し、熱効率42%を達成しました。これにより、低速時でも静かで効率的な運転が可能です。効率を最大化するための大型ターボや最終減速比の変更により、高速走行時のエンジン回転数を従来より約200rpm低くすることで、騒音の抑制にも寄与しています。e-POWER専用設計とすることで、従来搭載していた可変圧縮比技術は不要となり、また潤滑油を0W16にすることで、エンジン内部の抵抗を低減しています。また、オイルメンテナンスの距離が15,000kmから20,000kmに延長された点もお客さまに歓迎される点です。
ADAC(ドイツ自動車連盟)の燃費評価に基づく独立試験では、現行「キャシュカイ」と比較して、実走行条件で最大16%の燃費向上、高速道路では14%の向上が確認されています。
日産自動車株式会社 チーフテクノロジーオフィサーの赤石 永一は次のように述べています:
「この第3世代e-POWERは、日産のハイブリッド技術を再定義するものであり、あらゆる状況で滑らかで応答性の高い走行を提供します。約10年にわたる開発における知見を集約し、より効率的で洗練された、競争力のあるシステムを実現しました。キャシュカイでの導入は始まりに過ぎず、2026年度には日本と北米市場への投入を予定しており、その他の市場にも順次投入してまいります。」
電動化へのスマートな選択肢
「e-POWER」は電動化に移行する時代における、お客さまの新しい選択肢の一つとなります。
EVと同じ電気モーターで走行するため、変速ショックや出力の遅れがありません。一方で充電は不要で、今まで通りガソリンスタンドで給油すれば走行できます。「e-POWER」は、新しいものを求めながらも実用性を求めるお客さまにとって理想的な選択肢となりえます。電動駆動の楽しさや魅力を多くのお客さまが体感することで、将来の更なる電動化へのスムースな移行にも貢献します。
「キャシュカイ」は、英国サンダーランド工場で生産され、2025年9月より欧州市場で発売予定です。その後、アフリカおよびオセアニア市場にも順次展開される予定です。また、第3世代「e-POWER」は日本市場においては2026年度の発売を予定している新型「エルグランド」、また北米市場においては2026年度中に発表予定の新型「ローグ」に搭載する計画です。
*2025年6月時点の欧州Cセグメントクロスオーバー市場における比較