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ベストカーWeb より



 「え? クルマの下から何か漏れてる!」と、なんだかわからない液体を見るとかなり不安になる。そこで今回は漏れている液体の正体と対処法について。何か漏れていることすべてが異常事態なわけではないのですが……。

文:山口卓也/写真:写真AC、Adobe Stock/アイキャッチ画像:twc@Adobe Stock

クルマの「液漏れ」はまず場所と色を確認!



 クルマにはエンジンオイルにミッションオイル、冷却水、ガソリン……と、さまざまな液体が使われている。

 そのなかには、漏れていても特に問題ないものと大問題なものがあるが、まずは「どこから漏れているか?」と「漏れている液体はどんな色か?」を探ってほしい。

場所と色でチェック! 予想されるヤバい液体の正体



●クルマの一番前、赤や緑色の液体:冷却水

 フロントにエンジンが搭載されているクルマで、クルマの一番前部分からの液漏れはラジエターからの冷却水漏れの可能性大。

 冷却水はエンジンオイルなど他の液体と区別をつけるために赤や緑の色がつけられており、なんとなく甘い匂いがする。これらの色や匂いであれば冷却水と判断。冷却水には毒性があり、飲み込んでしまうと中毒を起こすほどなので注意したい。

 漏れる位置はさまざまで、多くのクルマの前部分に搭載されるラジエター、エンジンへとつながるラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプなどではエンジン下部、他のパーツに伝ってから漏れる場合もある。

 漏れを見つけたらボンネットを開けて冷却水のタンク残量をチェック。

 残量がほとんどない場合はディーラーや修理工場へ連絡。補充しながら走れるようであれば水を補充しつつゆっくり走行してディーラーなどへ駆け込める場合も。その際は水温計をチェックしながら走行し、針やインジケーターが半分より上に上がるようなら無理せず即ロードサービスへ連絡!

 放置しておくとエンジンの焼き付きにつながり、多額の修理費用がかかってしまう。

●エンジンの下あたり、茶色や黒っぽい液体:エンジンオイル、ミッションオイル

 エンジンの下あたりから、茶色や黒っぽい液体が漏れていたらエンジンオイルやミッションオイルの可能性大。漏れた液体がドロっとした感じやネバつく感じであればほぼ間違いない。

 駐車時に黒っぽいシミができるのもこのどちらかの可能性大だが、大量に漏れているのでなければいきなりエンジンが壊れることはない場合が多い。

 まずはオイルレベルゲージでエンジンオイル残量をチェックし、少しの補充で済むようならオイルを補充してディーラーや修理工場へ。

 エンジンオイルがまったく減っていない場合はミッションオイルの可能性大。いずれのオイルにしてもかなりの量が漏れているようなら必ずエンジントラブルに即発展するので、迷わずロードサービスへ連絡!

 放置するとエンジンやミッションの修理が必須となり、非常に多額の修理費用がかかること間違いなし!

●左右のリアタイヤの真ん中あたり、茶色や黒っぽい液体:デファレンシャルギヤオイル

 色や触った感触がエンジンオイルやミッションオイルっぽいが、場所が左右のリアタイヤの真ん中あたり(FRや4WD車)の場合はデファレンシャルギヤからギヤオイルが漏れている可能性大。

 漏れていたとしても、デファレンシャルギヤはエンジンオイルのように簡単に補充できるものではないのでただちにディーラーや修理工場に連絡!

 こちらも放置すると多額の修理費用が……。

●タイヤの裏やエンジンの下あたり、黄色っぽい液体:ブレーキフルード

 オイルとは明らかに違う色で、サラッとした透明っぽい黄色の液体であればブレーキフルードの可能性大。

 ブレーキフルードが漏れている場合は、ブレーキペダルがいつもより奥に踏み込める状態だったりフワフワした感じの踏み心地になる場合が多い。このまま走行すると大事故につながる非常に危険な状態のため、漏れを確認したらクルマはできるだけ動かさずに即ディーラーや修理工場に連絡!

 ちなみに、エンジンオイルやミッションオイルを指に付けて何の液体か確認する人がいるが、皮膚が炎症を起こす場合があるので要注意。

 ブレーキフルードはさらに要注意で、皮膚がカサカサになったり、漏れたブレーキフルードが塗装面につくと塗装がブヨブヨになったりする。

 ただ、吸湿性が高いので水で洗い流せばすぐに落ちる。手に付いた場合やクルマに付いた場合は水できちんと洗い流せば問題ない。

ガソリンや軽油の場合は匂いや色ですぐにわかる!



 ガソリンや軽油が漏れている場合は、自身がガソリンスタンドで給油している人なら匂いですぐにわかるはず。

 また濡れた路面では、匂いとともにガソリンや軽油が油膜となり、虹色のような模様(オイルの場合も同様)が広がるのでわかるはずだ。

 漏れる箇所は燃料タンクというより劣化したホースやホースの接続部からが多い。特にガソリンは揮発性が高く危険なことこのうえないので、漏れを確認したら絶対にエンジンをかけず、即ディーラーや修理工場に連絡!

特に心配する必要のないものもあるが……



●助手席の下、無色透明の液体:カーエアコンからの排水

 エアコンをつけていると、助手席の下あたりから液体が漏れているのを見つけることがある。砂利道や土の上ではわからないが、舗装路でよく見ると無色透明な液体。これはカーエアコンが除湿する際に排出する水で、故障ではないのでご心配なく。

●マフラーから、無色透明または黒っぽい液体:排気ガスに含まれる水分(+スス)

 マフラーからの無色透明の液体は、排気ガスに含まれる水分。また、これにマフラー内のススが混じって黒っぽい液体の場合もあるが、ドロっとした感じやネバついた感じでなければ心配ない。

●オイルやガソリンが混じっているなら要注意!

 ただし、その液体にオイル分が混ざっているようであれば要注意! エンジン内部のパーツが摩耗・劣化すると、燃焼ガスとともにオイル分が排気ガスとともに排出される場合もあるのだ。

 また、ガソリン特有の刺激臭をともなう場合は未燃焼のガソリンが混じっていることが考えられ、燃料系や点火系に不具合がある場合も。放置した場合は触媒の加熱によって車両火災につながる場合もあるので、即ディーラーや修理工場に連絡してほしい!

 漏れを確認してロードサービスやレッカーを呼んだ場合はエンジンをかけず、ものによっては引火の可能性があるのでクルマから離れた安全な場所で待機することを忘れずに!



引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/1372731


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