少しでも安くしたいけど削りすぎてもリスク大! 「クルマの任意保険」賢い入り方とは
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WEB CARTOP より

「任意」といえどもクルマに乗るなら事実上マスト
クルマを購入した際には「事実上のセットオプション」ともいえる任意保険。強制加入である自賠責保険ではカバーしきれない補償を補ってくれるのが任意保険(以下、自動車保険)です。文字どおり「任意」ではありますが、じつにクルマを所有するユーザーの約90%が加入しているとされています(※任意保険および自動車共済の合算)。しかし、逆にいえば路上を走るクルマを運転するユーザーの約10%が未加入であることを意味します。
この自動車保険、ディーラーのセールスマンや保険会社の担当者などに勧められるがままのプランで加入していませんか? もしかしたら、カーライフに適したプランではないかもしれません。そこで今回は、「賢い自動車保険(任意保険)の入りかた」について考察してみました。
■ディーラーのセールスマンにとって自動車保険の契約もノルマに含まれる
多くの場合、ディーラーのセールスマンはクルマを売っているだけでOKというわけではありません。ローンまたは残価設定ローンや自動車保険の契約件数も重要な項目だったりします。とはいえ、どこまでオーナーのライフスタイルに沿った自動車保険を考えてくれるかは担当者次第でもあります。
購入する側にとっても、クルマを購入後の車検や故障時などのアフターフォローだけでなく、自動車保険も担当のセールスマンにお願いすれば対応してくれます。「困ったら担当のセールスに連絡をすればいい」という安心感や、手続きの煩雑さから開放されるというメリットがあります。
■自動車保険の費用を抑えたいなら「ネット型」一択
自動車保険の契約において費用が抑えられるかどうかのわかれ道は、「ネット型または代理店型」どちらを選ぶかによって違ってきます。
「自動車保険が必要なのは理解しているけれど、極力安く抑えたい」のであればネット型一択です。トータルの費用が抑えられるだけでなく、自分の判断で契約内容を組んでいける点も魅力です。ただし、安いということはデメリットもあります。専任の担当者がいないため、デリケートな判断が求められたり、グレーゾーンなケースでの融通が利かない場合があります。
また、契約内容を決める時点からすべて自己判断になるため、本来であれば契約しておいたほうが安心な項目を削ってしまい、のちのち痛い目に遭うことにもなりかねません。単に安く済ませようとすると、本来の自動車保険に加入するという目的が意味を成さなくなる場合もあるので、自己判断に自信がない人は代理店型のほうが安心です。
■長期契約や相見積もりで費用を抑えたり保険が適用される使用者を限定する
1度クルマを購入したら、最低でも数年〜10年くらいは乗り続ける人が大半だと思われます。それであれば、自動車保険も長期契約(2年または3年など。それ以上もあります)で保険料を抑える方法もひとつの手です。これはこちらからお願いしなくとも、ディーラーや代理店側が提案してくることも多いです。なにも申し出がなかった場合は、長期契約についてこちらから打診してみるのも手です。
また、契約前に相見積もりを取ることで、同じような契約内容でも保険会社ごとに金額に違いがあります。面倒ではありますが、地道に相見積もりを取ることでトータルの費用が抑えられます。
本人&配偶者限定、家族限定など、自動車保険が適用される使用者を限定することでも費用が抑えられることがあります。ただし、家族のなかで10〜20代前半の人が含まれると一気に保険料も高くなるので、一概にはいえません。
細かく検討することで自分にあったプランに
■友人・知人からの紹介で保険会社を選ぶ
決して費用が安くなるわけではありませんが、友人・知人からの紹介で保険会社(担当者)を選ぶことも重要です。担当者にとっては紹介してくれた人の顔を潰すようなことはできませんから、ほとんどの場合はきちんと対応してくれます。
この「きちんと」とは、紹介された人(保険の契約をする人)にとって損のないプランをいつも以上にきっちり練り上げてくれる、という意味です。運転歴が浅く、なおかつ初めてクルマを買う場合の自動車保険は、誰かの紹介がもっとも安心ではないかと個人的には感じています。いつの時代も、いかなる場面でも紹介は重要であり、保険のような現物がない商材を決める際には安心材料のひとつです。
■いらないと思われる特約を外す
自動車保険のプランを組むセールスマンは、オーナーのライフスタイルに関して詳しくは把握していません。商談時の雑談を通じて、それまで乗っていたクルマやこれまで組んできた自動車保険の保険証券などが主な情報源です。
なかには過剰と思われるくらいの「特約」をてんこ盛りで付けてくるセールスマンもいます。もちろん、ほとんどの場合は悪気があってのことではなく「これも付けておいたほうが安心だろう」と思ってのこと。自動車保険を説明する際に不要であれば外せばいいわけです。このあたりは車検の見積もりで「とりあえずタイヤやバッテリーの交換の提案もしてみる。不要であればカットする」感覚と同じです。
特約の中身についてですが、これも保険会社や契約内容によってまちまちです。たとえば、事故に遭ったときに車両本体だけでなく、クルマに積んであった荷物に対しても保証でカバーしてくれるケースです。ほとんどの場合、月額の支払いで割れば金額の差はわずかですが、少しでも削りたいと思うのであれば、ひとつずつきちんとセールスマンから説明を受けて種々選択をしてください。
■個人的には「弁護士費用補償特約」は必須
さまざまな特約のなかでも、個人的には「弁護士費用補償特約」は必須だと感じています。事故の際の示談交渉に掛かる弁護士費用を保険会社が保証してくれる契約です(ただし限度額があるので要確認です)。
あくまでも「特約」なので有償オプションですが、事故が起きた際の相手との対応がこじれたときなど、保険会社が用意してくれた弁護士が対応してくれる安心感は絶大です。また、こちら側が被害者となった場合でも、弁護士特約を契約しておけば加害者側と交渉してくれる場合もあります。このあたりは契約の際に担当者へ要確認です。
いずれにしても、相手側が弁護士を立ててきた場合、素人だけでは対応しきれない(勝ち目がない)場合も多く、結果として相当なストレスを抱える可能性があります。保険会社にもよりますが、弁護士特約を追加しても、月々の支払い額が劇的に増えるケースは少ないので、見積もり時(ほぼ提案内容に盛り込まれています)にカットしないようにしてください。
もしもの事態を考えて決めるのがベター
■車両保険(免責の割合を上げる)。残クレのクルマは要注意
車両保険の契約の有無も、契約料に大きな差が出るポイントのひとつです。これまで、費用の面で泣く泣く車両保険をカットして契約したという人もいるでしょう(筆者も経験あり)。
ローンや残価設定ローンを組んで契約した場合、事故を起こして修理が必要になったとき、車両保険があればカバーできる可能性があります(事故の度合いによっては全額カバーできない場合もあるので注意が必要)。しかし、車両保険を契約していなければすべて自己負担です。仮に廃車レベルの事故を起こしてしまった場合「ローンの残債だけが残る」ことになります。
これが残価設定ローンの場合、現時点での残債を一括で清算することにもなりかねません(契約時に要確認です)。車両保険だけでなく、事故等でクルマが全損、修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合でも、新車を購入する際の費用を補償してくれる「新価特約(新車特約とも)」の契約も視野に入れておいたほうが安心です。
■自動車保険は「いざというときのお守り」のようなもの
あくまでも「保険」なので、いざというときに自費ではまかなえない規模の金額やトラブルを補填・対処してくれるのが自動車保険(任意保険)です。年齢や運転のキャリア、年間の走行距離、使用頻度、使用しているクルマなど、人それぞれに合ったプランがあります。そしてどのようなプランがベストなのか? こればかりは生命保険などと同じで、最後は本人でなければわかりません。
では、費用を抑えつつ、削るべきところと残すべきところの見極めはどうすればいいか。最後はこれまでの経験から得られる直感です。保険内容をケチったときに限ってクルマをぶつけたり、事故を起こしてしまったことはありませんか? 自動車保険は「いざというときのお守り」のようなものです。それなりのプランを組んだときのほうが意外と平穏無事のように感じます。その「勘どころ」が見極められるのは本人か、強いていうなら家族だけです。
年齢や経済状況にもよりますが、初めてクルマを購入して自動車保険を契約するには、友人・知人からの紹介、あるいは少し過剰なくらいがちょうどいいのかもしれません。
引用元:https://www.webcartop.jp/2025/08/1689599/