変わらなくても許されるのがワイパーってマジか!? その理由が納得過ぎた
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ベストカーWeb より

自動運転やEVなど技術革新が目覚ましい自動車業界。その一方で、長きにわたり目立った変化が少ない装備のひとつがワイパーだろう。今回は変わらない理由と今後実用化が期待される技術を紹介する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC
新技術がお呼びでないほど完成度の高いワイパー
車種によって長さや動く方向が異なることはあっても、ワイパーについたゴムで窓ガラスをふき取るという基本原理は同じ。この原理に大きな変化がない理由は、雨粒の他にも黄砂や鳥のフンなどの汚れ、季節によっては雪まで除去する必要があり、直接ガラス面をふき取るワイパーが適しているからだろう。
ワイパーのゴムはフロントガラスを傷つけることもなく、湾曲したガラスへの密着度も高い。また、低温下でも柔軟性を損ないにくく、経年劣化しても数千円のコストで新調が可能。つまり、様々な条件下でも確実に機能するという点では、ゴムという素材とワイパーの仕組みに変わるものがないということだ。
とはいえ、ワイパー自体がなくなれば目の前をチラチラ動かれる煩わしさもなくなり、空気抵抗の低減も期待できる。そのため、過去には風圧や超音波を使って雨を弾き飛ばす技術も登場。しかし、実用化に至っていない。雨粒の除去だけならそれらの技術も有効だが、汚れまでふき取るとなると結局ワイパーが勝るということだろう。
変わらない基本構造ながらも進化しているワイパー
雨をふき取るワイパーは変わっていないのではなく、他の仕組みが試行錯誤される中で勝ち残ってきたと言える。そして、長年存在し続けたからこそ、ワイパー自体も少しずつ進化をしている。その代表的な例がエアロワイパーとオートワイパーだろう。
スタンダードなワイパーブレードに対し、エアロワイパーは凹凸の少ない樹脂カバーで覆われたブレードにワイパーゴムがついたもの。走行風を利用してワイパーがガラス面に押さえつけられるため、ふき取る力が強くなる。また、高速走行時の風切り音の低減にも効果がある。
また、オートワイパーはバックミラー付近のガラス面に設置されたセンサーで雨量を感知し、ワイパーの動作頻度をコントロールする機能。洗車の時に機能をオフにし忘れて突然の作動に驚いた経験をもつ人もいるだろう。
レーザーで汚れを焼き切る斬新な技術も開発中
大きな変化が難しいとお伝えしたワイパーだが、テスラが未来型ワイパーを開発している。それがレーザーワイパー。これはフロントガラスについた砂埃や鳥のフンなどの汚れを感知し、レーザーで焼いてきれいな状態を保つ仕組みのようだ。雨粒の除去を狙ったシステムではなさそうだが、何ともテスラらしい斬新な発想が興味をひく。
車体や人体への影響が気になるところではあるが、既に特許を取得している模様。市販車への実装はまだまだ先だろうが、長年大きな変化がないワイパーの新時代をテスラが切り開くかもしれない。