善意もあれば悪意もあるからトラブルに発展する場合も! クルマの「パッシング」ってどんな意味?
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WEB CARTOP より
たびたびトラブルの原因に
郊外のまっすぐな一般道を走っていたら、対向車線から走ってきたトラックが、パパッとライトを点灯させてパッシング。
さて皆さんはこの時、そのトラックがどんな意味でパッシングをしてきたのか、理解できるでしょうか?
Aさんは、「ヘッドライトが眩しかったから、怒っていたのかな?」と心配します。
Bさんは、「この先で取り締まりをやっていることを教えてくれたのかもしれない」と警戒。Cさんは「なんの心当たりもないから、知り合いのクルマだと勘違いされたんじゃないか」と考え込みます。
このようにパッシングにはいろんな意味があり、必ずしもパッシングをしたほうの気持ちと、されたほうの受け取り方が合っている場合ばかりではないのです。
はっきりとした使い方やルールが決まっているわけではないことから、たびたびトラブルのもとになってしまうパッシング。
今回はどんな時に使い、どんな意味があるのか、ご紹介したいと思います。
まずパッシングとは、ライトのスイッチを使ってハイビームを素早く点滅させ、対向車や前走車に合図をすることです。
語源となっているのは、前を走っているクルマに対して「先に行きたいので道を譲ってほしい」という意味合いのPassingに由来するといわれています。
モータースポーツ観戦をしたことがある人なら、遅いマシンの後ろからくる速いマシンが、パパパッとライトを点滅させて抜き去っていくシーンがイメージできるのではないかと思います。
ですがいつの頃からか、さまざまな状況でさまざまな意味合いを持って使われるようになりました。交差点では、右折を待っているクルマに直進車が「曲がっていいよ」と合図する時。
それに対し、丁寧に「ありがとう」という意味でパッシングを返すこともあります。道路脇の駐車場から出ようとするクルマに対し「入っていいよ」と合図するパッシングもあり、いろんな場所での「お先にどうぞ」という意味で使われます。
異変を知らせるために使われるケースも
逆に、周囲のクルマに対する「抗議」や「怒り」を表すパッシングもあります。
たとえば対向車がハイビームのまま走ってきて眩しい時。
急な割り込みをしてきて危うくぶつかりそうになった時。
高速道路の追い越し車線をノロノロ走って塞いでいる時など。
同じような状況でクラクションを鳴らすドライバーも多いのですが、これは道路交通法第54条によって法令違反になる場合がほとんどで、罰金も課せられるため、パッシングで抗議をするようになったという背景もあります。
そして、異変を知らせるためのパッシングもあります。
「夜間なのにライトつけ忘れてるよ」とか「ドアが半ドアだよ」「給油口が空いてるよ」などと教えてあげる時に、信号待ちなどでそのクルマと並ぶことができれば直接教えてあげられますが、そうでない場合には早く気づいてもらわないと事故につながる可能性があるため、
パッシングをして合図をするということもあります。また、信号のない横断歩道などで、歩行者が渡ろうとしているのに対向車がその存在に気づいていないかもしれない、というような状況では、パッシングをして「歩行者がいるよ」と知らせるということもあります。
対向車に対して、前方の異変や危険を知らせる善意のパッシングもあります。
道路が陥没していてまだ規制がされていなかったり、大きな動物の死骸や落とし物などがある場合。
また、速度違反などの取り締まりをやっていることを知らせてくれることもあります。
路線バスや観光バスなどがパッシングをしている場合は、バスジャックなど車内で緊急事態が発生している可能性がありますので、助けが必要かどうか注目し、念のためバス会社に連絡をするなどの行動が必要です。
ちなみにタクシーが強盗被害などに遭っている時には、行燈が赤く点滅することになっているので、見かけたらすぐに警察に通報しましょう。
このように、「お先にどうぞ」という意味は比較的わかりやすいパッシングですが、そのほかにもいろんな状況でいろんな意味がありますね。
何の心当たりもないのに対向車などからパッシングをされたら、「どういう意味?」と不安になるのも仕方がないと思います。どうしてもわからない時は、念のためコンビニの駐車場など安全な場所に停車して車両の安全を確認したり、この先で事故や災害などが発生していないかどうか、スマホで調べたりするといいですね。
また、後ろから迫ってきてしつこくパッシングをする行為はあおり運転行為と見なされる場合もあります。
本当に必要な時に、ドライバー同士のコミュニケーションとして、譲り合いの心や事故防止のために使うのがパッシング。正しく使って、ドライブをもっとスムースにしたいものですね。