商用車は自動車税が半額以下ってマジか! 乗用で使うとめちゃくちゃ美味しい感じもするけど「デメリット」もけっこうあるので要注意!!
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WEB CARTOP より
商用車をマイカーにするのはおトクなのか?
市販されているクルマの分類方法はいくつもあるが、基本となるのは乗用車と商用車にわけることだろう。ナンバープレートでいうと、地域名に続く数字の最初が「3」もしくは「5」となるのが乗用車で、「1」もしくは「4」となるのが商用車だ。ちなみに「2」は乗車定員11名以上のバス、「8」はキャンピングカーやパトカーなどに用いられる。
基本的に「1」や「4」といったナンバーを付ける商用車はビジネスユースであるが、乗用車的な位置づけで日常的なマイカーとして活用するユーザーも少なくないという。

果たして、商用車を普段使いにすることは問題ないのだろうか。
まずは普段使いされがちな商用車をピックアップしてみよう。
いの一番に思い浮かぶのは、スズキ・エブリイやダイハツ・アトレー/ハイゼットカーゴ、ホンダN-VANといった軽商用バン。この手のモデルは宅配業務のラストワンマイルカーとして活用されるが、意外にパーソナルユースで使われている。

ホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントといったスーパーハイトワゴンに比べると、後席スライドドアが手動であったり、内装材が省かれ鉄板むき出しであったりするなどチープな部分もあるが、そこがミニマリスト的でかわいいと感じる向きもあるだろう。
実際、筆者も日常的にエブリイに乗り、ドライブや車中泊を楽しんでいるが、日常的に使いづらいと思ったことはない。むしろ荷室の使いやすさは、スーパーハイトワゴンやミニバン以上と感じることが多い。後席を収納したときのフラットさは、多くの乗用モデルで実現できないレベルとなっており、最大の魅力だ。

1BOXといえば、トヨタ・ハイエース、日産キャラバンといったモデルも日常使いで活用されることの多いモデルだ。こちらは建築業などのビジネスシーンで使われることを想定した設計だが、それだけに拡張性あるラゲッジスペースが魅力。釣りやキャンプ、車中泊などのレジャーに合わせて、棚やベッドを備え付けているオーナーも多いことだろう。

また、トヨタ・プロボックスをカスタマイズして楽しんでいるオーナーも多いと感じる。昭和的に表現すると「ライトバン」と呼ばれるプロボックスは、ステーションワゴンの商用版といったモデル。1BOX系のような圧倒的な広さはないが、いまや絶滅危惧種となったステーションワゴン好きにとっては、まさに貴重な存在となっている。スクエア基調のフォルムにも独特の魅力があるといえる。
さらに、最近ではいすゞエルフミオのように普通自動車免許で運転できることをアピールした4ナンバートラックも出てきている。軽トラックも同様だが、独立した荷台があることは遊びの可能性を広げてくれる。バイクを載せたり、狩りに出かけたり、荷台に小屋を載せてキャンピングカーのようにするといった遊び方がある。

1ナンバーのピックアップトラックである三菱トライトンやトヨタ・ハイラックスは、もはや商用車というよりも、SUVの一種として認識されているかもしれない。ラダーフレームによるタフネスは、モノコックボディが主流となっているSUVのなかでは価値あるモデルとなっている。また、1BOXタイプでもボディサイズによっては1ナンバーになっていることもある。
軽1BOXバンからピックアップトラックまで、さまざまな商用車が日常使いされているのが現実であり、もはや「商用車だから日常使いはできないでしょう?」という疑問は愚問といえる。
商用車を日常使いするメリットは、そのパッケージだけではない。
たとえば軽自動車税を見てみれば、乗用車は1万800円となっているが、商用車は5000円と半額以下(いずれも自家用の場合)になっている。排気量1.5リッター以下の登録車でみると、5ナンバーの乗用車は3万500円だが、最大積載量1t以下の4ナンバー商用車は1万4300円(いずれも自家用の場合)と、こちらも半額以下となる。

こうした税制的なメリットは個人ユースであっても変わらない。それだけランニングコストを抑えることができる。
さらに、一般論として商用車は耐久性が重視されている。とくにエンジンのタフさについては各社のモデルともに定評あるところ。前述したようにスライドドアも手動だったり、エアコンがマニュアルタイプだったりするため、そもそも壊れる箇所が少ない。結果として、10万kmを超えて使うようなユーザーにとっては、長期的なメンテナンスコストも抑えることが期待できる。
安く購入できる一方で装備も簡素化されている
乗用車に対して機能を省くことは車両価格を下げることにもつながる。安く買えて、長く使えるのが商用車といえる。しかしながら、そうした面は諸刃の剣だ。
エアコンがマニュアルタイプであるくらいは我慢できるというか、むしろオートエアコンより好ましいと感じるユーザーもいるだろうが、NVH性能の差はけっこう大きい。
前述したように、商用車は内張りを省き、鉄板むき出しとなっている。これはラゲッジとしての使いやすさ、棚を設置するなどカスタマイズのしやすさという実用面ではメリットとなるが、遮音性能が犠牲になっていることが多い。

タイヤが発する音など走行ノイズは、乗用車に比べると盛大に入ってくる。筆者個人の印象でいえば、高速巡行時に音楽を楽しむには、けっこうボリュームを上げる必要があると感じる。
断熱性能についても同様だ。なんの対策もせずに車中泊をしていると、とくに冬などは外気温と変わらないと思えるほど車内は寒くなる。断熱材や遮音材を追加するといったカスタムもあるが、根本的な部分で乗用車同等の快適性を実現するのは難しい。

荷物を積むことを前提とした商用車には、乗り心地の硬さという問題もある。それなりの積載量があってバランスするようサスペンションが設計されているため、空荷状態では後輪が跳ね気味に感じることもあるだろう。
また、商用車として認められるためには、後席より荷室が大きくなければならない。キャビンに余裕があるように見えても、後席スライド機能をつけることはレギュレーション的に難しいし、そもそもヘッドレストもないようなチープな後席であることも多い。これは座り心地をスポイルする要素であり、後席に人を乗せることが多いのであれば、この点を許容できるかどうかを考えておくべきだろう。

さらに、1ナンバーの商用車を普段使いするならば購入前に知っておきたいのが高速道路における通行料金の違いだ。たとえば、首都高の料金は以下のような1kmあたりの単価が設定されている。
軽・二輪:23.616円 普通車:29.52円 中型車:35.424円
基本的に1ナンバーの商用車は「中型車」の料金となる。つまり、軽商用車や4ナンバーの1BOXやバン(普通車に分類される)より通行料金が高くなるのはもちろん、3ナンバーの乗用車よりも高い料金を払う必要がある。

このように、1ナンバー車の通行料金が高くなるのは全国の高速道路でも同様だ。すなわち走行距離が長くなるほど、その差は大きくなる。この点はランニングコストを押し上げる要素なので、1ナンバーのクルマを購入するときには覚悟しておきたい。
とはいえ、商用車だからこそのシンプル&チープな部分は、カスタマイズを楽しみたいユーザーや、自動車にミニマリスト的要素を求める人にはおすすめできる。ここで紹介したメリットとデメリットを天秤にかけて許容できるというのであれば、日常使いする愛車として商用車を迎えても満足度は高いことだろう。








































