古い「ETC」使えなくなるってマジ!? でも「買替の補助金なし!?」 使用不可な「車載器」の見分け方は?「10年以上使用」は要注意か
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くるまのニュース より
ETC車載器が使えなくなるってマジ? 補助金も出ない!?
利用率は9割近くと多くのユーザーが利用しているETCですが、機種によって今後使用不可になるケースがあるといいます。
一体なぜなのでしょうか。
ETCは「Electronic Toll Collection System(電子式料金自動収受システム)」の略称で、クルマに搭載するETC車載器と料金所ゲートとの間で、無線通信という電波を使って通行料金の支払いに必要なデータをやりとりしています。
2024年5月時点でETC利用率は94.9%と多くのユーザーが利用しているETCですが、このETCで扱う電波について、電波法関連法令の改正によって一部対象機器が使用できなくなることがアナウンスされています。
これについて、国土交通省は以下のように説明しています。
「不必要な電波(不要電波=スプリアス)をできる限り低減させることによって、国内の電波利用環境の維持、向上及び電波利用の推進を図るため、電波法が改正されました」
法令によって、無線設備のスプリアス発射の強度の許容値が規定されており、2005年12月1日から新たな許容値が適用されています。
これにより旧スプリアス規格の無線設備については、その使用期限を2022年11月30日までとし、「一部のETC車載器は、2022年12月1日以降使用できなくなる」と発表されていました。この問題について、一部では「ETC2022年問題」と呼ばれています。
しかし新型コロナウイルス感染症などの影響から、無線設備の製造や移行作業に支障が生じていることが考慮され、移行期間が「当分の間」と改められています。
※ ※ ※
移行期間が延長されたものの、いずれ使用できなくなる可能性があるため、自身のETC車載器が該当するかどうか確認しておくと安心といえます。
なお、使えなくなるのは「2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け、製造されたETC車載器」としています。
一方でETC車載器の交換は手軽に行えるほど低価格ではないため、ユーザーからは「お金かかるな〜」「我が家は自分と妻、仕事用のクルマと3台分のETCを買い替えないといけない…いくらになるんだろう。勘弁してほしい」など嘆きの声が寄せられていました。
また「クルマに乗るとお金ばっかりかかるな」「ETC古くなると使えなくなるんだ。クルマの税金も年数が経てば高くなるし、金取ることしか考えてねえ」などの声も。
ちなみに、車載器を買い換える場合の購入補助金について、国土交通省では「現時点では、購入補助は考えておりません(2021年8月4日時点)」と回答しています。
これについて「なんで補助金ないんだろう?」といった声もみられ、補助金制度が設けられていないことに納得いかないというユーザーも少なくないようです。
次に待つ「2030年問題」も
2022年問題に対応したと安心していると、次はその先に「2030年問題」が待っています。
国土交通省およびITSサービス高度化機構、高速道路会社6社は、2017年にETCシステムのセキュリティ規格変更を発表しています。
これは昨今の情報機器の能力向上に伴うセキュリティ脅威の増大への備えだといい、現時点で現行のセキュリティ(車載器、カード)において問題が発生したわけではありません。
ETCのセキュリティ規格の変更時期については具体的な時期は未定であるものの、最長2030年までにおこなわれることから、一部では「2030年問題」と呼ばれています。
また、従来のセキュリティ規格に対応した車載器は、セキュリティ的に大きな問題が発生しなければ最長2030年まで使える予定ですが、問題が発生すれば前倒しとなる可能性があるといいます。
自分が使っている車載器が新しいセキュリティ規格に対応しているかどうかは、車載器管理番号もしくは車載器本体への表示で確認できます。
例えば車載器管理番号では、19桁の番号が車載器ごとに割り振られており、「1」から始まる機種は新規格に対応しているため、そのまま使用可能です
一方で「0」から始まる場合は旧規格のものなので買い替えが必要です。
車載器管理番号は、車載器購入時の取扱説明書や保証書、車載器のセットアップをした際の申込書や証明書のほか、車載器本体への刻印などで確認することができます。
また、車載器本体に記載された識別マークでも確認可能な場合があります。
もし新セキュリティ規格に対応しているか判断がつかない場合には、購入した販売店やセットアップを依頼した店舗などに確認してみるのが良いといえます。直前になって慌てないためにも、早めの対応を心がけておくのが良いかもしれません。