勝手にクルマが汚れる黄砂鬱陶しすぎ! 気づいたらボディが黄色になってて涙!! 勘弁して!!
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ベストカーWeb より

暖かくなってきて過ごしやすい日々になってきたけれど、大陸からあいつがやってきた。そうそう、黄砂です。もう洗っても洗ってもクルマは汚れるし良いことない。ホント迷惑!! そもそも黄砂ってなんだっけ? 今一度おさらいしていきます!!
文:往 機人/写真:Adobe Stock、ベストカーWeb編集部
厄介者の来訪に深いため息出るわ
寒さが厳しい冬から暖かい日が多くなる春にかけては、徐々に気温が上がり始めて人も植物も活動が活発になっていく時期です。
花見やレジャーなど、クルマでドライブする機会も増えるでしょう。そうして一気に気持ちがアウトドアに向く時期ですが、ちょうどその時期に合わせて訪れるやっかいな存在があります。そう、あの大陸からの姿が見えない侵略者「黄砂」です。
ここではその黄砂について、そもそもどんなものなのか、どうしたら上手く防げるのかについて少し掘り下げてみたいと思います。
そもそも黄砂ってな何なの?
黄砂というのは、大陸の砂漠などの乾燥した地域から上空に巻き上げられた砂状の粒子が、偏西風に運ばれて東の地域に降り注ぐ現象です。
その多くは、ユーラシア大陸の中央部に位置するタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原など、中国の乾燥・半乾燥地域を由来としているようです。
その乾燥した黄色い砂が、広大な大地を通る瞬間風速24.5 m/s以上にもなる強風によって上空数千メートルにまで巻き上げられ、それが大陸の上空を西から東へと流れている偏西風に乗り、数千キロ先の日本に届いて、良くない影響を及ぼしています。
ちなみにこれは日本が多く影響を受けているというわけではありません。粒子にも重量の差があるので、いっしょに巻き上げられた大小の粒子のうち、重量が大きい粒子から近場へと降下して、細かい粒子ほど遠くに到達するようです。
最大では中国から巻き上がった粒子が北米大陸で観測された例もあるんだとか。そしてこの3〜5月に多くなる理由は、発生源の砂漠地域が雪解けを迎えることで土壌が露出して次第に乾燥。軽くなって風に舞い上がりやすくなるためだそうです。
具体的にはどんな悪影響がある?
黄砂には、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石 などの粘土鉱物が多く含まれているようです。先述のように日本まで到達する“黄砂”の粒は小さく、直径4マイクロメートルくらいの粒が多いようです。
細かい砂で20〜200マイクロメートルとのことなので、黄砂がいかに小さいかが分かるでしょう。なので、目の粗いマスクやフィルターでは防ぎきれないと言われています。
成分的には鉱物由来のため、鉱物の他にはアルミニウムやカルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウムなどの金属成分が含まれていて、日本ではカルシウムが多いとのこと。
人体への影響に関してはまだ調査段階とのことですが、深刻な影響の報告はまだ少なく、警戒のレベルはまだ低いようです。そのため、単純に飛散量が多いときの粉塵による粘膜や肺へのダメージがほとんどのようです。
ただ、クルマへの影響についてはまあまあ深刻で、先述のように硬度の高い鉱物系や金属質などが多く含まれるため、接触による塗膜へのダメージや、金属イオンによるサビの誘発、あるいは摺道部分に入り込んで摩耗を招くなどの心配があります。
黄砂対策にはカバーが効果的だけど合わせて注意も必要!!
黄砂はかなり細かい粒子なので、風に乗って至るところに侵入しようとするでしょう。飛散量が多いときは、場所によってはうっすらと積もるくらいに降るという例もあるようです。
そんな細かい粒子の黄砂は、雨によってさらに内部まで運ばれて、洗車では除去できないようになってしまうことも考えられます。
なので、それを最少に防ぐには黄砂をシャットダウンするのがもっとも効果的です。それには屋内保管が理想的ですが、環境によってはそれができないケースも多いでしょう。
となると全体を覆うカバーで覆ってしまうのが最もプロテクション効果が高い方法だと思われます。しかし、カバーについては注意していただきたいポイントがあります。
カバーで覆っても、その下端の裾などのすき間からの侵入は完全には防げません。そして、侵入してしまった“黄砂”の粒子が、ボディとカバーの間での摩擦で塗膜表面を傷付けてしまう恐れがあります。
これを防ぐには、まず侵入をできるだけさせないことです。カバーには下部を巾着袋のように引き絞ってすき間を無くすようにできるタイプがあるので、それは有効でしょう。
また、侵入させてしまった場合を考えて、粒子を抱え込んでくれる起毛素材などの摩擦のダメージができるだけ少なくできる裏地のものなどを選ぶのもひとつの方法です。
あとは、できるだけドライに保つというのも有効だと思います。黄砂が付着した状態で雨に降られ、その状態で放置してしまうと、重くなったカバーにより摩擦のダメージが大きくなるためです。
雨が上がったらいったんカバーを外して乾かすなどの工夫が必要です。