全ッ然読めない! 「雪で隠れたナンバー」で走行は違法!? オービス怖くない説はウソ!? 雪にまつわる「ナンバープレート」の噂の真相は!?
口コミを書く
口コミを見る
くるまのニュース より
雪でナンバーが真っ白に・・・オービスに映らないって本当?
今年の冬は10年に一度レベルの寒波や冬型の気圧配置などにより、全国各地で大雪となりました。特に吹雪の場合、クルマのナンバープレートに雪が付着してナンバーが見えなくなる事態もたびたび発生します。
SNS上では、「雪でナンバーが見えない。これでオービスも怖くない」といった声や「ナンバーが隠れたので違反し放題」という冗談めいた声も聞かれました。積雪量の多い地域ではよく見られる光景ですが、ナンバープレートに雪が付着したままだと交通違反になる、またはオービスに映らなくなるというのは事実なのでしょうか。
ナンバープレートに関しては道路運送車両法第19条において「自動車は、・・・自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。(条文を一部抜粋)」と定められています。
つまり、ナンバープレートにカバーを取り付ける、シールを貼る、折り返す、汚れた状態にするなどして見えなくする行為は法律で禁止されているのです。
ナンバープレートを見やすく表示しなければいけないのは、有料道路において自動車を識別して支払う料金を瞬時に決定したり、ひき逃げ事件などの犯罪捜査に活用するなど、さまざまな場面で利用されているからといえるでしょう。
故意にナンバープレートを見えにくくした場合、道路運送車両法違反として50万円以下の罰金を科されてしまう可能性があります。雪が付着してナンバープレートが隠れてしまった場合については、自然現象であり実際に警察から検挙される確率は限りなく低いと考えられます。
しかし、見えにくい状態のまま走るのは法令上良いことではないため、クルマを駐車場に停めた際などに、こまめに雪を落とすことが大切です。
かつては、字光式ナンバープレートであれば付着した雪を電球の熱で溶かせると言われていました。字光式ナンバープレートは今でこそクルマのドレスアップとして利用されていますが、昔はナンバーを内側から電球で光らせて夜間の視認性を向上させ、交通事故を防ぐという目的で作られていたのです。
しかし、当時の製品では熱を発する電球を使用してナンバーを光らせていましたが、現在は発熱量の非常に少ないLEDが使われているため照明の熱でナンバープレートに付着した雪を溶かすのは難しく、やはりドライバー自身で雪を払う必要があるといえるでしょう。
では、ナンバープレートに雪が付着していたらオービスに映らない、スピード違反をしても捕まらないというウワサは本当なのでしょうか。
オービスの詳細な性能については明かされていませんが、過去にはオービスによる摘発を逃れるためナンバープレートにカバーを取り付け、さらに顔を隠して運転していた男性が逮捕されるという事例が発生しています。
この事例は、国道に設置されていたオービスの前でスピード違反をおこなったもので、クルマの外観や車内に置かれた小物の特徴のほか、オービスで撮影された運転者の顔の輪郭などから違反者を特定したものです。
つまり、ナンバープレートをカバーなどで隠せばオービスでクルマのナンバーを撮影できなくなるものの、オービスの画像は非常に精密であり、ナンバー以外の情報から違反者を割り出せるということが分かります。
また、違反者がナンバープレートを取り外してスピード違反を繰り返していた別の事例では主要交差点に捜査員が張り込んで違反者を発見・逮捕しており、ナンバーが隠れているからといって捕まらないというのは甘い考えかもしれません。
※ ※ ※
今後も寒い日が続きます。ナンバープレートが雪で隠れてしまった場合、警察に検挙される可能性は非常に低いと考えられますが、ナンバープレートは見やすく表示しなければいけないため、クルマを降りた際などに雪を落とすように心がけましょう。