事故が多いと思いきや……渋滞の7割は自然発生ってマジ!? 原因は上り坂!? 高速道路で渋滞が発生するメカニズム
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WEB CARTOP より
GWやお盆、年末年始は高速道路を利用する人が増えて渋滞する機会が増える。事故や故障車が無くとも渋滞が起こることがあるが、そもそも渋滞はなぜ起こるのだろうか?渋滞の先頭はどうなっているのだろうか?そのメカニズムに注目してみよう。
文/西川昇吾、写真/Adobe Stock(アイキャッチ画像:beeboys@Adobe Stock)
■7割は自然発生の渋滞
渋滞と聞くと事故などのアクシデントのイメージがあるが、NEXCO東日本のデータによると実は発生する渋滞の内、約7割が交通集中によるものとある。事故や故障車などのアクシデントが理由ではない渋滞がほとんどという訳だ。
では渋滞はどこで発生しているのか? 実はアクシデントを除いた渋滞の約6割が上り坂やサグ部で発生しているのだ。
「サグ部って何?」という声が聞こえてきそうだが、これは下り坂から上り坂に切ら変わるV字部分のことだ。
このような部分では気が付かないうちに速度が低下してしまう車両が発生し、後続の車両との車間距離が詰まり、次々と後続の車両がブレーキを踏むため渋滞が起きてしまうのだ。
そのほか交通集中による渋滞ポイントとして多いのがトンネルの入り口部分やインターチェンジや接続道路の合流部分だ。
トンネルの入り口ではトンネルの暗がりや圧迫感などを理由に一時的に速度が低下してしまう車両があり、これらの車両の速度が低下することで後続車との車間距離が詰まり、ブレーキを踏む車両が発生し渋滞の原因となる。
合流部分では合流してきた車両に合わせて本線の車両が減速するため、後続車との車間距離が詰まり、ブレーキを踏む車両が発生し渋滞の原因となる。
■横浜町田は渋滞の要素が詰まったポイント
よく、渋滞の名所として知られているのが東名高速道路上り線の横浜町田インターチェンジを先頭とした渋滞だ。
正確には横浜町田インターチェンジの少し手前となる大和トンネル周辺が渋滞の先頭となることが多いが、実はこの辺りは渋滞が発生しやすい要素が詰まっているからだ。
実際に走ったことがある人ならば分かると思うが上り坂になっている。そこに大和トンネルがあるのだ。
上り坂にトンネルという交通集中による渋滞が発生する2大要素が詰まったポイント。さらに東名高速という大動脈かつ首都圏で交通量が多い。このような理由があって渋滞の名所となってしまっているのだ。
大型連休前になると渋滞予測というのが高速道路各社から発表されたりすることがある。実はこれ結構当たっているのだ。その確率は80%と言われている。
では残りの20%は何か? これは事故や故障車が原因となるアクシデント的な理由による渋滞だ。目的地に時間通りにつきたいのであれば、渋滞予測はチェックしておくべきと言えるだろう。
■渋滞解消の努力
高速道路各社は渋滞予測だけではなく、渋滞を軽減しようとあらゆる努力をしている。
上り坂やサグ部では速度回復を促す表記をしたり、進行方向に移動するように光を点滅させるペースメーカーライトを導入したりして速度低下抑制や速度回復支援などを実施している。
また、トンネルの暗さを軽減やプロビーム照明(非対称照明)の導入により先行車の影が変化せずに、同じように見え続けるような工夫がされている。他にも渋滞解消に対する創意工夫がされているのだ。
実は多くのドライバーに実感しやすい形で渋滞解消に効果を発揮したものがある。それはETCだ。
実はETCが普及するまでは交通集中による渋滞理由の第1位は料金所での渋滞だったのだ。これがETCの普及が進むことにより、現在では料金所部分での渋滞はほぼ解消されたのだ。
今後も渋滞解消に対する研究と各種システム・メカニズムの導入はされていくことだろう。未来の高速道路はどのような姿になっているのだろうか。楽しみな要素の1つである。