ラダーフレームって古い構造感あるけど……いまでも最新クロカンSUVにラダーフレームが人気なワケ
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WEB CARTOP より
ラダーフレームのメリットとは
車体構造はモノコックの時代となっている。薄い鋼板を組み立てることで高い剛性を得られるモノコックは、軽い車体を実現し、それによって燃費がよくなるのは当然ながら、加速のよさや、より俊敏な操縦性を実現し、運転の楽しいクルマに仕立てられる。
それに対し、戦前戦後を通じて採用されたのがラダーフレームだ。今日でも、悪路走破性を重視する4輪駆動車や物流を支えるトラックで用いられている。ラダーフレームを使う例として、トヨタ・ランドクルーザー、三菱トライトン、スズキ・ジムニーなどがある。一方、悪路走破性を追求する4輪駆動車でありながら、モノコックを用いるのはランドローバー社のディフェンダーだ。
ラダーフレームの強みは、頑丈さにある。悪路では、岩や灌木などで床下を損傷しやすい状況が考えられる。その際、ラダーフレームはそれ自身が頑丈であることに加え、客室と別の構造であるため、損傷部分を修理すれば、再び使うことができる。モノコックでも、元どおりに修理が可能な軽度の損傷であれば再び走れるが、客室にまでひずみが及ぶような損傷になると、廃車せざるを得ない場合も考えられる。
シャシーといわれ、エンジン搭載やサスペンションなどの機能を支えるフレーム=ラダーフレーム構造は、客室と切り分けて使えるのが利点だ。シャシーは同じでも、客室を改造して使うことができる。
日本ではあまり需要がないかもしれないが、未舗装路の多い海外では、一種のカスタマイズとして客室を改造し、地域の利便性にあった実用性をかなえるうえで、ラダーフレームのクルマは加工しやすいため好まれる。そうした需要があるのだと、ラダーフレームを継続する自動車メーカーは説明する。
[caption id="attachment_22697" align="alignnone" width="1500"] Papst Johannes Paul II. im „Papamobil“ auf Basis des Mercedes-Benz 230 G mit dem Kennzeichen SCV 7.
Pope John Paul II in the “Popemobile” on the basis of the Mercedes-Benz 230 G with registration number SCV 7.[/caption]
日本でもそうしたカスタマイズを実感できるのはトラックだろう。単なる荷台だけでなく、アルミパネルトラックがあったり、ごみ収集車があったり、タンクローリーがあったり、コンクリートミキサー車があったりと、用途に応じてダラーフレームの上は千差万別だ。
乗用車においても、そうした改造ができることが悪路走破を得意とする4輪駆動車の普遍的価値のひとつになる。
ディフェンダーも現行車の前はラダーフレームであり、そうした要望があったに違いない。一方、SUV(スポーツ多目的車)人気によって、舗装路での快適性や高性能さが消費者に求められる時代となっている。どちらの価値に重きを置くかで、ラダーフレームかモノコックかの判断が分かれたのだろう。それは、顧客層をどう見極めるかによって決まることだ。