メーカー推奨のエンジンオイル交換サイクルを守ったほうがいいの? 1年以上交換をしないとどうなる? 減ったらつぎ足してもいい?
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ベストカーWeb より
ようやく暑かった夏が過ぎ、疲れがたまったクルマを労わる季節がやってきた。季節の変わり目のこの時期に、エンジンオイルの交換をお薦めします。なかには、エンジンオイル交換を1年以上行っていないという人もいるかもしれない。では、メーカー推奨のエンジンオイル交換を越えてしまうと、どうなってしまうのか、解説していきたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:photoiron@Adobe Stock)
乗り方でオイル交換のサイクルは変わってくる

オイルの交換サイクル、メーカー指定の数値は設計時の想定や様々な走行テスト等から導き出された一般走行で問題なく走り続けることができる推奨値。「どんな乗り方をしているか」や「ターボ搭載車であるかどうか」などの走行条件によっても変わってくる。
さらにメーカーによって若干違いはあるものの、国産車では一般に以下のようになっている。
●ガソリンNA車/1万5000kmまたは1年
●ガソリンターボ車/5000kmまたは6ヵ月
●ディーゼル車/1万kmまたは1年
例えばトヨタヤリスや日産ノートe-POWERは1万5000kmまたは1年ごと、ホンダフィットe:HEVは1万kmまたは1年ごと。
高温・高圧下で高回転するタービンが内蔵されたターボ車は交換サイクルが短いが、日産のR35 GT-Rのようにターボモデルでありながら「1万5000kmまたは1年」というケースもあるので、ターボ車ユーザーはオーナーズマニュアルで必ず確認を!
また、定期点検時の項目数にも影響する「シビアコンディション」に該当する使い方をしていた場合、次のように交換サイクルはほぼ半分となるので注意。
●ガソリンNA車/7500km、または6ヵ月
●ガソリンターボ車/2500km、または3ヵ月
●ディーゼル車/6000km、または6ヵ月
「シビアコンディション」とは悪路走行が30%以上、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行が30%以上といった、エンジンオイルに負担がかかる過酷な使用条件下における交換サイクルで、これに該当したら早めに交換する必要がある。
メーカー推奨のエンジンオイル交換時期、距離を過ぎてしまって放置すると?

では、メーカー推奨のエンジンオイル交換時期、距離を過ぎるとどうなるのか?
メーカーの推奨値にはある程度の余裕が持たされており、推奨値以降、劣化の進行状況に応じた様々な徴候は現れるものの、推奨値に達したからといって直ちに問題が起こるということではない。問題となるのは、その時点からどれくらい経過したか。
例えば、ノーメンテで2年間そのままだったとしたら、エンジン内部は堆積したスラッジで茶色に変色。動きが渋くなるなど正常に機能できなくなっている部位が出てきている可能性が考えられる。
また、エンジンを正常に回し続けるための必要最低限のオイル量、それがレベルゲージの下限で、このラインを下回ると油面が変動したときにオイルポンプで吸い上げられなくなるなど、オイル循環に支障が出てくる。つまり、エンジンが焼き付く可能性があるわけで、もしもメーターインジケーターのオイルランプが点灯したら要注意!
国産車では漏れていない限り極端に減ることはないが、推奨交換サイクルを過ぎた状態で走り続け場合、その限りではない。オイル量に関しては定期的にチェックすることが重要なポイントとなる。
それでは、エンジンオイルを交換しないと、具体的にどのような症状が出るのか? エンジンオイルの劣化によって潤滑性能が低下するとエンジン内部の各摺動面の摩擦が大きくなり、異常磨耗が発生。エンジンの回りが重くなって加速や燃費の悪化を招く。オーバーヒートしやすくもなり、最悪のケースではエンジンが焼き付くこともある。
また、エンジンオイルに取り込める汚れには物理的な限界があり、それを超えた汚れはエンジン内部に堆積していくことになる。オイル交換には、そんな「取り込んだ汚れを排出する」という目的もあり、交換を怠るとエンジン内部には確実に汚れが堆積していく。

特に注意したいのが「ほとんど交換せずに、減ったら補給するだけ」という使い方。つぎ足して乗っていると、排出されずに堆積したスラッジの揮発油分が抜けて真っ黒な粘土状になって堆積。
コールタールを盛り付けたがごとく盛り上がってくる。事実、過去に粘土状のスラッジでカムシャフトが埋もれていたという事例に遭遇しています。
オイルパンのストレーナー周囲に山のように堆積したスラッジで、オイルが吸い上げられなくなったという事例も。いずれも、エンジン焼き付きの原因となるのでくれぐれも注意したい。
筆者自身、年間走行距離が1万km前後の生活で、以前は「1年ごと」に交換していた。しかし夏場の渋滞を経験すると、1年を待たずしてオイルの色が濃く変化。粘度も落ちていたため、半年または5000〜7000km程度での交換が安心だと実感。
また、実際に整備士へ聞いてみると「メーカー指定を鵜呑みにして2年無交換で入庫するクルマは、オイルフィルターが真っ黒に詰まっているケースが多い」との声もあった。現場感覚から見ても、やはり日本の走行環境では“早め早めの交換”が賢明と言える。
読者にお薦めする現実的な交換サイクル

メーカーが推奨する1年または1万5000kmごと(ガソリン車)のオイル交換は、理論上可能でも、日本の実走環境ではお薦めできない。特に今年は東京都心で10日連続の猛暑日となり、年間猛暑日の日数は23日目となるなど異常気象が続いたからだ。
以下が読者にお薦めするオイル交換サイクル。
・ガソリン車:半年または5000kmごとの交換
・ハイブリッド車:エンジン稼働時間が短くても、オイルは劣化するため理想は半年または5000kmごとの交換
・ディーゼル車:煤やカーボンが多く発生するため半年または5000kmごとの交換
オイル交換は「過剰に早すぎても財布に厳しい」が、「遅すぎればエンジン寿命を縮める」行為。費用対効果を考えれば、早め交換の安心感は何ものにも代えがたい。
もちろん前述したシビアコンディションで走行した場合は早めに交換する必要がある。特に35℃以上の猛暑のなか、長距離の大渋滞や低速走行ばかりのストップ&ゴーを繰り返しているクルマは、シビアコンディションに該当するクルマが多い。
ガソリンターボ車、特にスポーツカーはメーカー推奨では半年または5000kmごととされている場合が多いが、走行状況に応じて3000kmまたは3ヵ月で交換する必要も出てくるだろう。
エンジンの使用頻度が低いと感じがちなハイブリッド車ですが、実は短距離走行や頻繁なエンジン始動により、意外とエンジンオイルの劣化は早いのです。ハイブリッド車のエンジンオイル交換時期は、1年または1万5000kmごとと推奨されている。
しかし、ハイブリッド車は、エンジンとモーターの切り替え運転が頻繁で、エンジンが低負荷で長時間作動するシーンが多く見られるため、オイルが冷えたまま使われる時間が長く、劣化スピードが意外と早いのです。特に猛暑時は負荷も高まりやすいため、半年または5000kmごとの交換が理想的だ。
エンジンオイル交換費用は一般的に1回あたり3000~7000円程度であり、1万5000kmごとに交換するとすれば、クルマの乗り換え目安とされる10万kmまでに約7回の交換が必要となり、オイル交換にかかる総額は2万1000円~4万9000円。オイル交換を怠ったことで、エンジンを焼き付かせてしまい、エンジンの乗せ換えをするとなると、数十万円もの出費となるので肝に銘じよう。


































