ベテランドライバーこそ知っておくべし!! 間違えたらマジ大変!! [ガソリンを入れる時]の注意点
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もはや当たり前となっている、ドライバー自身が給油を行うセルフサービス式のガソリンスタンドだが、“慣れ”からくる事故も少なくないという。いま一度心しておきたいセルフ式ガソリンスタンドの正しい使い方とは?
文/井澤利昭、写真/写真AC
安さと利便性から割合を増しているセルフ式ガソリンスタンド
「レギュラー満タンで!」──昭和の時代、給油といえばガソリンスタンドのスタッフにお願いするのが当たり前であった。
その常識が大きく変わったのは平成に入ってから。
1998年(平成10年)に消防法の規制が緩和されたことで、それまでは国家資格である危険物取扱者乙4類所持者のみに許されていたガソリンの給油作業が、一定の条件を満たすことで一般のドライバーにも許されることになった。
こうして誕生したのが、今や一般的となっているセルフサービス式のガソリンスタンドだ。
セルフ式ガソリンスタンドの大きなメリットのひとつが、給油などに必要なスタッフの人件費を抑えられることで、ガソリン自体の価格を安く設定できること。
地域やそれぞれのスタンドによって事情は異なるものの、一般的なフルサービスのガソリンスタンドと比較して、セルフ式の方が1リッターあたり2~5円程度は価格が安いといわれている。
ガソリンスタンドの数は、人口の減少や燃費の向上、EVの普及などもあり、1994年のピークに減り続けているものの、セルフ式ガソリンスタンドはその登場以来年々数を増してきており、2023年度末にはガソリンスタンド全体の40%近くまで迫る普及率を誇っているという。
これには価格の安さに加え、無駄なサービスがない点や24時間営業が多いといったセルフならではのメリットがドライバーに受け入れられている点が大きい。
いっぽうで慢性的な人手不足という背景もあり、今後もセルフ式のガソリンスタンドの割合は増えていくことが考えられる。
知っておきたいガソリンの危険性
誰もが気軽に給油できるようになったセルフ式のガソリンスタンドではあるが、ガソリン自体が消防法上の「危険物」であることには変わりはなく、その取り扱いには十分な注意が必要とされる。
そのガソリンの性質のひとつとしてまず知っておきたいのが、揮発性の高さだ。
マイナス40℃の気温であっても気化するガソリンは、常温下においても常に可燃性をガスを常に発生させている状態にあるため、ちょっとした火種があるだけで、爆発的な燃焼を起こす可能性がある。
これはタバコなどの火の気はもちろん、冬場に起こりがちな静電気や、金属同士がぶつかった時に発生する火花などでも引火し、火災の原因となりうるということだ。
また、その保管にも十分な注意が必要。気化して膨張したガソリンの圧力に耐えるだけの強度がある専用の容器を使用することが消防法で定められており、灯油用のポリタンクなどでの保管は禁止されている。
さらに、皮膚や眼にかかると炎症などを起こしたり、飲み込んだり気化したガソリンを吸い込んだりすれば科学性の肺炎や、中枢神経への悪影響も考えられる。
ちなみにセルフ式のスタンドでは、クルマのタンク以外への給油は認められておらず、ガソリン専用の携行缶など法律で定められた運搬容器であっても、ドライバー自身がガソリンを入れることはできない。
ガソリン携行缶などに入れての購入は、スタンドスタッフによる本人確認や、ガソリンの使用目的などの申告が必要とされている。
運転ミスによる事故も多いセルフ式ガソリンスタンド
価格の安さや利便性の高さが魅力のセルフ式ガソリンスタンドではあるが、いっぽうで運転ミスによるスタンド内での事故が多いというデータも。
東京消防庁が公開している令和5年に管内で発生したガソリンスタンド内での事故54件のうちの47件、実に80%以上がセルフ式のガソリンスタンドで発生しているというのだ。
これはフルサービスのガソリンスタンドでは行われている、スタッフによる給油機への誘導などがないことが原因のひとつと考えられる。
特に、セルフ式のガソリンスタンドに慣れていない初心者や運転が苦手というドライバーは、給油機との距離感がつかめず、混雑時などの焦りが加わって、給油機や周辺のものにクルマをぶつけてしまうケースが多いという。
またベテランドライバーでも、給油を急ぐあまり猛スピードでスタンド内に進入して止まり切れず、給油機や他のクルマに衝突するというケースも。
給油機への衝突はクルマの破損だけではなく、ガソリンが漏れ出し火災に至る可能性もありうる。
セルフ式に限った話ではないが、給油機をはじめとするさまざまな機器、その他のクルマや給油中の人などがいるガソリンスタンド内での急発進や急ハンドルはとても危険。
スタンド内ではいつでも止まれるよう徐行し、普段以上に注意深く運転するよう心がけたい。