パンクしてないのに「空気が抜ける」のはなぜ? クルマのタイヤにはこまめな「空気圧管理」が必要なワケ
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WEB CARTOP より
タイヤの空気ってどのくらいの期間でどのくらい抜ける?
ガソリンスタンドやカー用品店、そして自動車メディア、さまざまな場所で常日頃から言われているのが「タイヤの空気圧チェック」だ。
耳にタコができているという人もいるかもしれないが、それくらい大事な日常点検項目のひとつだ。
その理由はシンプルに「タイヤからだんだん空気が抜ける」からなのだが、そもそもどれくらいの量が1カ月で抜けるのだろうか?
1カ月で5%程度が抜けてしまう
一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)の資料によると、タイヤの空気圧は1か月に5%程度自然低下するそうだ。
もちろん、走行状況や保管状況、タイヤサイズなどさまざまな要素によって異なるため、一概に「○○kPa減る」と具体的な数値で表すことは難しいが、入っていた空気圧の5%程度が減ると考えるのが妥当だろう。
なお、この5%程度という数値は、JATMAが高速道路で実施したタイヤ点検で、車両指定空気圧未満の車両の平均値から算出されている。
具体的な例で言うと、指定空気圧が240kPaの車両であれば、約12kPaほどが1カ月で抜けてしまうということになる。「10kPa程度なら大したことないではないか」と思う人もいるかもしれないが、モータースポーツの世界ではこの10kPaをセッティングの変更で使うことがあるので、決して小さな数字ではない。
また、タイヤの空気圧の低下は燃費性能やタイヤの消耗に悪影響を及ぼしてしまう。定期的な空気圧チェックは必須という訳だ。
パンクしていなくても空気が減る理由とは
タイヤの空気はどこから抜ける?
バルブでしっかりと閉じていているし、空気が入っている部分はビードとリムで密閉されているイメージのタイヤの空気だが、どのような部分から空気が抜けていくのだろうか?
じつはタイヤの空気はバルブから抜けていってしまう部分が大きいという。
また、劣化しやすい場所でもあるので、タイヤ交換の度にエアバルブの交換をオススメされるのはそのため。
なお、もっと厳密に言うと、タイヤの表面からもわずかに抜けていくのだ。
なので、定期的な空気圧チェックが必要というわけだ。また、タイヤの劣化を目で確認することも重要だ。
もっともポピュラーな劣化現象である「ひび割れ」は、放置しているとバーストなどの重大なアクシデントへとつながりやすい。
そのようなトラブルを事前に防ぐためにも、空気圧のほか、定期的にタイヤ本体のチェックも心がけたい。
窒素ガス
タイヤの空気圧の話になると、タイヤから抜けにくいということで窒素ガスをオススメされることがあるが、これはなぜだろうか。
窒素ガスは空気に比べて分子の動きが遅く、水分量が少ない。分子の動きが遅いと各所から抜けにくくなり、水分量が少ないと温度の影響を受けにくく温度によって体積が変わって内圧が変化する量が少なくなる。
このような理由から窒素ガスが勧められるのだ。
なお、窒素ガスを使用した場合は空気に比べて抜けていく速度が3分の1~2分の1程度となる。
しかし、抜けていくことに変わりないので、たとえ窒素ガスを入れていても、定期的な内圧チェックは必要という訳だ。
タイヤは駆動力、制動力、操舵力、あらゆる力を伝える重要なパーツだ。定期的にチェックして安全なドライブに繋げよう。