ドライバーなら寒い日の常識に! 「猫バンバン」は「叩けばいい」というものではない!!
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ベストカーWeb より
朝晩冷えるようになってきたこの季節、クルマに関して気を付けてほしいことといえば、エンジンルームへの猫の入り込みです。JAFによると、今年2023年1月1日~1月31日の1か月間で、ドライバーから「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」との要請があった件数が19件あったとのこと。このうち7件は、エンジン始動後に気づいたものだったそう。
猫が入り込んだ状態でエンジンを始動させてしまうと、ベルトに巻き込まれて猫に危害がおよぶほか、ベルトが切れたりとエンジンルーム内が悲惨なことに。エンジンルームに入り込んだ猫に外に出てもらうため、ボンネットを軽くたたく、いわゆる「猫バンバン」が知られていますが、JAFによると、叩いて出てくるかは「個猫差」があるので、万能ではないそう。猫バンバン以外の対処法をいくつかご紹介しましょう。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:写真AC_403f
写真:Adobe Stock、写真AC
寒い日のほか、雨の日も多い猫の入り込み
クルマのエンジンルームは、警戒心の強い野良猫にとって、狭く入り組んでいて外敵から身を隠しやすく、安心して過ごす事が出来てしまう場所。冒頭で触れたように、寒い日に暖を取りに来ることもありますが、JAFによると、雨の日も猫の入り込みは多いといいます。猫は濡れることを嫌うため、風雨をしのげる場所として、エンジンルームは適しているようす。猫以外にも、蛇や鳥、ヤモリ、ネズミなども、エンジンルームに入り込むことがあるようです。
エンジンルーム内は、サスペンションやエンジン、ステアリングラック、トランスミッションなど、車のパーツが隙間なく詰め込まれているように見えますが、エンジンの熱を逃がすため、わざと隙間が設けられています。猫たちは、このわずかな隙間に入り込んでしまうのです。
ちなみに、大人の猫には狭すぎて入るのが難しいため、エンジンフード内に入ってしまう猫の9割は子猫のようです。
鳴き声が聞こえたら、ボンネットを開けて確認を
猫や小動物の侵入に気づいたら、まずはボンネットを開け、エンジンルーム内を確認します。
このとき、猫が確認でき、手を伸ばして救出できるようならいいのですが、姿が見えない、もしくは手が届かずに救出が難しいという場合は、エンジンルーム内のパーツをコツコツと叩いてみたり、車体を軽く揺すってみるなどして、猫が自ら脱出してくれるように促します。
「他の猫の鳴き声を聞かせる」というのも有効なようです。ポイントは「驚かせないこと」。
あまりに強く「バンバン」をしてしまうと、怖がって奥に入り込んでしまう可能性があるため、あくまでも猫に「知らせる」イメージで、やさしく発するのがコツです。
逃げ道をつくってあげよう
他にも、ドアを強めに閉めることや、エンジンをかける前に「ワイパーを回す」というのも有効だそう。
ワイパーのモーター音に驚いて、クルマ下から脱出してくれることもあるとのこと。
ポイントは「逃げ道をつくってあげる」こと。エンジンルームの上側から音や衝撃を伝えて、猫が入り込んできたであろう下方向へ逃がしてあげるようにしてください。
どうしても出てくれないようであれば、JAFに救援要請をするのも手です。
野良猫をよくみかける地域では「予防」も有効
ただ、野良猫をよくみかける地域であれば、猫が入り込まないような予防も必要。
猫は気に入った場所には何度も戻ってくる習性があるため、いちど「お気に入り」認定されてしまうと、ちょっと困ったことにも。「猫バンバン」には、猫に「居心地が悪く、嫌な場所」と認識してもらう効果もあるため、駐車場や近所で猫をよく見かける、という方は、ぜひクルマに乗り込む前のルーティーンとして取り入れてください。
また、近年注目されている猫の侵入対策が、猫には聞き取れて、人間には聞き取ることのできない周波数の音を発することで、猫に居心地の悪さを感じてもらう超音波発生器。
ただ機種によっては、耳がいい人には聞こえてしまうこともあるようなので、注意が必要。
少し値段が高め(10,000円程度)の機種であれば、高い周波数帯の音を発生させることができるようです。
ほかにも、猫が嫌いな木酢液やコーヒーの出がらしなどをクルマの周りにまいておく、という方法もありますが、匂いで対策する場合は、一時期来なくなっても、その匂いがなくなるとまたやってくる、いうことがあるようです。
猫にとっても人にとっても防ぎたい!!
先日、SNSで、エンジンルームに入り込んだ猫が、ボンネットの内側に貼られていた断熱材で爪とぎをしてしまい、断熱材がボロボロになってしまった、という投稿をみかけました。エンジンルームへの猫の入り込みは、猫にとっても人にとっても防ぎたいもの。
猫が入り込みやすい季節は、クルマに乗り込む前に、トイレのドアをノックするように、「トントン(誰かいますか?)」と、問いかけてから、エンジンを始動させましょう。