トンネル天井に付いてる「謎の巨大扇風機」何のため? 涼しそうだけど…使い方違う? 正体はいかに
口コミを書く
口コミを見る
くるまのニュース より
なぜトンネルの天井に扇風機が付いているの?
高速道路のトンネル内を走行していると、天井に巨大な扇風機のような機械が設置されていることがあります。
よく見かけるこの「謎の巨大扇風機」ですが、一体どのような装置なのでしょうか。
クルマで高速道路を走行中、ときどきトンネルの天井に巨大扇風機のような装置が取り付けられているのを見かけます。
この装置に関してはSNS上でも「トンネルの中にあるでっかい扇風機みたいなのって何か意味あるのかな?」「設置されている場所もバラバラだよね・・・」などの声のほか、「トンネルの中で窓開けてみたら音がすごかった」といった感想が寄せられています。
では、この巨大扇風機は一体何のために設置されているのでしょうか。
実はこの装置の正式名称は「ジェットファン」といいます。
ジェット(jet)は「ノズルやパイプなどから、連続的に噴出する液体や気体の流れ」という意味で、ファン(fan)は「うちわ・扇子・扇風機・送風機」などを指す言葉であるため、空気を外に流すような装置であることが予想できます。
ジェットファンが設置されている理由や役割、機能などについて、NEXCO西日本の広報担当者は、次のように話しています。
「ジェットファンは、トンネル内においてクルマの排ガスなどの汚染された空気や火災時の排煙をトンネル外に排出するといった役割を担っています。
また、ジェットファンは最大で風速35m/秒の風を発生させる性能を持っています」
気象庁が公表している資料によると、風速35m/秒は特急電車の速さに例えられ、走行中のトラックが横転するレベルの猛烈な風です。
SNS上で「ジェットファンから大きな音がする」と言われていましたが、風速から考えると無理もないことかもしれません。
ジェットファンはクルマの排出ガスや火災の際に発生する一酸化炭素など、人体に有害な物質を強力な風によって換気してドライバーの命を守る大切な設備といえるでしょう。
さらに、ジェットファンには排ガスによって視界が悪くなることを防ぐ効果もあります。
ただし担当者の話によると、近年ではクルマ自体の排気性能が向上しているため、排ガスによるジェットファンの設置は減少傾向にあるようです。
ジェットファンはどんな場所に設置されている? 必ずしも在るワケではなかった!
また、トンネルにはジェットファンが設置されている場所とそうでない場所がありますが、この違いについて担当者は以下のように話しています。
「ジェットファンはトンネル延長や交通量などを勘案して必要な箇所に設置されています。
トンネル内においては概ね約100m間隔で必要台数を設置しています」
トンネルだからといって必ずしも換気設備があるわけではなく、一方通行のトンネルではクルマの流れが入口から出口へと一方向で自然に換気されるために、あえてジェットファンのような設備を取り付けていないケースもあります。
そのほかジェットファンの点検や清掃に関して、前出の担当者は以下のように説明しています。
「点検は基本的に1年に1回実施しており、ジェットファンの清掃や運転状況、構造・配線に問題がないか確認を行っております。
また、点検の際はお客さまの安全確保のため車線規制を実施させていただいております」
点検にともなう車線の規制予定については高速道路の情報板やウェブに公開されるため、通行する前に確認しておくと良いでしょう。
※ ※ ※
トンネルに設置されている巨大扇風機ことジェットファンは、トンネル内の有害な物質を換気する大切な役割を担っています。
道路上のあらゆる設備には、ジェットファンのように意外と知られていない効果があるのかもしれません。