トラックは走るべからず!? 複数車線の一般道にある「環境レーン」って何?
口コミを書く
口コミを見る
WEB CARTOP より
大型トラックには中央寄りの車線の走行が求められる
3車線ある高速道路では、大型トラックは一番左の第1通行帯を走行することが義務づけられている(追い越し時以外も交通量が多いと第2、第3通行帯を走行する大型トラックも見かけるが)が、一般道でも大型トラックの通行を規制しているところはある。
そのひとつが環境レーンと呼ばれるものだ。これは、2車線以上ある国道や幹線道路のうちもっとも歩道側となる第一通行帯に設定される。
大型トラックはここを走らず、右側の第2、第3通行帯を走行するよう通行規制が敷かれているのだ。
ただし罰則はないので、左折時以外にも大型トラックが通行しても咎められるようなことはない。あくまでも地域のために協力してもらうという趣旨だ。これはクルマの排気ガスに含まれるNOxによる大気汚染が深刻な川崎市などが導入している。
すでに自動車NOx・PM法によって、厳しい排出基準をクリアしたクリーンディーゼルしか走行できないなど、規制対象外の地域からの流入を防いでもいるが、交通量が多い地域ではなかなか大気汚染が改善されない状況が続いているのだ。
そのため、せめて大型トラックなどは歩道から遠い車線を走行させる通行規制が、環境レーンなのである。
排気ガスの封じ込め効果などに期待できる
1車線遠く(車道の内側)を走る程度で何が変わるのか、と思う読者もおられるだろう。
発生源が遠くなるだけなら大した効果は見込めないが、これにはふたつの効果が見込める可能性がある。
まずひとつは、第1通行帯を走るクルマの走行風による排気ガスの封じ込め効果だ。対向車線も同じく環境レーンが設けられていれば、大型トラックの排気ガスは道路の中央に堰き止められるようになり、拡散する度合いが弱まることが期待できる。
もうひとつは、歩道側を乗用車などが走ることで、トラックの排気ガスを乗用車のエンジンが吸い込み、浄化してくれる効果だ。前述の堰き止め効果で大型トラック自身が排気ガスを再び吸い込んで燃焼させれば、NOxの排出もより抑えられることにつながる。
大気汚染の度合いを測定する拠点はさまざまな環境下に設けられている。とくに大気汚染が深刻なのは交通量の多いところで、各都道府県では自動車排出ガス測定局を設置して、常時大気の汚染状況を測定しているのだ。
都内でも住宅が多い幹線道路では、大型トラックは第2通行帯を通行するよう規制されているエリアもある。
これはトラックレーンと呼ばれるもので、排気ガスよりも夜間の騒音や振動の軽減を1番の目的にしている。
昔に比べてディーゼルエンジンの大型トラックの比率が増えたこともあって、こうした対策が必要なのだろう。
さらに東京都では土曜日の夜、環状7号線より内側は大型貨物等は通行禁止となっている。
これも騒音や振動などを緩和して住民が過ごしやすい環境にするための規制だ。