トヨタ車はなぜ5回? 他は3回なのに!! ワンタッチウインカーの思わぬ落とし穴とは?
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ベストカーWeb より

いまや軽自動車にも広まったワンタッチウインカー。レバーを軽く操作するだけでウインカーが点滅して便利なのだが、実は大半のクルマが3回でトヨタ車だけ5回点滅することをご存知だろうか。いったいなんで?
文:ベストカー編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=Björn Wylezich@Adobestock)、トヨタ自動車
ワンタッチウインカーに慎重だったトヨタ
ワンタッチウインカー、筆者の記憶では欧州車が起源のように思うのだが、導入されると日本でも便利だという声が多く、ほどなく国産車にも採用が波及した。
とはいえそのとらえ方はメーカーによってまちまちで、トヨタは最後まで導入に慎重だった。トヨタ車としてワンタッチウインカーを初採用したのは2020年に登場した4代目ヤリス。しかも点滅回数にこだわり、他のメーカーが3回のところ、5回点滅としたのである。
いったいなぜか。道交法にも記されている通り、ウインカーは「交差点を右左折するときは30m手前から」「進路変更を行う場合はその3秒前から」作動させなければならない。トヨタは後者の「3秒前ルール」に着目、「3回点滅では3秒に足らない」ことに配慮したものと思われる。
もともとは「ウインカーの消し忘れ」に対応するものだった!?
とはいえここでややこしい問題が起きる。ウインカーは右左折や車線変更が終了するまで作動させなければならないから、厳密な運用では5回点滅でも足りないことになる。
もっと点滅回数を増やせばいいじゃないかと思うかもしれないが、それはそれで困る。ワンタッチウインカーは途中キャンセルができないので、たとえば右左折が連続するような場合に危険を招く恐れがあるのだ。
そもそもワンタッチウインカーは、日本の交通ルールが及ばない欧州で、車線変更時などのウインカーの消し忘れを防止するために誕生したといわれる。このため日本に導入されている現状は、使用者が運用を判断するグレーゾーン的存在と言わざるを得ない。
実際、ワンタッチウインカーを煩わしく思うユーザーも相当数いるようで、メーカーや車種によってはこの機能をオフにできるケースもある。いずれにしろ現時点では、ワンタッチウインカーが厳密には道交法に合致しない存在であることを頭に入れて運転すべきだろう。