タイヤはなぜ黒いのか? 赤や白のカラフルなタイヤがあってもいいんじゃないの?
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ベストカーWeb より

マウンテンバイクやバイクのタイヤは白や青などカラータイヤが販売されている。でもクルマはなかなか見かけない。サイドの部分が白いホワイトリボンタイやホワイトレタータイヤはあるものの、なぜカラータイヤは普及しないのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、ブリヂストン、トビラ写真BF GOODRICH スコーチャーT/A
タイヤの黒は実は大きな意味があった!!
そもそもタイヤはなぜ黒い色をしているのか? タイヤに使われるゴムには、カーボンブラックと呼ばれる黒い炭素の粒が含まれている。そのカーボンブラックは、黒色の着色材として印刷トナー、マスカラなどにも使われおり、カーボンブラックを混ぜることで”黒い”ゴムができる。
ではなぜタイヤのゴムにはカーボンブラックが必要なのか? 実はカーボンブラックを加えることでゴムの強度を高めることができるからなのだ。
茶色をしている輪ゴムなどのゴム製品は、加流と呼ばれる、生ゴムに硫黄を混ぜて加熱することで強度を高めている。自動車の場合はクルマの重さを支えたり、エンジンの力を路面に伝える役割を担うタイヤに使われるゴムには非常に大きな力がかかるため、加硫だけでは十分な強度を得ることができない。
ゴムにカーボンブラックを加えることで、ゴムの強度が飛躍的に向上し、タイヤとしての性能を発揮できるようにしているというわけだ。タイヤが黒いのは、実はタイヤにとって非常に大きな意味があったのだ。
しかし、自転車やバイクなどでは、白や赤、緑、青といったカラフルなタイヤも販売されている。では自動車用タイヤは黒以外なぜあまり見かけないのか? 実は2001年ミシュランがBF GOODRICHブランドのトレッド面を一部カラー化したカラータイヤ、スコーチャーT/Aをリリースしたことがあった。
このカラータイヤはカーボンブラックを使用せずにシリカなどほかの補強材を配合することで黄色や青、赤といったカラーのタイヤを実現している。
その後、ブリヂストンが2013年に発売したタイヤのサイドウォールに塗料を使用したエコピアEP001Sカラーサイドを発売。しかしその後はほとんど登場していない。
最近のタイヤはカーボンブラックに代わる補強材としてシリカが使われるようになり、カーボンブラックの使用量が減っている。とはいえ、100%シリカ配合とうたっているタイヤもわざわざ黒くするために実は数%はカーボンブラックを配合しているのだった。
また海外ではバーンナウトしてタイヤの煙をパープルやグリーンにするための接地面が着色されたタイヤも販売されている。
結論。技術的にはカラータイヤを生産することは可能だが、カラータイヤが普及しないのは、タイヤ=黒いというのが常識化し、我々消費者がカラータイヤがあまり求めていないというのが最適解になるだろう。消しゴムは黒ではなく白が求められているように……。