セルフスタンドでの「追い給油」「ゆっくり給油」は絶対NG! 想像以上に火災も起こっている!!
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WEB CARTOP より
ガソリンスタンドでは年間に何件も車両火災が発生している
クルマに乗る以上は必ず燃料の給油をしなくてはなりません。昭和なドライバーは「フルサービスのほうが安心」と思っている人もいるかもしれません。そういう私もフルサービスのほうがいいと思うひとりですが、街道沿いの様子を見ていると、セルフのスタンドが日に日に増えている印象があります。
セルフ式の営業が解禁された1998年から徐々に比率が増え始め、2022年の段階で全体に占めるセルフ店舗の比率は40%弱となっています。意外に少ないなと思いましたが、ユーザーの利用比率を見ると、セルフが90%に迫る数字になっているようなので、ほとんどの人がセルフのスタンドに集中しているということになります。
そういう状況ですから、いまやセルフのスタンドを利用したことがないという人はほぼいないでしょう。解禁当初は恐る恐るだったセルフの給油も、回数をこなすうちに慣れてきて、いまでは当たり前に利用しています。
そんなセルフ式のルールに「給油ノズルの自動停止が作動したあとの追い足しはNG」というルールがあるのを知っている人はどれくらいいるでしょうか?
この点は火災防止に重要なことなので、もし知らないという人はこれを機会に知識として頭に入れてください。
■なぜ追い足しがダメなのか?
給油時の心理として、面倒な給油の回数をなるべく少なくしたかったり、わざわざ最安値のところを探して訪れたことから、できるだけ多く給油しておきたいと思うのは自然なことかと思います。実際にほかの人の給油を見ていると、自動で止まったあとでもギリギリまで入れようと何度か「カチン、カチン……」と追い足しをおこなうシーンも見かけます。
フルサービスの給油で同じように何度か「カチン、カチン……」とやっているのを見ていた人は、なぜいけないの?」と思っても不思議ではありません。
しかし、実際にその追い足しが原因で引火の事故が起きているのです。そのため、いまはフルサービス店にも追い足しを行わないようにと通達がされているそうです。
これは、東京消防庁が発表しているちょっと古い2021年のデータですが、火災の事故報告が年間で33件あったそうです。この数字は火災事故の総数なので、給油ノズルの操作以外の原因による事故も含まれていますが、スタンドでの火災発生は大事件に発展する可能性があるので、もし自分が原因を作ってしまったら……と考えるとゾッとします。
話を戻し、なぜ追い足しがダメなのかという理由ですが、まずは溢れさせてしまう可能性があるという点です。
フルサービスでの給油は、危険物取り扱い免許をもつ責任者の監視のもとで経験者がおこなっており、給油システムについてや車両の燃料タンクの構造を知った上でおこなっています(例外はありますが……)。
一方で、セルフのスタンドで素人が給油する場合は、ほとんどの人が決められた操作どおりにおこなうだけだと思うので、給油機の構造や自動でストップする仕組みを知らないと思います。
実際に給油口の奥は見えていませんので、どの位置で止まっているのかは把握できていないでしょう。
ちょっと機械に詳しい人なら「安全マージンがあるから少し足すくらいは許容範囲」と考える人がいるかもしれませんが、給油機のストップ機構は「これ以上入れると溢れる危険性が増す」というレベルに設定されています。
万が一にも噴出させて引火事故になってしまった場合、居合わせたほかのお客さんやスタンドを巻き込む可能性があるので、「自己責任だから」とやり抜けることはできません。
自身の行いの責任を考え、ルールどおりに操作しましょう。
ちなみにクルマによってガソリンタンクと導入ホースの形状や構造は異なります。なかには規定量以上に入れてしまうと必要な空気の量が圧迫されて内部で逆流が起こり、給油口から漏れることもあり得ますので注意してください。
タンクからガソリンが溢れたら迷わずスタッフに相談
■量を絞って給油するのもNG
もうひとつ、給油するときの注意点があります。それは給油ノズルのレバーの握りを少なくして流量を少なくすることです。
給油量が想像できている場合などはその量が近付いてきた際に、無意識に流量を絞って勢いで吹きこぼれないようにしている人もいるのではないでしょうか。あるいは追い足しのときにじわっと入れたい心理から流量を絞っている場合もあるでしょう。
これも、給油時のNG項目になっています。
給油ノズルの先端に備えられたセンサーは、レバーを奥まで握った最大流量で100%の精度を発揮するようになっています。なので流量が少ないと、本来止めるべきポイントで作動させることができず、規定量以上に給油してしまい、危険を招く恐れが発生してしまうんです。
追い足し自体がNGなうえに、追い足しの際に流量を絞るとダブルで溢れさせる要因を増やしていることになるので、絶対に行わないようにしましょう。
■もし溢れさせてしまったら
気をつけていても、万が一溢れさせてしまうということはあり得ます。もしそうなった場合はどうすればいいでしょうか?
溢れさせてしまったときはボディへの悪影響が心配になってまず拭き取るケースが多いと思いますが、実際は規定以上に燃料が入った状態のガソリンタンク内部のほうに注意を向けてください。外だけ拭き取って、給油口の縁まで燃料が入った状態では、前述のように内部で行き場のなくなった圧力によって給油口から漏れたり吹き出したりする可能性があります。
走行中に吹き出したりすると引火の要因も増えますので危険性が高まります。他車や歩行者にガソリンが付着してしまうことも考えられます。
ベストな対処方法は、スタンドのスタッフを呼ぶことです。素人考えで「大丈夫だろう」と安易に判断せず、プロに対処方法を委ねましょう。