クルマ好きなら当然やって……ない! それどころか知らない人だらけの国交省推奨のクルマの日常点検15カ所
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WEB CARTOP より
運行前点検はクルマの使用者の義務だ
世界中の人から「壊れない」と厚い信頼を得ている日本車ですが、そうはいってもクルマは機械。使っていても使っていなくても、日々劣化していくのが当たり前のことですね。日本では車検という制度がありますが、そのときしか状態をチェックしないというのはNGです。車検は国が定期的に最小限のチェックをしているだけで、車検の有効期限までの安全性を保証するものではないのです。つまり、車検と日常点検は別モノ。日常点検と定期的な点検整備を実施することは、使用者の義務となっています。
走行中に故障したり、燃費が悪化したり、突然動かなくなってしまうといったトラブルが起こる前に、日頃から安全性を継続的に確保するように務めなければなりません。トラック、バスなど事業用車は「運行前点検」といって、運行する前に必ず行う義務がありますが、自家用車の場合は日常点検といって、使用頻度や走行距離などに応じて適切なタイミングで行うこととなっています。
では、実際に日常点検とはどのようなことをすればよいのでしょうか。国土交通省では、15項目のチェックを推奨しています。
まずは、ボンネットを開けてエンジンルームを5項目でチェック。
「ブレーキ液の量」「冷却水の量」「バッテリー液の量」「ウインドウウォッシャー液の量」は、タンク内の液量が上限ラインと下限ラインの間にあるかどうか。「エンジンオイルの量」は、オイルレベルゲージを抜き取り、付着しているオイルを拭き取ってから再びゲージを奥まで差し込み、抜き取ったときにレベルゲージの定量範囲内にあるかどうか。
次にクルマのまわりで4項目をチェックします。
「ランプ類の点灯・点滅」は、エンジンやスイッチを入れ、ヘッドライトやテールランプ、ウインカーなどがしっかり点灯するかどうか、レンズなどに汚れや損傷がないかどうかを見ます。自宅の車庫や駐車場でライト類のチェックをする際には、誰かに外から確認してもらうか、壁などに映るように点灯してみるといいでしょう。
もし難しい場合は、ショッピングモールの立体駐車場や地下駐車場など、暗い場所で周囲への反射で確認することもできます。
「タイヤの亀裂や損傷の有無」は、タイヤに異物が付着したりかみ込んだりしていないか、ひび割れなどの亀裂や損傷がないかどうかをチェック。
「タイヤの空気圧」は、そのクルマの適正空気圧(運転席ドアを開けたところや、給油口の裏、取扱説明書で確認)に合っているかどうか。接地部分のたわみがないかどうかを見ます。
「タイヤの溝の深さ」は、夏タイヤなら1.6mm以上の溝の深さがないと使用できません。スリップサインが1カ所でも出ていたら、危険なので交換しましょう。冬タイヤなら新品から50%に溝の深さが減り、プラットフォームが露出すると冬タイヤとしては使用できなくなります。
異常が見つかったときはプロの点検整備を
最後に、運転席に座って6項目をチェック。
「エンジンのかかり具合と異音」は、エンジンが速やかに始動しスムースに回転するかどうか。アイドリング状態でも異音がないかを確認します。
「ウインドウウォッシャー液の噴射状態」は、ウインドウウォッシャーのレバーを押し、ワイパーの作動範囲に噴射されるかどうかを確認。とくに寒い地域へ行った場合や急に気温が下がった朝などに、凍結してしまう可能性があるのでしっかり見ておきましょう。
「ワイパーの拭き取り能力」では、ワイパーを作動させてしっかり拭き取れるか、低速と高速の各動作をチェックしておきます。
「ブレーキの踏み残りしろと利き具合」では、ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んだときに、床とのすき間(踏み残りしろ)や踏み応えが正常であるかを確認します。
「駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)」では、駐車ブレーキをいっぱいに引いた(踏んだ)ときに緩んでいるような状態ではないかどうか、逆に引っ掛かるような感覚がないかどうかを確認します。
「エンジンの低速・加速状態」では、エンジンを暖機させた状態でアイドリング時の回転がスムースに続くかどうか、また徐々に加速したときに、アクセルペダルに引っかかりがないか、スムースに回転するか、近所を走行して確認します。
このほか、走行中に飛び石を受けてしまったらフロントガラスにひび割れなどがないかどうかを確認したり、豪雨に遭遇したときには水が思わぬところに侵入していないかどうかを確認したり、常に愛車の状態を気遣ってあげるようにしたいですね。
もし、いつもと違う異音や異臭、いつの間にかついた傷に気づいたときには、なるべく早くプロに点検整備をお願いするようにしましょう。