クルマの窓際についてるバイザーってなんのためについているの? サイドバイザーの意外な役割!
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ベストカーWeb より
新車注文時に、当たり前のように勧められ、場合によっては必要だとも言っていないのに見積書に載ってくるフロアマットとサイドバイザー(ドアバイザー)。マットの必要性は分かるものの、最近のクルマだとサイドバイザーは必要としない人の方が多いように感じるのだが、その装着率は下がらない。喫煙者は減少し、エアコンも整っているのに、サイドバイザー装着が減らないどころか、最近また人気のオプションになっているというではないか。一体なぜなんだ?
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真= sora_nus@Adobe Stock)、トヨタ、TRD
喫煙率とサイドバイザー装着率に相関関係なし

サイドバイザーをナゼ装着するのか。実用性として考えたときに出る一つの答えは、「雨の日に窓を少しだけ開けられるから」であろう。昭和から平成初期にかけては、新幹線だろうが飛行機の中だろうが、どこでもタバコを吸えた時代。
当然、クルマの中でも喫煙することが当たり前であり、今のように水蒸気式のタバコなんてないから、喫煙する際には雨であろうが雪であろうが、クルマの窓を開けて換気する必要があったのだ。
加えて、カーエアコンの質もそれほど良くなかったし、中にはエアコンが無いクルマというものも存在していた。つまり、年中クルマの窓を開けて換気や温度調整をする必要があっため、クルマとサイドバイザーは切っても切れない関係にあったのだ。
喫煙率は下がってもサイドバイザー装着率は変わってない!?

しかしながら、最近はどうだろう。愛煙家の肩身は狭くなり、男性喫煙率は平成元年に5割を超えていたのに、令和元年には3割を切っている。タバコとクルマも関係性が薄くなっているから、車内でタバコをプカプカなんてことも少なくなっているだろう。
さらにほとんどのクルマがエアコン搭載となり、軽自動車でもフルオートエアコンが当たり前になった昨今。換気のために雨の日に窓を開けるという必要性は少なくなっていると思うのだが、サイドバイザーの装着率は、ディーラー営業マンの体感で7割~8割と大きく減ってはいないのだ。
なぜこれほどまでにサイドバイザーを装着する人が、令和の今も多いのだろうか。
タバコ以外の換気の必要性

新車ディーラーの営業マンに聞くと、ユーザーが強い意志を持ってサイドバイザー装着を願い出るようになったのは、ここ最近のことだという。それまでは、営業マンがおススメするか、基本オプションの中に入れておいて、そのまま注文というケースが多かったが、最近は「サイドバイザーを付けてください」と言ってくるユーザーが増えているらしい。
サイドバイザーを装着したい大きな理由は換気だ。察しのいい方はココで分かったと思うが、サイドバイザー装着の申し出は、コロナ禍以降増えているという。
社会全体で「換気」を促すようになり、家やオフィスはもちろん、クルマの中も例外ではない。感染対策という名目で、空調がしっかりと効いていても、窓を開けて換気をしたいというユーザーは一定数いるというのだ。
社会情勢からか、最近では路線バスの窓にもバイザーが取り付けられているのを目にするようになった。通勤で使うバスの窓を見て、愛車にもバイザーを付けなければと思い、納車された後にサイドバイザー取り付けだけを依頼されることもあるという。
さすがにGRのものは機能性高め

ちなみにトヨタのスポーツパーツを取り扱うGR PARTSでは、カローラクロスやノアヴォク、アルヴェル、ヤリスやプリウスなどに対応した、GRスポーツサイドバイザーというものを取り扱っている。
一般的なバイザーよりも換気機能を高め、空気を車両後方へスムーズへ整流する機能を持たせたこのバイザーは走行安定性やステアリング応答性なども高めるパーツだ。通常よりも機能的なGRパーツのサイドバイザーは、少々お高めの値段設定なのだが、かなり人気が高い。
サイドバイザーを付ける意味合いは、時代によって変わってきている。しかし変わらず人気である裏には、日本人の真面目な性格とパーツメーカーのたゆまぬ努力があるのかもしれない。


































