ガラスのコーティングって……結局いつするのが正解なの?
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ベストカーWeb より

この前サクラが咲いたと思ったら、梅雨の足音がもうそこまで。ジメジメで鬱陶しいあの季節がやってくる。雨の多い時期は、クルマの運転に注意したいところだ。雨の日のドライブは、見えない・曲がらない・止まらないと、ナイナイだらけの危険な状態。そこで、雨の日の運転リスクを下げる、梅雨入り前にやっておきたい対策を紹介していこう。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=Creative Reflections)
「見えない」はコーティングで対応すべし
雨は運転中の視界を大きく遮るものとなる。雨自体で前が見えないということは少ないのだが、フロントウィンドウに水分が付着すると、対策を講じていないガラスは水や油膜でギラつき、視界が大きく奪われてしまうのだ。危険の認知が遅くなることもしばしばであろう。
雨の時期に向けてやっておきたいのは、視界確保のための油膜取りと雨を弾くための撥水コートだ。ボディはワックスやコーティングで雨を弾くようにしている人は多いと思うのだが、フロント3面(フロントウィンドウとフロントドアガラス2枚)の撥水コートをしている人は、それほど多くない。
ガラスコートは、施工前と施工後では雨の日の視界のクリア加減が雲泥の差なので、是非とも梅雨前に施工をおススメする。
塗り込むタイプ、スプレー式、ワイパー作動で自然に撥水など、様々なタイプの撥水コート剤があるが、筆者のおススメとしては、晴天時に綺麗にしたガラスへ施工する「塗り込むタイプ」のものだ。
雨天時施工で応急的に撥水させる手軽なモノもあり、そちらの方が手軽だが、晴天時に塗り込むタイプとは撥水の度合いが大きく違う。しっかりと雨がフロントガラスの上で水の玉になるような、撥水コート剤を使ってほしい。
ちなみにガラスコートは、雨だけではなく雪の季節にも重宝する。フロントガラスの凍りつきを予防し、雪や氷を剥がしやすくしてくれるのだ。
だが、どんなに効果が持続するものでも、半年経過すると撥水効果は落ちてくるもの。筆者のおススメは、5月と11月の年2回、クルマのガラスの大掃除と思って、油膜取りから撥水剤の塗布までを定例行事として行うこと。これで雨でも凍てつく寒さでも、すっきりとした視界で運転に臨むことができるぞ。
止まらない・曲がらないにはタイヤの点検
雨の日はどうしたって制動距離が長くなるし、タイヤと路面のグリップ力が下がるからクルマも曲がりにくくなってしまう。雪が降る前にはスタッドレスタイヤへの交換をする人は結構多いと思うが、雨の多い時期の前はどうだろう。夏タイヤの点検や購入の際の選定基準はどこに置いているだろうか。
「夏タイヤなんてどれも同じだろう」、「安いヤツで十分」などと思うなかれ。クルマはタイヤと路面が接するハガキ1枚分の面積×4で支えられ、その面積でのグリップ力で進み、曲がり、止まるのだ。
タイヤの性能は、クルマの性能に直結すると考えていい。安かろう悪かろうでは、高性能なクルマも泣いてしまうぞ。
タイヤには「低燃費タイヤ等ラベリング制度」というものがあり、転がり抵抗とウェットグリップ性能が等級分けされている。雨の日の走りに直結するウェットグリップ性能は、a~dの4段階に分かれ、最高等級がaだ。
タイヤを選ぶ際には、ラベリングにあるウェットグリップ性能をチェックしよう。aのモノを選んでおけば、雨対策はOKだ。
スタッドレスタイヤ選びと同様に、夏タイヤは雨用タイヤと位置づけ、性能へのこだわりと、残り溝のチェックは欠かさないようにしておこう。
困った! 曇った! どうしよう!
最後に、梅雨時期に悩まされるのが内窓の曇りだと思う。これもひと手間加えることで、曇りの悩みはゼロになるのだ。
湿度の高くなる梅雨時期は、車内外の温度差で、フロントガラスが曇りやすくなる。直接的に曇り止めを塗るのも良いのだが、独特のギラギラが気になるという人も多いはず(筆者も気になる人)。そこで、特別なケミカルを使わずに、ガラスが曇りにくくなる方法をお伝えしていこう。
それは、手軽で超簡単な作業の「ガラスを綺麗に拭く」だけだ。窓ガラスが曇る原因の最たるものは「汚れ」だから、汚れの付着が無い状態だと圧倒的にガラスは曇りにくくなる。
施工はいたって簡単。マイクロファイバークロスと消毒用アルコールスプレーを用意して、内窓へアルコールを吹きかけて、マイクロファイバークロスで綺麗にふき取ろう。アルコールは揮発性が高く、水拭きの時のような拭きスジが残らない。
指紋でべたべたの窓ガラスも、アルコール拭きですっきりと綺麗に仕上がる。さらにエアコンフィルターの交換を行っておくとベスト。適切なエアコンの効きは、除湿にも効果的だし、運転中の集中力アップにもつながる。
雨のドライブでも「見える化」を進めていき、安心して運転できるクルマで、梅雨、そして夏を迎えようではないか。