カーメンテ代が7万円近くお得になる!? 損しないメンテナンスパックがあるってマジ?
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ベストカーWeb より

2024年末ごろから、トヨタディーラーが乗用車に対するトヨタ推奨の6か月点検(プロケア10など)をメンテナンスパック対象点検から外す動きを見せている。廃止の理由は車両品質とオイル性能の向上としているのだが、これまで年2回(半年ごと)の点検をキッチリ受けてきたユーザーにとっては、少し不安の残るサービス終了だ。メンテパックプロケア10終了に伴い、メンテナンスパックの整備内容も改定されてきている。新しくなったメンテナンスパックには加入したほうが良いのか否か。変わりつつあるカーメンテ事情を考えていこう。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=Eakrin)
クルマのメンテナンスサイクルが大きく変わる
プロケア10は、ユーザーの日常点検整備を6か月ごとにプロの技術でサポートするという、トヨタオリジナルのサービスだ。この点検では、油脂類・液類、ブレーキ、ベルト類、タイヤ、ワイパー、エンジン、バッテリー、シートベルト、ライト、下回りの10項目を点検する。
これがメンテナンスパックの中では半年点検として組み込まれていて、同時にエンジンオイルを交換するのが通例であった。
点検の所要時間は30分~40分ほど。洗車を含めて正味1時間程度で終わる点検だ。この点検が、昨今のメンテナンスパックから消えている。クルマの点検は、基本的に1年ごとに法定12か月点検を受ければ十分というのが、トヨタの判断らしい。
新車購入以降の点検サイクルは次のようになる。購入後1ヶ月で新車1ヶ月無料点検、半年で新車6ヶ月無料点検を行い、丸1年を迎えたところで法定12か月点検を行うのだ。その後は1年刻みで法定12か月点検と車検を繰り返していく。
メンテナンスパックに組み込まれている消耗部品の交換も、法定12か月点検時に行うこととなる。その内容は、エンジンオイル・オイルフィルター交換、ワイパーゴム交換、エアコンフィルター交換だ。
なお、年間1万km以上の走行距離になるユーザーは、法定点検から6か月後の有料点検(プロケア10)をおススメすると、メンテナンスプランへ記載する販売店も出てきた。これまではディーラーのメンテナンスパックにお任せしておけば問題なかったクルマの点検だが、これからはユーザー自身での判断が必要になってきそうだ。
車検付きメンテナンスパックの優位性は変わらず?
さて、改定されたメンテナンスパックだが、加入の是非に関しては、従来型のモノよりも加入して損は無いという結論付けを、まずしておきたい。
これまでの半年刻みのメンテナンスパックは、走行距離が短いユーザーにとって整備過多のような状態になっていた。前段でトヨタもある程度認めている通り、クルマの性能やオイル性能が上がり、走行距離の伸びないユーザーにとっては、年1回の点検と消耗品の交換で、十分なメンテナンスと言えるのだ。
つまり新しいメンテナンスパックは、本当に必要な法定12か月点検と消耗部品の交換、並びに車検と消耗部品の交換がパック化され、都度点検と部品交換を行うよりもお得になっている。
例えば車検を受ける際に加入できる、当年の車検と次年の12か月点検をセットにしたものは、都度払いよりも約3万円お得になり、新車用の2回の法定点検と初回車検までをセットにしたものは4万円近くも安い計算だ(※パック料金はディーラー毎に設定されるため、実際に加入する店舗パック料金によって、お得になる金額が上下する)。
新車を買って向こう5年間は乗り続ける(もしくは5年ローンを組んだ)という場合には、5年契約(車検2回・法定点検3回)のメンテナンスパックに加入してしまうのが、最も効率がいい。
この5年プランは、7万円近くも都度点検より安くなる驚愕のパック料金だった。新車購入時に加入すれば、メンテナンスパック費用まで含めて、ローンを組むことも可能だ。
制度改定によって、より使いやすくなったメンテナンスパック。今後は、ユーザーがしっかりと日常点検を行い、人と同じように年一回の健康診断をクルマに受けさせるという流れが、一般化していくだろう。