みんなきちんと受けてるか? 罰則はないけどある意味車検よりも重要な「クルマの法定点検」とは
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WEB CARTOP より
車検はクルマが完調であることを保証するわけじゃない
車検切れは、道路運送車両法によって6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる。一方、法定点検(定期点検)は、同じく道路運送車両法によってクルマを使う人の義務とされているが、罰則規定はない。ならば、なぜ法定点検をしなければならないのか?
車検は、正式には自動車検査登録制度といって、クルマが保安基準に適合し、安全や環境対策を満たしているかを確認する制度だ。したがって、基準を満たしていればよく、その後に何か不具合が起きても、それを保証する制度ではない。
一方、法定点検は、定期的にクルマの状態を点検し、保安基準を維持し続けるためのものだ。つまり、現在の状態が適正であるかどうかだけでなく、この先使い続ける間、適切な性能を保持できるかを調べ、部品交換や整備をするための仕組みだ。
そのため、クルマを運転する当事者はもちろん、同乗する人の安全や安心と、さらには交通社会のなかでの周囲のほかの人々の安全や環境を守ることを目的としている。罰則のある車検を継続して行わなければならないのはもちろんだが、より重要なのは法定点検といえる。
同時にまた、日ごろからライトが不足なく点灯するか、ブレーキは適正に利くかといった点検をすることが求められている。タイヤの溝や空気圧の確認も、安全を維持するために不可欠な内容のひとつだ。かつて、その日にクルマを使う前に機能を点検する、始業点検が不可欠とされた。
いまでは死語といえるかもしれないが、クルマを含めどのような製品も、基本的には使えば使うほど消耗していく。消耗が、性能の不足につながらないよう扱うことが大切なのだが、コンピュータが普及した今日、そうした消耗や性能劣化を感じにくくなっている。
コンピュータが消耗や劣化を検知し、それでも新品のときと変わらぬ作動や稼動をできるよう自動調整してしまえるからだ。しかし、製品の劣化は、使ったり時間が経ったりすれば必ず起きている。
部品の耐久性も高まり、交換すべき間隔も長くなって、性能劣化を実感しにくい現代だ。しかし、クルマは日々消耗し、劣化の道を歩んでいることを忘れてはならない。自分で点検できるならまだしも、機械のことはよくわからないということであれば、法定点検はある程度の費用がかかっても実施するのが義務でもあるし、罰則はなくても、自分の身を守るうえでも大切なことなのだ。