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なぜ通行出来ない? 意外と知らない「冬用タイヤ規制」 現場で条件違い混乱も? 実は通れるタイヤとは
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くるまのニュース より

冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制をクリア出来るタイヤとは?


 降雪地帯へのドライブにおいて、マストの備えとなるのが冬用タイヤの装着です。

 大雪ともなると、各高速道路では冬用タイヤ規制がおこなわれることが頻繁にあります。
 
 こうしたケースにおいて、スタッドレスタイヤは問題なく通れますが、ほかのタイプの雪対応タイヤではどうなのでしょうか。

 かつてはオフロード4WDの標準タイヤとして多く採用され、今もSUVに標準で装着されていることが多い「マッド&スノータイヤ」。

 サイドウォールに、M+SやM/Sなどと表記されているタイヤのことです。

 SNOWとだけ書かれた、いわゆるスノータイヤの部類に入るタイヤです。



 最近流行しているオールシーズンタイヤと混同しがちですが、それとは一線を画すものです。

 舗装路、ダート系の未舗装路に加えて、雪道性能を併せ持ったオールテレーンなタイヤです。

 かつては、冬用タイヤ規制が実施された場合でも、このM+S表記があるタイヤを装着していれば、通行が可能で道路交通法上も問題がありませんでした。

 しかし、昨今では必ずしもそうではない場合もあるのです。

 愛知県でジムニーに乗っているAさんは、こんな経験をしたのだと語ります。

「ウチのジムニーは、M+S表記のマッドタイヤを履いています。

 これまでスノボーに行くために高速道路で出かけたとき、タイヤ規制になっても通行できないことは一度もありませんでした。

 ですが、2021年に一度だけ検問で止められて、スノーフレーク表記がないので通行できないっていわれたのです。

 現場で通せ、通さないの口論になりました」

 冬用タイヤ規制の通行基準は、実は一般ドライバーには分かりづらいものになっています。



 冬用タイヤ規制には2種類あります。

 ひとつは、地元警察が気象条件を鑑みて実施し、それに管理している高速道路会社が従うというもの。

 もうひとつは、管理会社が降雪時の安全性を鑑みて、ドライバーへの協力要請という形式で実施されるものです。

 前者の場合は、あくまでも警察が規制を実施するものであるため、通行できるタイヤの基準も警察の判断に委ねるというのが、道路管理会社であるNEXCO東日本の言い分。

 マッド&スノータイヤが通行OKなのか、否かも「警察に問い合わせて欲しい」といいます。

 ちなみに、新潟県交通警察隊湯沢分駐所に確認してみたところ次のように回答しています。

「マッド&スノータイヤは雪道性能を有していると判断するので、規制時の通行は法律的に違反しないと考える。

 ただし、スタッドレスタイヤよりも雪道性能は低いため、通行には注意を促したい」

 NEXCO3社が共同で出しているリーフレットには、「M+S表記が付いているタイヤでも、積雪量によっては通行できないことがあります」という注釈があります。

NEXCOでも場所によって見解が違う? 具体例公示するNEXCO西日本の内容は?


 一方、NEXCO西日本が自主的に実施する冬用タイヤ規制については、厳密な基準を告知しています。

 2018年12月から、高知県自動車道の一部で施行されている冬用タイヤ規制では、マッド&スノータイヤでもスノーフレークマークが付いていないものは通行不可。

またトンネル区間が多い規制のため、タイヤチェーン装着車も通行不可という特殊な条件も含まれています。

 NEXCO東日本が通行できるタイヤの条件判断を警察に委ねる一方で、なぜ細かく告知しているのでしょうか。

 管理を担当しているNEXCO西日本・高知高速道路事務所の担当者は、次のように語ります。

「この区間の冬用タイヤ規制はまだ正式に法制化されておらず、あくまでも私どもが協力をお願いするという形でやらせていただいております。

 ですので、ドライバーの皆さんが分かりやすいように『こういうタイヤであればOKです』ということを告知させていただきました。

 今後、この区間の規制が法整備された場合は、また変わるかもしれません」

 最近のタイヤ市場では、オールシーズンタイヤがちょっとした流行りとなっており、頻繁に降雪地帯に行かないならコレで十分というユーザーも少なくありません。

 しかし、オールシーズンタイヤにもスノーフレークマークが付いているものと付いていないものがあります。

 当然、付いていないタイヤは冬用タイヤとして認められていません。



 そもそもスノーフレークマークとは、ASTM(米国試験材料協会)が定めた規格で、厳しい寒冷地でも十分な性能を発揮することを認めた証しとして、タイヤに付けられるものです。

 スタッドレスタイヤほどではないにせよ、冬用タイヤとして十分な性能を持っていることを示す業界の基準となります。

 これまでのM+S表記はメーカーの自主基準によるものだったため、スノーフレークマークはその1歩上をいく公的判断になりました。

 最近では、オールシーズンタイヤやSUV用マッド&スノータイヤにこのマークが付いているモデルも増加しつつあり、今後はこのマークが冬用タイヤ規制の判断基準になっていく可能性が大きいのではないでしょうか。

 しかし、現状での現場判断はダブルスタンダード。

 とりあえず、M+S表記のみのタイヤの場合は、別にタイヤチェーンなど滑り止め装置の準備もしていったほうが良さそうです。


引用元:https://kuruma-news.jp/post/592603


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