できれば愛犬同伴の真夏のドライブは避ける! どうしても出かけるなら守りたい7カ条をクルマとワンコのプロが解説!!
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WEB CARTOP より
愛犬と真夏のドライブで気をつけるべきこと
2024年の夏はもう間近だ。夏休みのドライブ計画を立てている人、ファミリーも多いはずだが、愛犬連れとなるとより周到な計画、準備が不可欠。というのも、犬は1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できない、暑さや湿気に弱い動物だけに、暑さ対策、命にかかわる熱中症対策に万全を期したいところ。
モータージャーナリストであると同時にドッグライフプロデューサーでもある筆者は、1年中、歴代の愛犬とドライブ旅行に出かけ、また仕事としても愛犬とあちこち訪れている。そんな経験から、わが家流のドライブ術をお話したい。
まず、大前提として、愛犬とのドライブ旅行に相応しいのは、気候が安定し、暑さのない春、秋、冬だと考えている。よって、わが家では、7~9月のドライブ旅行はもちろん、愛犬との仕事も控えるようにしているのだ(どうしても愛犬連れで仕事に出かけなくてはいけないこともあるにはあるが)。
というのも、以前、7月に富士五湖のひとつ、避暑地としても有名な都心からほど近いリゾート地、山中湖にラブラドールレトリバーのマリアとジャックラッセルのララを連れ、”わんこと行くクルマ旅”という2泊3日のロケに出かけたときのこと。なんと連日、薄曇りでも35度越えの猛暑。大型犬のマリアは体調を崩してしまったのである。短鼻種、高齢犬はとくに注意が必要だ。
地元の人に聞けば、山中湖の夏が涼しかったのは過去の話で、気候変動もあって、いまの夏の暑さは覚悟が必要……とのことだった。これは、日本有数の避暑地、リゾート地、ドッグフレンドリーリゾートでもある標高1000mの軽井沢でも変わらないのである。よって愛犬にはクール素材のドッグウェアを着用させている。
とはいえ夏休み、家族が楽しみにしているドライブ旅行、帰郷などで、やむなく愛犬を連れてドライブせざるを得ないこともあるだろう。そこで、わが家も夏の愛犬連れドライブで守るべき7カ条を制定している。
その1
帰郷を除き、目的地が自由に選べるようなら、やはり比較的暑さをしのげる高地、避暑地を目的地にするべきだ。ちなみにビーチリゾートは避けたほうがよい。もちろん、日中の浜辺に愛犬を連れだすなどもってのほか。夏の直射日光がそそぐ浜辺の地表温度は60度を超えることもあり、ビーチサンダルなどを履ける我々はいいとして、靴を履かない犬にとっては地獄の行軍となる。肉球のやけどは必至だろう。夏のビーチリゾートで愛犬を浜辺に連れ出していいのは、砂浜の温度が熱くなっていない早朝、夕方以降と心がけたい。
筆者の知り合いは千葉県の九十九里浜に愛犬連れ専用の海の家を昨年からオープンしているのだが、館内は冷房と屋内ドッグラン、VIPテラスを完備。愛犬を日中、海の家から外に出さない条件であれば、連れて行ってあげる価値はあるのだが、これは例外中の例外といっていい。
その2
夏の愛犬連れドライブ旅行の鉄則は、目的地の到着時間に制限がないのなら、なるべく涼しい時間帯、つまり早朝や夜に出発することだ。ドライブ途中、高速道路のSA・PAに寄って、愛犬をフレッシュさせ、ドッグランで遊ばせるとしても、太陽が低い位置にある間の立ち寄りが望ましい。
アスファルト舗装の温度も高温になることから、駐車場所は緑地やドッグランに近い場所を選び、もしすでに路面温度が上昇している場合(飼い主が手や素足で確認)、中小型犬なら抱っこ、またはペットカートに乗せて緑地やドッグランに連れて行ってあげたい。大型犬なら、繰り返しになるが、緑地やドッグランに近い場所にクルマを止め、アスファルトの上を歩く距離をなるべく短くしてあげることが望ましい。
もちろん、海辺の駐車場にクルマを止め、海を眺めるようなシーンでも、中小型犬ならペットカートに乗せたままのほうが安心である。
犬はとにかく暑さに弱い!
その3
とはいえ、目的地となる愛犬同伴型リゾートホテルなどのチェックイン時間は午後3時が一般的。早朝、出発するとなれば、午前中には目的地付近に着いてしまうはず。そこでドライブ計画のひとつとして、ランチタイムに冷房の効いた屋内に入れるドッグカフェ、レストラン、食事処をチェックし、できれば予約しておくと安心だ。そしてアスファルト舗装ではない、日陰の多い観光地でもまわっていれば、愛犬の暑さ対策になる。
たとえば、軽井沢では、愛犬同伴で店内に入れる焼き肉屋「黒柳」や、プリンス通りのDOG DEPT GARDEN軽井沢店(カフェと物販)もあるし、軽井沢に行ったら誰もがまず立ち寄るプリンスショッピングプラザでは、わが家もよく利用するDOG DEPTプリンスショッピングプラザ店があり、店内でショッピング、カフェ&ランチタイムを楽しむことができるし、ブランド店でも店舗によっては、抱っこまたはカートに乗せていれば、冷房の効いた店内に”暑さしのぎを兼ねて(!?)”入ることも可能なのである。
その4
夏、人間もハンディ扇風機などのクールアイテムを利用しているはずだが、わが家では夏、ペットカートに愛犬のジャックラッセルのララを乗せる際、コット(犬が乗るところ)の底に、防蚊効果もある、冷蔵庫で冷やすことなく、クールな状態が持続するDOG DEPTのクールマットを敷き、さらに、外歩き用のクール素材のドッグウエア、首に巻くクールバンダナ(中に保冷剤を入れておける)も欠かさない。
その5
モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある筆者は、愛犬とドライブするのに相応しいクルマをドッグフレンドリーカーと呼んでいるが、その要件のひとつとして、愛犬の特等席となる後席用のエアコン吹き出し口がある。犬は基本的に暑がりで、快適温度は22度前後といわれているからだ。理想は3ゾーンフルオートエアコンで、前席の乗員が寒がりでエアコンの設定温度を下げたくない場合でも、後席だけより涼しくしてあげることが可能になるからである。
また、ボルボの一部車種では、センターコンソール後端のエアコン吹き出し口に加え、Bピラーにもエアコン吹き出し口が装備されているし、間もなく発売される新型ホンダ・フリードは、このクラス初の後席エアコン吹き出し口を完備しているから、文句なしのドッグフレンドリーカーとなりうるはずだ。
とはいえ、たとえば軽自動車に後席エアコン吹き出し口は、プチバンと呼べるスーパーハイト系でも望めない。が、スズキ・スペーシアや日産ルークス、三菱デリカミニなどには、後席にエアコンの冷風を送ることができる天井サーキュレーターを完備しているから、後席を含めた車内の空調環境は犬にとってもより快適になるはずだ。
つまり、1年中、快適に愛犬とドライブを楽しみたいなら、後席エアコン吹き出し口またはサーキュレーター完備のクルマを選ぶとよい。
その6
夏の愛犬連れドライブ旅行でじつは大活躍してくれる装備が、愛犬の特等席である後席部分のウインドウにあるロールサンシェード。ミニバン、スーパーハイト系軽自動車などについていることもあるが、なくても心配無用。市販のマグネット式遮光カーテンを用意すればいいのである。これを愛犬が乗っている後席左右のウインドウに貼り付けておけば、直射日光を和らげ、車内温度の上昇を緩和してくれる効果がある。
その7
夏の暑さのなかのドライブでは、人間(飼い主)も喉が渇く。エアコンが効いて除湿された車内ならなおさら喉が渇くため、水分補給を欠かさないはずだが、それは犬にとっても同じ。いつでも車内外で水分補給できるように、愛犬用の携帯用ペット水筒、車内に置いておける水がこぼれにくいペット用水飲みボウルの用意は欠かせない。
このほかにも夏の愛犬連れドライブ旅行での注意点について言いたいことは山ほどあるが、以上が基本的な7項目である。
繰り返しになるが、犬は暑さに弱く、暑さによって熱中症になりやすく、熱中症によって命を落とすこともあるだけに、暑さ対策万全で、夏のドライブ旅行を楽しんでいただきたい。できれば、わが家のように、愛犬との真夏の日中のお出かけは避けるべきではあるのだが……。