そこから先を知りたいのに……エンプティランプ点灯すると走行可能距離が非表示になるの何で!?
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ベストカーWeb より
2000年代ころからトリップメーターやオドメーターがデジタル表示となり、ごまかすなんてコトは難しくなっている。そしてこの頃から燃費系や航続可能距離の表示もできるようになり、長距離ドライブなどの際はかなり重宝するシロモノである。
でもいざエンプティランプが点灯すると、多くのクルマの場合航続可能距離も非常時となってしまうモデルがほとんどである。ユーザー的にはランプ点灯後に走れる距離こそ知りたいハズなのに、一体なぜなのか!? もっとも早く給油すればいいだけの話なのだが。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWEB編集部
今や当たり前の航続可能距離表示! じつは直前の走り方で距離が変わる!?
アナログメーター全盛の時代には考えられなかったことではあるが、近年のクルマは比較的安価な軽自動車であってもメーターの一部に液晶パネルが使用されている。
そこにオドメーターやトリップ、平均燃費などの車両情報が表示されるインフォメーションディスプレイが備わっていることも珍しくない。
そこにはさまざまな情報が表示されるようになっているのだが、意外と重宝するのが「航続可能距離」ではないだろうか?
これは現状残っている燃料であとどのくらいの距離を走ることができるのかを示すもので、長距離ドライブなどに行く場合は「まだ給油しなくてもたどり着けるな」とか「ちょっとヤバそうだから給油してから出発するか」といった判断の基準としても使うことができる。
ただここで表示される航続可能距離は、直近のその車両の走り方によって左右されるので、直前まで渋滞でノロノロ運転をしていた場合と高速道路をスムーズに走行していた場合では同じ燃料の残量でも航続可能距離の表示に差が出てしまうので注意が必要となることは把握しておきたいところ。
そんな航続可能距離ではあるが、実は燃料の残量が残りわずかになってくると表示が「—km」のように、数字を示さなくなってしまう車種がほとんどなのである。
ドキっとするエンプティランプ!! 最大で残約100キロ時に点灯する!?
航続可能距離とは別に、燃料タンクの残り燃料がわずかになるとオレンジ色に点灯してそのことを伝えてくれる「燃料残量警告灯」。
これは航続可能距離の表示とは別に、純粋に燃料の残量が一定数以下になると点灯するものだ。
点灯タイミングは車種によって異なっており、一般的に燃費の悪い車種では早め、良い車種では遅めに点灯するようになっている。
例を挙げると3Lツインターボエンジンを搭載する現行型の日産スカイラインの場合は約11L以下、一方経済性に優れる軽自動車の現行型スズキ アルトでは約4L以下で点灯するとされている。
これをカタログ燃費と照らし合わせると、スカイラインが10.0km/Lなのでおよそ110km、アルトが27.7km/Lなのでこちらもおよそ110kmの走行が可能ということになるワケだ。
これはあくまでカタログ上の燃費性能で算出した数値となるが、多くの車両で燃料残量警告灯が点灯してから50~100kmほどの走行が可能というのが定説となっている。
最後まで航続可能距離を表示されないのはわざと!! 安全のためだった
それであれば、航続可能距離の表示も最後まで表示し続けてくれればいいのに……と思ってしまうが、
そもそも燃料の残量はタンク内の液面の位置をフロートで検出して表示していることがほとんどであり、路面の傾きや走行中の振動などによって検出される位置にズレが生じてしまう。
そのため燃料残量警告灯が点灯したばかりのタイミングでは、走行中に点いたり消えたりを繰り返すのもこれが理由となっている。
また言うまでもなく1L当たりで走行できる距離は走らせ方や道路状況などの環境によってもブレが生じてしまうため、燃料の残りが少ない状態であと何km走ることができるのかを正確に算出するのはほぼ不可能と言えるのだ。
そのため、ギリギリの状態まで航続可能距離を表示することが難しいというだけでなく、航続可能距離の表示を信じて走行したものの、その先に上り勾配が続き予想よりも距離を伸ばすことができずにガス欠してしまった……というような不幸な事故を防ぐためのメーカー側の回避術という側面もあるのである。
なお、多くのクルマでは航続可能距離の表示をかなり余裕を持った数値にしていることが多いため、航続可能距離の表示が非表示になってからもある程度の距離は走行できるとされている。
ただ、走り慣れた道ならまだしも、見知らぬ土地などではナビなどに表示されているガソリンスタンドが廃業していたり、夜間の営業をしていないというケースも珍しくない。
そのため、できることなら警告灯が点灯するまえに余裕を持って給油をしておきたいところ。
特に高速道路上でガス欠によって停止してしまうと大きな危険が生じるだけでなく、道路交通法違反ともなってしまうので十分気を付けていただきたい。
引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/522739