ありがちなうっかり失敗を未然に防げ! 今のうちにやっておきたい3つの冬対策とは
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ベストカーWeb より
真冬の時期は人にとってもクルマにとっても寒くて過ごしづらい時期。こうした寒い時期を乗り越えるための、鉄板の3つの冬対策を解説していこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
■寒い冬、すぐに車内を暖めるには
寒い冬の朝、なかなか暖房の暖かい風が出てこない……。まずはクルマ初心者のために、早く車内を暖める方法から解説していこう。
ハイブリッドを含むエンジン車の場合、冷えた朝にエンジンをかけても、温風が出てこないのはなぜか? そう、エンジンが暖まらないと温風は出てこないからだ。
とはいえ、エンジン始動時からエンジン回転を高めにして早くエンジンが暖まるようにするのはクルマを痛めることにつながる。
寒冷地の人は、外出前にリモコンスターターなどでエンジンを始動させて暖房が効いてから出発する人が多いが、エンジンが暖まるまでの燃料を消費するので、それも頭に入れておきたい。
ではどうすればいいか? なるべく早く暖房を効かせるためには、エアコンのスイッチをオフにすることだ。エアコンにオフにすることで空気を冷やす行程は省かれるから温風の温度は上がりやすい。しかし、窓は曇りやすいので、曇り始めたらすぐにエアコンを入れて視界を確保することが重要。
ではエンジンの始動後、どのタイミングで暖房のスイッチを入れるといいのだろうか? 気温が低く、エンジンがまだ暖まっていない始動直後の水温警告灯を見ると、ブルーやグリーンに点灯している。走り出して5~10分程度経過すると、水温警告灯の表示が消えたら、暖房のスイッチをオンにする。
暖まるまでの時間がどうしても待てないという人は、シートに内蔵された電熱線に電気を通すことで発熱するシートヒーターを選ぶか(オプション設定)、シガーソケットから電源を撮るタイプの車載用小型ファンヒーターを購入するのも手だ。
ちなみに暖房をつけると燃費が悪くなるのではと思っている人が多いかもしれないが、コンプレッサーを回してエンジンに負荷をかける冷房と違い、暖房はエンジンが発する暖まった熱を利用するので、燃費への影響はほとんど受けない。
■フロントガラスの凍結を防ぐには
師走に入り、フロントガラスが凍結して、毎朝悩まされている人が多いのではないだろうか。フロントガラスの凍結はガラス表面に付着していた水蒸気が放射冷却などによって、気温5℃以下、表面が0℃以下になると霜がおりる。
天気予報などで翌日に5℃以下になり、フロントガラスが凍結しそうだと判断すれば、まずは「凍結防止カバー(Amazonで2000円前後)」を取り付けることがおススメ。
またガラコのような撥水コーティングを事前に施工しておけば、水蒸気が付着しようとしても水玉状になり、フロントウインドウに凍りつくことが少なくなる。
ありがちなのが、早く取り除きたいからと慌てて熱湯をかけるのは絶対やってはいけない。急激な温度変化でガラスの一部分のみが膨張し、ヒビが入ったり、最悪、割れてしまうことがあるからだ。
熱湯ではなく、水やぬるま湯だったら大丈夫じゃないかと思う人もいるかもしれないが、気温が低ければ凍結することもあるのでおススメできない。
寒冷地に住む知り合いは、ビニール袋のお湯を入れて。フロントガラスをなでるようにして解凍している。
また、ついついやってしまいがちのが、ワイパーを動かして拭き取ること。無理に動かすとワイパーブレードやゴムが変形するばかりか、ガラスを傷つける可能性があるので、その役目はスノースクレーパーで行いたい。
手っ取り早く解氷するには200~300円の解氷スプレーを使用するのが効果的だが、そこまでお金をかけたくないというなら、水1、アルコール1の割合でブレンドした液剤を作れば代替えできる。ただし、解氷スプレーはアルコール系なので、撥水コーティング剤を塗っていた場合、とれてしまうので注意が必要。
鉄板といえるのが、エンジンを始動して、フロントウインドウの曇り止め機能となるデフロスターでも解氷する方法。デフロスタースイッチを入れる際はエアコンもオンにする。デフロスターの暖気だけをフロントウインドウに当てると温度差で割れてしまうこともあるからだ。
かかる時間は解氷スプレーで1分ほど、デフロスターをオンにして内気循環で最高温度に設定すると約10分ほどもかかってしまう。
そして、フロントウインドウ表面の氷の層が薄くなってきたら、ワイパーを作動させると早く取り除くことができる。
■バッテリー上がりは冬に頻繁に起こる
寒い冬、バッテリー上がりが起きれば、JAFのロードサービスを呼んだとしても1~2時間待たされるケースもありえる。
もしもの時に備えてジャンプスターターを備えておくのもいいが、そうならないようにせめてバッテリーが今健康的な状態なのかチェックしておきたい。
バッテリーが2~3年交換していない場合は危険度が増すのを頭に入れていたほうがいい。バッテリー上がりの予兆としては、ライトが暗くなった、パワーウインドウの動きが鈍くなった、エンジンがかかりにくい、アイドリングストップが作動しなくなったという症状が出てくる。
おススメはバッテリー性能や蓄電容量が著しく低下する現象、サルフューションを解消させるパルス充電機能を持つバッテリー充電器で定期的に充電することでバッテリーの寿命を延ばすことができる。
大自工業メルテック社の全自動パルス充電器(「SCP-1200」は約6000円前後~)は、充電の電流に微細な周波数を与えることで、サルフェーションを解消させるもので、スイッチで選択すると1時間のパルス充電の後に通常の充電を行う。ただし、サルフェーションがかなり進行してからパルス充電を行なっても、効き目は限定的だそうだ。
新車でも数ヶ月に1度しか乗らずに停めっ放しのクルマは、バッテリーの劣化が早いが、パルス充電を行なうことで寿命を伸ばすことができるそうだ。
実際、5年間で2、3回バッテリー上がりを起こしてしまったような乗り方でも、パルス充電を行なうことで交換することなく使い続けられるケースも少なくないという。
1、2週間に1度は、充分に走行してバッテリーを充電してやれば、バッテリーの寿命は5年以上使用できるという。
■意外に見落としがちなウインドウォッシャー液とクーラント
意外に見落としがちなのはクーラント液とウオッシャー液の凍結対策。クーラント液が万一凍ってしまうと、始動時に冷却水が循環しなくなってオーバーヒートを起こすこともあるし、最悪の場合シリンダーブロックが破壊されてエンジンが使いものにならなくなる可能性がある。
クーラント液の点検は、エンジンが冷えている状態で、液面がリザーバータンク側面にある上限ラインから下限ラインの間にあればOK。
クーラント液は一般的に30%~50%の濃度で使用され、凍結温度は50%時で約-36度といわれている。なんのこっちゃと思った人は、無理をせずディーラーや整備工場に持ち込んで交換することをおススメしたい。