「60B24L」って見ただけで拒否反応起こしそう! と思いきやカーバッテリーの規格はもの凄く簡単だった
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WEB CARTOP より
謎の数字とアルファベットにはそれぞれ意味がある
自動車に搭載されているバッテリー。その表面には「60B24L」「S42B20R」「Q-85R」といった一見謎めいた記号が記されている。じつはこれらの記号には、そのバッテリーの重要な特性が詰まっているのである。知っているとバッテリー交換時に役立つ知識なので、今回は各記号の意味を詳しく解説しよう。
<通常車(充電制御車)の型式の読み方を理解しよう>
バッテリーの型式は、たとえば「60B24L」という形で表記される。この記号はJIS規格で定められており、順番に「容量」「用途」「サイズ」「端子位置」を示している。
「60」は、バッテリーの総合性能(始動性能・容量)を示す数値である。この数値が大きいほど、より多くの電気を蓄えることができ、性能が高いといえる。この数値は始動性能(CCA:Cold Cranking Ampere)と蓄電容量(Ah)の総合性能として定められている。
「B」はバッテリーの短側面のサイズと高さを表し、「B」は一般的な自動車用バッテリーであることを示している。
「24」はバッテリーのだいたいの長さ(長側面)寸法(cm)だ。数字が大きくなるほど、バッテリーの物理的な大きさも大きくなる。一般的な乗用車では「20」「24」「26」などが使用される。
最後の「L」は端子の位置を示している。これは車両への取り付け時の向きに関係する重要な情報だ。バッテリーの短側面をプラス端子を手前にして置いて見たとき、プラス端子が幅面の中心より右にあれば「R」となり、左にあれば「L」となる。
<ハイブリッド車用バッテリーは「S」が目印>
ハイブリッド車は一般的にガソリンエンジンと電気モーターを備えている。これらは走行状況に応じて、電気モーターを使用したり、ガソリンエンジンを使用したりする。このタイプには、クルマを走らせるための駆動用バッテリーと、ヘッドライトやエアコンなど電装品を動かすための補機バッテリーのふたつが搭載されており、定期的にバッテリー交換が必要なのは補機バッテリーだ。
その補機バッテリーの形式は、前記の通常車と基本的には同じなのだが、「S42B20R」のように、アタマに「S」が表記されており、これは標準的なハイブリッド車用バッテリーであることを示している。通常はトランクルームや車両後方などの車室のなかに設置されていることが多く、そのため構造として密閉(Sealed)になっており、補水の必要がない制御弁式だ。
始動性能や製造年月日にも注目すべし
<アイドリングストップ車用バッテリーは?>
アイドリングストップ車はエンジンの始動・停止の繰り返しによってバッテリーの電力を大きく消費するため、バッテリーに高い負荷がかかる。そのため、通常車のバッテリーとサイズ(外形寸法)や端子の位置が同じであっても、アイドリングストップ車用のバッテリーは高機能で価格も高い。
型式表示も通常車とは異なり、一般的に例えば「Q-85R」といったもので、「Q」は大きさの区分を表し、J、K、M、N、P、Q、S、T、U、V、W、Xの12種類がある。次の「85」はJIS規格と同様の性能ランクを表している。最後のRは端子の位置で、考え方はJIS規格と同じだが、Lタイプの場合は「Q-85」のようにLの表記を省略する。
<バッテリー選びで注意したい追加情報>
始動性能(CCA)は、低温時の始動性能を示す数値だが、この値が高いほど、寒冷地での始動性が優れている。
また、製造年月日を示す記号も重要である。バッテリーは製造後、時間の経過とともに性能が低下していくため、なるべく新しいものを選ぶことが望ましい。製造年月日は、多くの場合、バッテリー本体に刻印やシールで表示されている。
バッテリー交換の際は、サイズや端子位置が異なるものだと取り付けできない場合があるので、必ず車両に適合した型式を選択しよう。しかし、同じ大きさで高性能なもの(左端の数値の大きなもの)に交換することで、エンジンの始動がスムースになるので、より高性能なものを選んでもよいだろう。
また、一般のガソリンエンジン車用のバッテリーは、アイドリングストップ車用と同じ大きさ・形なので装着できるが、性能が低いので避けるようにしよう。ただし、その逆は可能だ。とはいえ、オーバースペックとなり価格も高いので、これも避けるほうが賢明だ。いずれにしても誤ったバッテリーを使用すると、早期劣化や車両トラブルの原因となる可能性があるので十分注意して交換するようにしよう。