「黒いからダメ」「サラサラだから替え時」は間違い! クルマのエンジンオイルの寿命は見た目や手触りでは判別不能だった
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WEB CARTOP より
オイルの劣化は見た目だけではわからない
昭和の時代、DIYでオイル交換をする人はけっこういた。
費用的に安いだけでなく、メンテ意識が高かったこともあるし、今のように用品店ですぐに換えてくれることもなかったなど理由はいろいろ。
愛車の健康状態を把握しておくというのもあっただろう。
いずれにしても、オイル交換に対する意識は高くて、そこでよく行われていたのがオイル点検用のディップスティックを抜いて、先端に付いたオイルを指先でこすったり、色を見てみたりすること。
なにをしているかというと、オイルの汚れの確認や、交換時期なのかの判断。
「まだ大丈夫だなぁ」とか「真っ黒だからもう換え時だな」とやっていたわけだが、それで本当にわかっていたかというと、そんなことはなくて自己満足というか、単なるやった気になっているだけだった。
結局、オイルの劣化というのは指先や見た目ではわからないということに尽きる。
指先でこすることによって、サラサラしていれば粘度が低下していて劣化していると判断したり、色が黒いから汚れているというのが、指先に付けた程度でわかれば高性能分析機並みということになってしまう。
走行距離と時間で管理するのが一般的
オイルの色は透明のコップなどに入れて並べてみるとわかるが、製品によってまちまち。
ベースオイルや添加剤の種類によって、けっこう黒いものも多い。もちろん使っていると、燃焼室からのガスやススの吹き抜けによって汚れるし、配合されている添加剤の劣化でスラッジが発生することもあるので、黒くなってくるのは事実。
ただ、それに対してまだオイル自体に性能が残っているかどうかはやはり見た目ではわからない。
一方の粘度についても使っているうちに、粘度を出している添加剤が劣化するなどして落ちてくるが、見る際の温度によって違ってくるし、最近のオイルは超低粘度化が進んで新品でも水のようだ。
昔のオイルは高粘度が多かったので、粘度低下が指先でわからなくもなかったが、寿命かどうかまではわかるはずもない。
結局、やった気にはなって、クルマ好きにとっては儀式みたいなもの。
フェンダーを押して「ショックが抜けてきているな」などと言っているのと同じことだ。現在では、走行距離と時間で管理・交換するのが一般的で、見たり触ったりして判断する人はいないが、愛着というか関心という点ではボンネット開けて、スティック抜き、指先に付けてなにやら判断するのはなんだかいい時代だったという気もするのは事実だ。
なんの関心もないよりはいいのかもしれない。