「安全運転」だけじゃまったく足りない! 「クルマの状態」「周囲の環境」「運転者の状態」のすべてを整えないと危険だった
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道路には気を配るべき危険がいっぱい
クルマの安全の問題は、環境、愛車の状態、ドライバー、の3つの視点から考える必要がある。
環境でいえば、たとえば雨。全日本交通安全協会によれば、1時間あたりの事故件数は、雨の日は晴天時の約5倍になるという。
また、夜間は交通事故全体の4分の1の事故件数しかないが、死亡事故率で見ると、夜間は昼間の約3倍というデータがある。
そして、薄暮時間帯(日の入り時刻の前後1時間)もとくに事故が多い時間帯として知られている。
こうした「環境」には、他車との関係性も含まれる。
もっとも大事なのは適切な車間距離をキープすること。適切な車間距離は「秒速×2秒」が目安。40km/h(秒速約11.1m)なら22.2m、60km/hなら33.3m、100km/hなら55.6mといった具合だ。
これを基準に、前走車がバイクなら、もっと広めに車間距離をとっておく。
バイクは加速力は乗用車の2倍ぐらいだが、制動力は2分の1ぐらいしかないので、接近しすぎないことが肝要。
また、大型トラックと大型トラックの間に挟まれるポジションも避けたいところ。
大型トラックは運転席の着座位置が高いので、遠くには目が届きやすいが、近間の低い部分は死角になりやすい。
トラックとトラックの間に挟まれると、後ろのトラックから見落とされがちになるので、いわゆる「サンドイッチ走行」からは抜け出すようにしたい。
トラックに限らず、大型車両の後ろは視界が大幅に妨げられるし、相手がダンプなどだと小石などが飛んでくることもあるので、大型車の後ろはできるだけ走らないようにするか、車間距離をたっぷりとること。
高速道路では、できるだけ大型車との併走も避け、追い抜くときは、相手のクルマより10km/h以上速いペースで一気に抜き去るのがコツ。
とくに雨の日に大型車と併走すると、大量の水しぶきを浴びることにもなるので、大型車のそばにはいないようにしよう。
予防的な意味で愛車と自分のメンテナンスも忘れずに
愛車の状態でもやれることはたくさんある。まずはフロントガラスをきれいにしておくこと。
昔から「フロントガラスが汚いヤツに運転が上手いヤツはいない」といわれ、安全運転は前方の情報収集量で決まるといって過言ではない。
だから洗車はズボラでも、フロントガラスだけはいつもきれいにしておきたい。
同じ理屈で、ワイパーのゴムも劣化する前に早めに交換。年に1回、梅雨入り前にはゴム交換を。
また、視界が悪くなったらライトオンも習慣に。夜間は当然として、事故の多い薄暮時間帯の被視認性を高めるために、日没時刻の1時間前にはライトオン。
雨天・曇天の視界不良時は昼間でも点灯するのが有効だ。
オートライト機能付きのクルマなら、感度は一番敏感に(鈍化させるのは宝の持ち腐れ)。
タイヤもクルマの性能に見合ったものを選んで、4分山ぐらいになったら、あるいは2回以上車検を通したら新品に交換。
ドライバーについてはまず体調を整えること。寝不足、体調不良で運転するのは、もってのほか。道路交通法にも「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」(第66条)と明記されており、違反者は一発免停になる重罪(違反点数25点)。
「頭がクラクラするので、病院に」とクルマで出かけるのもNGだ。
また、視力が弱い人は、デスクワーク用とは別に、運転用に遠くまでよく見えるメガネを用意しておくのがベスト。
シートには奥深く腰掛け、背骨、頭部が真っ直ぐ立つように座り、ステアリングのどこを握ったときでも肘が伸びきらないようなポジションを取ること。
座面の高さが調整できるのなら、なるべく低く設定したほうが、目線が遠くになるのでおすすめ。
シートベルトは腰骨にしっかりかかるようにして、肩ベルトは襟の下をとおすと安心。
ミラーの位置も正しく調整し、動きやすい服装、ペダル操作のやりやすい靴を選ぶこと(サンダルなどは論外)。
あとは肩の力を抜いて、リラックスして運転するのが第一。
ベストなドライビングポジションは、身体のコンディションでも微妙に変わるので、横着せずに、クルマに乗る度に微調整する手間を惜しまないこと。
最後に極意を。それは頭ではなく、身体から発するアラートに耳を傾けること。「何かヘン」「何かいつもと違う」「嫌な予感がする」といったことを無視しないで、ルートを変えたり、休憩を入れたり、予定を見直したりすることが、大きな事故を避ける要諦だったりする。
科学的ではないかもしれないが、第六感は侮れないので、お忘れなく。