「前向き駐車」なぜコンビニで呼びかけ? 無視するとどうなる? 罰則・法的効力はある? バック駐車がダメな理由とは
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くるまのニュース より
コンビニの「前向き駐車」なぜ呼びかけ?従わなかったら罰則はある?
多くのコンビニの駐車場では、クルマの「前向き駐車」を呼びかけています。
前向き駐車は出庫時に事故のリスクが高まる駐車方法ですが、一体なぜ推奨されているのでしょうか。
店舗の駐車場にはたびたび独自のルールが設けられており、たとえば軽自動車専用の駐車スペースがあったり、出入口が指定されていたりします。
特にコンビニの駐車場においてはクルマの「前向き駐車」を推奨しているケースが多く、「前向き駐車でお願いします」などと書かれた看板が設置されています。
前向き駐車をした後はクルマをバックで出庫しなければいけませんが、バックでの出庫は前進する場合よりも視界が狭くなり、他のクルマや歩行者などとの接触事故が起きやすい傾向にあります。
そのため警察では、バックで駐車して前進で出られる「出船(でふね)駐車」をするよう呼びかけています。
このように一般的にはバック駐車が推奨される中、多くのコンビニの駐車場で前向き駐車をお願いしているのは一体なぜなのでしょうか。
その大きな理由として、「近隣住民に迷惑をかけないようにすること」が挙げられます。
コンビニは住宅地に隣接している場合も多く、バック駐車をすると排気ガスが住宅側に流れ込んだり、エンジン音が響いたりする可能性があります。
実際、コンビニの近くに居住している人からは「排気ガスのせいで窓が開けられない」「アイドリング音で眠れない」といった声も寄せられており、深刻な状況がうかがえました。
さらにコンビニの中には利用者に対し、「後ろ向きに駐車しますと排気ガスで植物が死にます」と強い言葉で注意喚起している店舗もあり、住宅地にある草花への影響も考慮されているといえるでしょう。
SNSでは賛否両論? エンジン掛けっぱなしだと…違反になる?
なお、この前向き駐車に関してはSNS上で「バック駐車をしてもすぐにエンジンを切れば問題ない」「前向き駐車はアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が増えそう」「前向き駐車よりもアイドリングストップを呼びかけた方が良いのでは」など、必ずしも前向き駐車は必要ではないという趣旨の意見が聞かれました。
その一方で、「食品を扱うお店に排気ガスが入るのは良くない」「コンビニの外の喫煙所にいるときにバック駐車されると排気ガスが来てイラッとする」など、店内外への悪影響を指摘する声も寄せられています。
それに加え、「駐車場は基本バック駐車する派だけど、駐車場オーナーから前向き駐車の指定があればそれに従う」といった意見も複数聞かれました。
実はコンビニがお願いする前向き駐車に法的拘束力はなく、これに従わなかったとしても罰則はありません。
しかし、店舗で定めるルールを無視していると店員から注意を受けたり、エンジン音などが原因で警察に通報されたりするケースもみられます。
無用なトラブルを防止するためにも、店舗のルールを守ることが大切です。
ちなみに、エンジンをかけたままクルマを離れることは道路交通法第71条第5号に次のように規定されており、厳密には交通違反に当たります。
「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」
これは傾斜のある場所などでクルマが勝手に動き出さないようエンジンの停止やブレーキ措置について定めたルールです。
とりわけオートマチック車はクリープ現象によってアクセルペダルを踏まなくても前進してしまうため、クルマを離れるときはエンジンを切り、セレクトレバーをP(パーキング)にした上でパーキングブレーキをしっかりと作動させましょう。
※ ※ ※
コンビニでは近隣住民に配慮して前向き駐車を呼びかけているケースがあります。
前向き駐車後に出庫する際はクルマのバックカメラだけを過信せず、後方に歩行者や他の車両がいないかを十分に確認しましょう。
また同乗者がいる場合は、誘導してもらうのも安全な出庫方法のひとつです。