「交換しときます?」と言われたら断るべき? 任せるべき? 消耗部品の見極め方
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ベストカーWeb より

クルマを点検や整備に出したとき、「○○、交換しときます?」と聞かれた経験はないでしょうか。突然そういわれると、つい「お願いします」と答えてしまいがちですが、本当に交換が必要なのかと疑ってしまうこと、ありますよね。
クルマの部品の中には、定期的に交換が必要な部品があり、それぞれに「交換の目安時期」や「そろそろ交換を考えるべきサイン」が存在します。代表的な消耗部品の交換タイミングの見極め方をわかりやすくご紹介しましょう。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_metamorworks/写真:Adobe Stock、写真AC
エンジンオイルはJAF推奨の目安を守っていれば大丈夫!!
定期的な交換が必要なクルマの装備品ときいて、真っ先に思い浮かべるのは、エンジンオイルでしょう。エンジンオイルの交換タイミングについては、かつては「5000kmごと」とされていましたが、現在JAFが推奨している交換の目安は、一般的なガソリン車では15,000kmまたは1年ごと。ガソリンターボ車や軽自動車(NA)で10,000kmまたは半年、軽自動車のターボ車は5000kmまたは半年です。
ハイブリッド車の場合はエンジンオイルが汚れにくいため、これよりも交換サイクルは長くなりますが、走行距離が多い場合、アップダウンのきつい山道を頻繁に走行する場合など、シビアコンディションで使用しているクルマの場合は、上記の半分のタイミングで交換するよう、JAFは推奨をしています。
エンジンオイルは、クルマの使い方によって汚れ方が変わってきますが、このJAFが推奨している交換目安には、クルマの使い方による違いも考慮されているため、この交換サイクルを守っていれば大丈夫。まだ交換タイミングがきていないのに「でも汚れていますよ」といわれたら、「見せてください」とお願いをしてみましょう。
オイルフィルター(エレメント)はオイル交換と同時にするのが正解
オイルフィルターは、エンジンオイルをろ過して汚れを取り除いてくれるもの。そのため、オイルがきれいになったタイミングでオイルフィルターも交換するのが一般的です。
メーカー純正のオイルフィルターの価格は約1,000円~2,000円ほどと、それほど高い部品ではありません。そのため、オイル交換のときに「フィルターも交換しておきますね」といわれたら、素直に「お願いします」と答えて大丈夫です。
ワイパーブレードはゴムとセットで交換!!
ワイパーのゴム部分を支えている「ワイパーブレード」。ワイパーゴム交換の際に「ブレードも一緒に交換したほうがいい」といわれたことないでしょうか。
「ワイパー」は、ワイパーアーム、ワイパーゴム、そしてワイパーブレードの3つのパーツで構成されており、ワイパーブレードは、ワイパーゴムがフロントガラスにしっかりと密着するようにゴムに圧力をかける役目をもつ部品。フロントガラスの曲率に合わせてしなやかに曲がる構造になっているため、たとえば雪が厚く積もったフロントガラスを無理にワイパーで払おうとすると、簡単に曲がってしまうことがあります。
ワイパーブレードが曲がってしまうと、ガラス面にきちんと密着できず、ワイパーを動かしても水滴を拭き取ることができなくなってしまいます。そのため、使用環境によっても異なりますが、一般的にワイパーブレードは「1年に1回、ワイパーゴムの交換の際に一緒に交換する」ことが推奨されています。そのため、整備工場などで「ブレードごと交換したほうがいい」と提案された場合は、ぜひ交換を依頼するようにしてください。
バッテリーは3年を目安に
クルマの補機用バッテリーは、一般的に2年から3年が交換サイクルといわれます。ただ、こちらも使用状況によって寿命は変わってきますので、場合によっては、3年を超えて使用していても、何ら問題の出ない場合も。しかしながら、バッテリー内部の劣化は徐々に進行していますので、やはり3年を超えたら交換をしておいたほうが安心です。
補機用バッテリーが劣化してくると、エンジンのかかりが悪くなったり、ヘッドライトの明るさが落ちる、パワーウインドウの開閉が遅くなるなどの現象が現れ始め、最悪の場合、エンジンがかからず、クルマが動かせなくなる、という事態に陥ります。このバッテリー上がりは、JAFのロードサービス出動理由の約4割を占める、陥りやすいクルマの故障です。
そのため、バッテリーを交換したほうがいい、といわれた場合は、前回の交換から3年を超えていたら交換を、まだ3年に達していなくても、前述したような電装品の現象に心当たりがあるようなら、交換をお願いするようにしましょう。
ブレーキオイルは2年に1度 ただブレーキに違和感あるようなら交換を!!
もうひとつ、代表的なクルマの消耗部品としては、ブレーキオイルがあります。ブレーキオイルはオイル経路の中に密封されているため、減ることは原則ありませんが、クルマの使用を続けていくと、リザーバータンク内の結露などが原因で、ブレーキオイルが空気中の水分を徐々に吸収(吸湿)。これによって、ブレーキの効きが悪くなったり、最悪の場合、オイルが沸騰して気泡が大量に発生する「ベーパーロック現象」を引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、ブレーキオイルも定期的な交換が必要なのですが、一般的な交換目安は2年に一度。そのため、車検のタイミングで交換することが多いです。
したがって、「ブレーキオイル交換したほうがいい」といわれても、2年に1度のタイミングではなく、ブレーキの利きが悪いとか、ブレーキペダルを踏んだときの感触が弱いなどの心当たりがなければ、一度様子をみてもいいかもしれません。
ただブレーキオイルは、ブレーキの利きを左右するという、消耗部品のなかでも重要な部品であるため、慎重な判断が必要。ブレーキオイルはまた、ブレーキ周辺の部品が劣化することでオイルが漏れてしまうこともあるため、ブレーキの利き具合のほか、タイヤ裏側付近に黄色や茶色、黒色などの液体が漏れていないかについても気にしておくようにしてください。
適切なタイミングで部品を交換し、お得にカーライフを楽しもう!!
「交換しときます?」といわれたとき、すぐにYESと言うのではなく、「なぜ必要なのか」「今すぐ交換しないとどうなるのか」を、理解するようにしておくと、次第にクルマに関する理解が深まっていくはず。当初は「聞いてもわからない」となるかもしれませんが、説明してもらうことで納得できることもあるはずです。愛車の状態を知り、適切なタイミングで部品を交換し、お得にカーライフを楽しみましょう。