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「ブラックアイスバーン」でズルルッ!…恐怖の瞬間の正解は? ABS/ESC時代の運転術
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ベストカーWeb より


 一見すると濡れた路面と区別がつかない「ブラックアイスバーン」。路面表面が凍っているため、雪道以上に滑りやすいにもかかわらず、見た目では判断しづらいため、油断しがち。冬の運転における最大の落とし穴といえるのではないでしょうか。

 ブラックアイスバーンのような氷盤路において滑ってしまった際、かつては「タイヤをロックさせないようブレーキを緩めよ」といわれていましたが、それはABSが存在しなかった時代の運転セオリー。現在のクルマは、踏み続けることでこそ制御が介入し、タイヤのグリップを引き出せる設計になっています。ABS/ESC時代における正しい考え方と注意点を改めて確認しましょう。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:写真AC_まんまるまるす/写真:Adobe Stock、写真AC

ブラックアイスバーンは「気づいたときには、もう遅い」路面

 見た目には濡れたアスファルトとほとんど区別がつかず、ドライバーが異変に気づいた瞬間には、すでにクルマが滑り始めているケースも少なくないブラックアイスバーン。ハンドルが急に軽くなったり、車体が進行方向とは別の向きに「スー…」と進むあの感覚は、冬道のなかでもとくに恐怖を覚える瞬間でしょう。

 「冬の路面は4WDが安心」というイメージをもっている人は少なくないと思いますが、ブラックアイスバーンのような凍結した路面では、FFやFR、4WDといった駆動方式の違いは、ほとんど意味を持ちません。タイヤが路面をまったく掴めていない状態では、駆動輪がどこにあるかに関係なく、クルマは制御を失ってしまうからです。

 ひと昔前は、「滑ったらブレーキを緩める」「ポンピングブレーキを使う」と教えられていました。強く踏み込むとタイヤがロックしてしまい、ハンドルもブレーキも効かなくなるケースが多かったからです。しかも当時のタイヤは、低温時のグリップ性能がいまほど高くなく、一度ロックすると回復しにくかったため、人が踏力を調整してロックを防ぐ必要がありました。

 しかしながら、現在はABSやESCが標準装備となったため、事情が少し違ってきています。むしろ「何とかしよう」と人が操作を加えるほど、グリップが回復するタイミングを逃してしまうことになりかねません。



滑った瞬間の正解は「全力ブレーキ」。ABSとESCに任せましょう

 ABSやESCが搭載されている現代のクルマを運転中に、ブラックアイスバーンで滑ってしまった場合、ドライバーがとるべき操作は「ブレーキペダルを強く、そして踏み続けること」です。

 ABSは、タイヤがロックしないようブレーキを高速で制御しながら、できる限りの制動力と操舵性を確保する装置です。またESC(スタビリティコントロールの略。メーカーによっては「VSC」や「VDC」とよぶ)は、スリップが生じてしまったクルマの向きを、ブレーキ制御を使って立て直そうとしてくれます。これらの機能は、ドライバーがしっかりとブレーキ操作を行って初めて介入してくれる機能。そのため、ドライバーはブレーキを踏み続けることで、これらの制御を確実に介入させることが重要なのです。万が一スリップ中にブレーキを緩めてしまうと、ABSやESCの制御はドライバーの意図を読み誤り、タイヤはただ転がるだけの状態になってしまいます。

 ペダルから伝わる「ガガガ」という振動や作動音は、クルマが正常に制御している証拠であり、異常ではありません。その間はハンドルを大きく切らず、クルマの向きが変わり始めたら、ゆっくりと修正することが大切です。



ただし、いちばん大事なのは「滑る前」にスピードを落とすこと

 もっとも、ABSやESCは決して万能ではありません。ブラックアイスバーンのように極端にグリップの低い路面では、どれほど制御技術が進化しても、制動距離そのものを短くできるわけではないからです。

 そのため、「凍結しているかも」と感じたら、早めにスピードを落とし、前走車がいる場合は車間距離を十分に取ることが、何より重要な対策。とくに注意したいのが、橋の上や日陰、トンネルの出口付近などです。早朝や夜間、このような場所で路面が濡れているように見えたら、ブラックアイスバーンである可能性を疑ったほうがいいかもしれません。ブラックアイスバーンに対してもっとも有効な対処法は、結局のところ「滑らない運転」を心がけることしかありません。






◆     ◆     ◆

 ブラックアイスバーンでは、見えないがゆえに対応が遅れがちです。滑ってしまったら、迷わずブレーキを強く踏み続け、ABSやESCの制御に任せることが正解です。

 ただし、もっとも重要なのは、凍っているかもしれない路面ではスピードを落とすこと。最新の安全技術を正しく理解し、余裕ある運転を心がけましょう。



引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/1418758


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